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大阪地検特捜部の前田主任検事が押収した証拠品を改竄したとされる事件で、最高検が捜査しており、マスコミは例により「検察関係者によると」との報道をしている。最高検が誰から事情聴取をしたかとか、前田容疑者がフロッピーディスクを改竄した理由をどう釈明したか、そのようなことを報道することは、確かに重要なことではある。だが、そのような報道だけだと、問題の本質を見失ってしまう虞がある。
例えば9月22日に、郷原名城大学教授が名城大学コンプライアンスセンターで、緊急記者レクを行った内容。即ち、最高検の調査チームだけの捜査で良いのかと言う問題提議はほとんど報道されていない。検察一体の原則から言えば、中央官庁の局長を逮捕・起訴する時には、最高検まで報告は上がっている。最高検が現在行っている捜査に正当性があるのか。そう云う視点からの報道が成されてはいない。
これまでは、地検での不祥事は、高検が調査し最高検に報告していたそうだ。処が、この事件は、21日の朝日朝刊のスクープ記事で始まり、その日の夜には、最高検による前田容疑者の逮捕・身柄拘束と異常に速い展開を見せた。そこに最高検が、事件を前田容疑者だけに矮小化しようする意図を感じる。そしてマスコミ、特にNHKや日本テレビの報道は、その最高検の意図に沿って報道されているように見えるのだ。
例えば9月26日日曜夜9時のNHKスペシャル「堕ちた特捜検察」での熊崎勝彦元東京地検特捜部長や、同日午後6時からの日本テレビ番組「バンキシャ」での河上和男元特捜検事などは、「このような証拠改竄はあってはならないし、検察の信頼を損なった」とは言うが、最後は、前田容疑者個人の問題に矮小化した発言で締め括っている。
前田容疑者を生んだ背景、即ち特捜検察の体質・捜査手法には触れていない。
NHK番組の中でジャーナリストの江川紹子氏は、この証拠改竄は単に前田容疑者だけの問題ではないと言い切った。初めに「ストーリー」ありきで、それに合わない供述を認めず、本人の意向を無視して調書を作文する特捜検察の体質が生んだのが、この事件の本質だと喝破した。
熊崎氏は、この事件だけが例外だと反論したが、控訴中とは言え、佐藤栄佐久福島県元知事事件などもあるのだから、決して例外ではない。 また、調書の内容(=罪)を認めなければ、拘留を続ける「人質」捜査が問題だとも江川さんは指摘した。
村木さんは逮捕されてから釈放されるまで5ヶ月。西松献金事件では、大久保秘書は2ヶ月。密室の中で、被疑者一人に対し複数の検事(と検察事務官)が、入れ替わりで毎日のように、調書を認めない限り釈放しないと、精神的に追い詰める。それが長年の続く特捜検察による捜査手法の実態だと分かったのだ。
そして本事件の本質は、このようにストーリーを作成し事件をでっち上げた特捜検察だけにあるのではない。この問題の本質は、多くの裁判官が公判での証言より、検面調書を信用して来たことにもある。裁判官が、他に証拠があり、それを補強する検面調書を信用するならば納得できる。だが、特捜が扱う事件は違うだろう。証拠が少なく、自白による検面調書が主で、しかもその多くを被告側が否認しているものだ。
裁判官が自ら指揮する公判で、多くの被告や証人が、「真実を貫こうとしても、逮捕をちらつかせられて、『嘘でもいいから言え』『調書にサインするまで帰さない』などと検事から恫喝された」と証言しても、裁判官はそれを真実の声として受け入れて来なかった。
公判での証言よりも、検察が密室で作成した自白による検面調書を重用視してきた。特捜検察が堕落した原因は、そのような裁判(官)にある。 では、なぜ、裁判官は自らの職責を放棄し、茶番劇のような裁判をするのだろうか。
裁判官も人の子である。「風」の影響を受けている。特捜検察が逮捕すると、マスコミは、即、犯罪者扱いの報道をする。そこに推定無罪もなければ、松本サリン事件の反省も無い。加えて検察の情報操作に乗り、例えば「ムネオハウス」や「水谷建設からの献金」など、確証もない情報を土石流のように流し、容疑者=クロを刷り込む。そして社会に「風」を吹かす。マスコミ報道が冤罪を作り出す一因なのである。
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