http://www.asyura2.com/10/senkyo96/msg/450.html
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http://www.pjnews.net/news/794/20100928_16
沖縄県・尖閣諸島周辺で発生した中国漁船衝突事件の対応で、管直人政権への批判が高まっている。海上保安庁の巡視船と衝突し、公務執行妨害容疑で逮捕された中国漁船の船長釈放が弱腰外交と非難されている。しかし、この対中弱腰外交が管直人政権を意外にも持続させる要因になる可能性がある。
安倍晋三首相以来、日本の首相は短命に終わっている。衆議院議員選挙で敗北した麻生太郎氏以外は皆、精神的に追い込まれ、政権を投げ出す形になった。そこにはインターネット上で活発に展開された政治評論が影響している。ブログや掲示板によって首相の人格を徹底的にこき下ろすバッシングが増幅され、首相を精神的に追い詰めることに一役買った。
最初の犠牲者は安倍氏であった。岸信介元首相を祖父に持つ安倍氏は従来の保守政治家と比べてもウルトラ保守と称すべき立場にあり、左派から危険視され、徹底的に憎まれた。そのために一部の左派によるインターネット上の攻撃も激しかった。そこでは学生時代の学力の低さに言及するなど安倍氏をこき下ろした。
その後、安倍氏はマスメディアからKY(空気が読めない)の烙印(らくいん)を押され、国民の支持を失い、精神的に追い詰められた。インターネット上での地道なネガティブ・キャンペーンが国民的批判の土台となった。
その後の首相に対してもインターネット上での人格攻撃は続いた。麻生氏へは「漢字が読めない」という学力面の攻撃に加え、「口ひん曲げ」という身体的特徴もやゆされた。鳩山由紀夫政権への政権交代後も攻撃者が左派から右派に交代したが、攻撃は続いた。鳩山氏は「鳩ポッポ」「ルーピー」などとこき下ろされた。そして管首相に対しては、安倍政権を追い詰めた左派による攻撃が復活する可能性が高い。
民主党代表選では左派の一部が小沢一郎氏を熱烈に支持したことが特徴である。彼らは民主党代表選を2つの政治勢力の対決と位置付ける。リベラル・国民生活重視・対米自立路線と新自由主義・競争重視・対米従属路線の対決である。小沢陣営を前者、管陣営を後者に当てはめる(林田力「草の根革新派市民の対立軸」PJニュース2010年9月3日)。
http://news.livedoor.com/article/detail/4985532/
左派が田中角栄流金権政治の申し子である小沢氏を支持することは奇妙だが、小沢氏も普天間基地移設見直しに言及するなど左派の期待に応える姿勢を示した。ここにおいて管氏は左派の憎むべき敵となった。既に「カン蹴り」など菅氏をやゆする言葉が生まれている。
就任当初の支持率が高かったが、参議院選挙で惨敗した点で安倍氏と管氏は重なる。普段はかっこうつけているが、メンタル的に打たれ弱い点も両者は類似する。安倍氏は無責任にも政権を投げ出した。管氏は年金未納問題発覚後、お遍路の旅に出るという政治家らしからぬ対応をした。菅政権は安倍政権と同じ展開を予想させた。
ところが、中国人船長釈放により、菅氏がコチコチの保守強硬派ではないことの印象付けに成功した。中国が釈放後も強硬姿勢を変えなかったために中国の国際的イメージが低下する一方で、菅政権が賢明な決断を下したと評価する声もある。これにより左派の攻撃の矛先は鈍る可能性が高い。
一方で右派からは弱腰外交と批判されることになるが、菅氏にとっては深刻ではない。なぜならば菅氏は鳩山氏や小沢氏とは立ち位置が異なるためである。鳩山氏も小沢氏も激しい売国批判に晒(さら)されている。批判者は彼らが日本の国益を蔑(ないがし)ろにしていると主張するが、それは表面的な説明である。本質的な問題は米軍普天間基地の辺野古移設見直しを掲げるなど対米従属路線に挑戦する傾向があるためである。
これに対して、あっさり辺野古移設を認めた菅氏は対米従属路線の脅威ではない。日本の右派は民族の自立を掲げていても、対米従属には沈黙する親米雇われ右翼が主流である。それ故に右派からの菅批判は本気さに欠けるものとなる。【了】
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