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21日に民主、公明両党による部分連合の可能性を指摘したが、どうやらその通りになって来たようだ。今朝の読売新聞のトップ記事によると民主、公明両党が2010年度補正予算案の政策協議を開始することで一致したという。部分連合を念頭に置く動きのようだ。どうも自民党は10年間の政権党の蜜の味が忘れられない公明党に、置いてけ堀を食らいそうな状況のようだ。将来は民主・公明連立政権も想定されうる話だ。そうなれば参院のねじれは一挙に解消する。
政治家の行動は謎めいた部分に首を傾げていると、必ず後になって判明するものだ。臭いと思ったのは首相・菅直人が26日の日曜日に唐突に創価学会系美術館で特別展を鑑賞したことだ。同党の支持母体・創価学会の会長・池田大作が設立した八王子市の東京富士美術館である。明らかに菅は公明党と背後の創価学会に秋波を送っていたのだ。もちろん事前の根回しがないわけがない。菅側近も「思惑がなくて訪問するわけがない」と漏らしている。
加えて注目されたのはNHK日曜討論だ。臨時国会の焦点となる補正予算案で、公明党幹事長の井上義久が、民主党幹事長・岡田克也に、明らかにすり寄っていたからだ。この席では補正予算案を野党との調整の上提出するか、政府がまず作って野党に提示するかが問題となった。自民党幹事長・石原伸晃が「まず政府の責任で提出すべきだ。裏で談合するわけにはいかない」と突っぱねたのに対して、井上が「政府の事前説明を受けるのはやぶさかではない。それを踏まえて政府に作ってもらい、国会で修正することを柔軟に考えてもいい」と政策協議に応じる構えを示したのだ。
補正予算案をめぐっては自民党が総額5兆円規模の案を作成しているが、問題は財源に「子ども手当執行停止」のトゲがあるのだ。これに対して公明党案は4兆円だが、民主党との調整を意識したのか全く問題がないものだ。公明党はかって子ども手当に賛成するなど、自民党の路線と一線を画してきた。尖閣事件に関しても代表・山口那津男が船長釈放にいったんは理解を示しているが、世論を見て急変させている。さる2月には小沢一郎も公明党常任顧問・市川雄一との「一一ライン」を復活させ、創価学会幹部と会談するなど再編に向けた動きを見せていた。背後に小沢の動きがあるかも知れない。少なくとも下地にはなっているだろう。
公明党の動きの背景は、政権党の味が忘れられないの一語に尽きる。狙いは政権に食い込んで、自らの背後にある創価学会の諸問題を打ち消す。これが公明党最大の眼目だろう。10年前公明党と手を組んだ結果、自民党の衰退が目に見えるように進んだ。もはや麻薬のように公明票なくしては生きていけない政党と化して政権はつぶれた。公明党は参院に19議席あり、政権与党が109議席だから合計で128議席となり、過半数の122議席を十分上回る。安定政権としたい民主党にとって垂涎の的であり、たとえ最初は部分連合にしても、民主・公明が手を組めば当分国会運営は思うがままだ。
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