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http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100928/plc1009282146027-n1.htm
菅直人首相が、いったん見送る方針だったアジア欧州会議(ASEM)への出席を決めた。その一報に接した際、失礼ながら「敵前逃亡」という言葉が一瞬頭をよぎった。10月1日召集の臨時国会で与野党双方の厳しい追及を逃れるために外遊を口実にしたのだと思ったからだ。
無論、すぐに勘違いに気付いて心中で首相にわびた。アジアと欧州の対話の場である国際会議に自ら赴き、尖閣諸島周辺での中国漁船衝突事件をめぐり、中国が一方的な言い分を流布するのを防ぐことに主眼があるそうだ。日本の正当な立場を欧州、アジア各国に伝えられたならば、一定の成果だといえる。
ただ、実際のところ何をするつもりだろうか。そんな疑念をぬぐえないのは、先日行われた国連総会で、中国が一方的に発信するのを首相は指をくわえてみていただけだったからだ。
首相は22日、米ニューヨークの国連本部での演説で持論の「最小不幸社会」を説明し、14年も前の厚相時代に薬害エイズ問題に取り組んだエピソードを披露した。24日にも一般演説を行ったが、いずれもなぜか衝突事件に触れなかった。
せっかくのオバマ米大統領との会談でも事件を話題にしなかった。首相自らが「個別のことは閣僚間でやっていることを前提に踏み込まなかった」と記者団に明かしている。
対する中国の温家宝首相はどうだったか。
「過去には強くなった途端に覇権を求めた国があったが、中国は決してそのような道は歩まない」
「主権や領土保全といった核心的利益については、中国は決して妥協しない」 23日の一般演説で温首相は国際社会に自国の正当性をこうアピールした。
いくら「外交には自信も関心もない」と外交当局に見切られているとはいえ、首相の当事者意識は薄すぎよう。これでは「ニューヨークくんだりまで一体何しに行ったのか」と言われても仕方あるまい。
今回のASEMの場でも、日中首脳会談は「なかなかセットは難しい」(前原誠司外相)とされる。それならば、せめて同じ民主主義国家である欧州諸国、そして中国の拡張路線に強い懸念を持つ東南アジア諸国の支持と理解を取り付けてきてほしい。
会談の「する・しない」を外交カードにし、「あなたの顔を立てて会ってやった」と恩に着せ、交渉を優位に進めようとするのは中国や北朝鮮の常(じょう)套(とう)手段だ。
中国の「会談・立ち話」カードには乗せられては困る。中国側との会談に釣られ、参加各国に日本の主張を訴えるのを封じられかねないからだ。
仮に中国側と接触できた場合は、中国が、詳しい事情説明もなく拘束し続ける中堅ゼネコン「フジタ」の日本人社員4人の解放をちらつかせ、さらなる譲歩を迫ってくることへの備えも必要だ。
首相が4人の解放に「ありがとうございました」と頭を下げて帰国してくればどうなるか。完全に国民に見放された政権の末路は想像するのもしのびない。(阿比留瑠比)
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