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中国に原状回復要求=巡視船損傷で、時期明言せず−仙谷官房長官 (時事ドット・コム 2010年9月27日(月)12:03)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2010092700239
(引用)
仙谷由人官房長官は27日午前の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で損傷を受けた海上保安庁の巡視船2隻について「原状回復を(中国側に)請求する。当然政府の課題になり得るし、なるべきだ」と述べた。ただ、具体的時期については「現時点で行うか、(日中関係が)クールダウンしてから行うかは別だ」と明言しなかった。
(引用おわり)
根拠はなに?
(1) 原状回復とは、通常は、契約を解除したばあいに発生する概念である。
民法 第545条 1項 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。
しかし、中国の漁船と日本の巡視船の間に契約があったとも思えない。
(2) 契約のない見ず知らずの者どうしの間で、ケンカ、事故などの場合には、不法行為による損害賠償請求が問題になる(民法709条)。
どうもこれらしい。自動車保険の世界でも、「事故前の、車を自由に使用していた状態に戻すまでにかかった諸費用」を、「原状回復費用」というようだが、これも民法709条にもとづく「損害」回復費用のことだ。
(3) ほかに「損失」とか、「補償」という概念もある。悪いこと、まちがったことをしたわけではないが、損をさせたからお金はだします、という感じ。「刑事補償法」とか。
でも、仙石が云わんとしているところはこれではないらしい。
そこで、云われているのは結局、(2)の「不法行為による損害賠償請求」だと思われる。
それならそうといってくれなくちゃ。この場合には、ポイントは不法行為つまり「悪いことがありました」、という主張なのだから。(ちなみに、だからこそ中国側は、日本に「謝罪と賠償」を要求、とはっきりいっている。)
では、「損害賠償」だとして、どのように請求するか。
( a ) 日本の民法709条にもとづいて日本の裁判所に訴える。どこの裁判所なのかな。
民事訴訟法
第4条 訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。 − (これは船長さんの住所のことだからダメっぽい。)
第5条 次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。
九 不法行為に関する訴え 不法行為があった地
十 船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え 損害を受けた船舶が最初に到達した地
那覇地裁なのかな。で、訴えを受けた那覇地裁は船長さんを呼び出す。来なければ欠席裁判、やったぞ全面勝訴。でも船長さんに差し押える財産が日本国内になければ裁判の手間と費用のムダ。
以上は、訴える相手を誰にするかの問題もあります。船長か、船長の雇い主か、船主か。雇い主や船主が中国政府なら、見込みはあるぞ。日本国内の中国政府資産を差押えられる。ただし戦争覚悟で。
( b ) 中国の法律は知らないが、それにもとづいて中国の裁判所に訴えるか。中国の裁判所が、船長の不法行為(悪いことをしましたネ!)をみとめるという見通しでもあるのだろうか。
以上、けっきょく仙石のいうことは意味不明、無責任。ましてや、「具体的時期については『現時点で行うか、(日中関係が)クールダウンしてから行うかは別だ』と明言しなかった」というのでは、国民をだますため、目くらましとしか思えない。
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