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尖閣に関連する日中外交文書
http://www.asyura2.com/10/senkyo96/msg/199.html
投稿者 加藤 日時 2010 年 9 月 27 日 03:30:38: ZcB0xpcLKA8ZE
 

尖閣に関連する日中外交文書(東大所管)を読みました。
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/indices/JPCH/index.html

TVや新聞が中国政府の主張を全く報道しない、あるいは現日本政府の主張のみしか報道しないこともあって、全く出口の見えない国交の危機になってしまいました。中国の主張をも冷静に知っていただきたく、尖閣にかんする外交文書を抜き出しました。

➊1971年12月30日に、佐藤政権による日米沖縄返還協定に、釣魚島などの島嶼をその「返還区域」に組み入れたことに中国政府が抗議。

中国政府‥‥はやくも明代に、これらの島嶼はすでに中国の海上防衛区域のなかに含まれており、それは琉球、つまりいまの沖縄に属するものではなくて、中国の台湾の付属島嶼である。

「尖閣(魚釣)諸島は、日清戦争下関条約によって清国から奪われたものである。カイロ宣言「第一次世界大戦により占領した太平洋の全島奪還、及び日本が中国領土から奪った領土を中華民国へ返還(例として満洲、台湾、澎湖諸島)」を継承するポツダム宣言を受諾したではないか。」

中華人民共和国外交部は、おごそかにつぎのように声明するものである−釣魚島、黄尾嶼、赤尾嶼、南小島、北小島などの島嶼は台湾の付属島嶼である。これらの島嶼は台湾と同様、昔から中国領土の不可分の一部である。

日本外務省‥‥「日清戦争に勝利後、下関条約よりも3ケ月早く尖閣諸島を領土宣言している。」

1972年5月20日 中国は、ワルトハイム国連事務総長及びブッシュ国連安保理事会担当議長に対する書簡で、魚島などの島嶼の日本返還を拒否通告 

➋1972年9月25日〜28日 田中総理・周恩来総理会談記録
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/JPCH/19720925.O1J.html
尖閣問題棚上げ(両国は領土権を、公式主張しない)が日中国交回復共同声明成立の大前提であった。

田中総理: 尖閣諸島についてどう思うか?私のところに、いろいろ言ってくる人がいる。
周総理: 尖閣諸島問題については、今回は話したくない。今、これを話すのはよくない。石油が出るから、これが問題になった。石油が出なければ、台湾も米国も問題にしなかったであろう。

➌1972年9月29日、中華人民共和国の北京で行われた「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」(日中共同声明)の調印式において、田中角栄、周恩来両首相が署名。

3 中華人民共和国政府は台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを日本国政府は十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。
※ポツダム宣言第八項 「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルベク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州、四国 及吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ

この「吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」とは、尖閣などを日本領にするか否かは中国を含む連合国で決める。そのことを日本は全面降伏時にポツダム宣言で受諾していることをさす。

➍1974年〜1980年 福田政権によって日韓大陸棚協定が締結され、その日韓「共同原油開発区」に中国が再三反発し、1980年に日韓は油田開発を中止した。

‥‥日本政府は共同開発区が東海の中間線を越えていないことを理由として、中国の主権への侵犯を弁護しているが、周知のごとく、中間線は決して海域区分公認の国際法の原則ではない。

国際法は、中間線は協議を通じて関係国の合意により解決しなければならないと要求している。日本側のいう「中間線」が完全に一方的に画定されたものであり、いかなる法理の根拠も持たない。

中日両国政府は一九七二年中日国交正常化を実現し、一九七八年には平和友好条約を締結し、両国間に広範な分野で友好協力の洋々たる道を開いた。東海大陸棚開発という国家主権に関する重大問題については、日本政府は当然中国と十分に協議を行うべきで、一方的に事を進めるべきでない。

钓鱼岛等岛屿自古以来就是中国领土。鉴于中日双方在钓鱼岛主权问题上主张不同,两国政府在1972年中日邦交正常化和1978年缔结中日和平友好条约时,从大局考虑,一致同意把钓鱼岛问题暂时放一放,以后再说。

(釣魚島嶼についても、古来から中国領土である。しかし、1972年の日中国交正常化と1978年の日中平和友好条約の締結の時に、大局を考慮して、両国は問題を棚上げにすることで同意したのである。)

我们主张,中日双方都应以两国人民世代友好的大局为重,不采取单方面涉及钓鱼岛主权问题的行动。

➎1975年 日中漁業協定:(尖閣は日中漁業協定域の外にあるが)協定の精神は(A)巡視船などによる操業ルール違反の取締りは自国船に対してのみ可能(B)締結国の巡視船等が他方の締結国の操業ルール違反を発見した時は、違反事実を他方の締結国に通知し、通知を受けた国が自国船を取り締まる。

➏一九七八年に右翼団体日本青年社が魚釣島に私設灯台を建設し、保守管理してきたが、
2005年2月に日本国政府に「魚釣島灯台を正式に海図に記載し、今後は国が灯台の管理をしていきたい」と申し出て、魚釣島灯台は海上保安庁に譲渡され、現在の状態に至る。(この文はWikiから)

➐参考:【尖閣諸島「領有権問題存在しない」 政府が答弁書を閣議決定(産経)6/8】
菅内閣は8日夜の初閣議で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)について「解決すべき領有権の問題は存在しない」とする答弁書を決定した。自民党の佐藤正久参院議員の質問主意書に答えた。
 尖閣諸島をめぐっては、鳩山由紀夫首相(当時)が5月27日の全国知事会議で「帰属問題に関しては、(米国の立場は)日本と中国、当事者同士で議論して結論を見いだしてもらいたいということだと理解している」と、日中間で帰属が未確定であるかのようにも受け取れる発言をして批判されていた。(産経)6/8

(おわり)  

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コメント
 
01. 2010年9月27日 05:09:32: RZCm1JN5SU
この記事を読むと鳩山元総理がただしいと思える。

>菅内閣は8日夜の初閣議で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)について「解決すべき領有権の問題は存在しない」とする答弁書を決定した。自民党の佐藤正久参院議員の質問主意書に答えた。

何を根拠にして「解決すべき領有権の問題は存在しない」という答えがでたんだろう。

魚釣島の灯台設置か。海上保安庁は右翼団体から灯台を譲渡されたから、現在の灯台の持ち主は海上保安庁のものになっているのか。
灯台を建てるための敷地は無人島だから右翼団体や個人が勝手に自分のものにしていいのかな。
それとも日本国から買ったのだろうか?

う〜ん わからないことがいっぱいある。
調べてみないと。。。 



02. 2010年9月27日 08:11:28: dlp5rHUhkk
このような投稿がマスコミに報道されない。国民が双方の考えを併記しまた歴史的な経過も理解した上でそれぞれの考えを述べたり行動しなければなりません。大変参考になりました。ありがとうございます。グレーゾーンでの行動は今までも厳重に注意してきたと思いますが今回どうしてこのような事が起きたのが。真の原因を究明していかなければなりません。日中双方にあると思います。外交交渉を申し入れる事だと思います。むやみに危機意識を煽る事は厳に慎まなくてはなりません。
絶えず周辺諸国とは十分な情報交換をし友好を深める努力を怠らないことです。

03. 2010年9月27日 08:30:54: n4VWn91ZmI
冷静に対応とはこういう事実を理解した上での対応だと思います。こういう問題は青筋立てる人が多いので言い難くなってしうのですが大変役に立ちます。
竹島問題では正確な情報を持っている桜井さんが韓国の学者を論破していましたが、尖閣ではどのような論拠を持っているのか知りたいものです。

04. 2010年9月27日 19:51:27: Zuo9mHMINl
大変良い資料と思う。中国の主張は歴史観に立った固有の領土の主張であるから重みがある。紆余曲折のなか戦後においては歴史的な日中国交回復を成就するうえで摩擦にならないように田中・周の間で大人の取り決めで領有権争いは一時棚上げにした。

中国は尖閣を日本にくれてやった訳ではなく、状況を鑑みて波風立てる主張は取り敢えず控えたのである。引き続き話し合いにより粘り強く解決すべき案件ということになる。この棚上げで中国が領有権を叫ばなくなったこと持って、70年以降中国は領有権が日本にあることを認めたのだという一部日本人の主張があるが、この資料を見れば、それは自分に都合のいいように考えているだけだということがわかる。

このような中国の主張の一方、日本は、中国から奪った島を条約や取り決めで既成事実化する論法だからやはり軽さは否めない。下関条約にしても余所様から奪った島を既成事実化する操作であって根本的な正統性は無いだろう。日本政府は尖閣問題について中国のこの主張に対する真正面から向き合った説明を国民にしてきたか?中国の主張は無視し日本の主張だけを国民に言ってきただけではないか?それも「領土問題は存在しない」と言うだけの類の。

尖閣問題はこういう中国の主張をよく聞いて判断することが必要ではないか。


05. 2010年9月28日 00:01:55: vQUQNtBSgQ
投稿氏、ありがとうございます。

>>1
石垣の方の私有地だと聞いたことがあります。

東京で沖縄出身の知り合いと酒飲んでいて、沖縄出身の女優さんの話になったら「あの苗字は石垣だから台湾なんだよね」と普通に言っていて印象が強く覚えています。知り合いは沖縄本島のどっか(忘れました)の出身で、台湾とは台湾系というような意味だと思います。


06. 少佐 2010年9月28日 11:13:38: 0U5uPyyCiZ25I : lZBxsrIr1g
タイトルは「尖閣に関連する日中外交文書」となっている。「日中」とあるが故、一元的に判断するのは拙速。アメリカの外交圧力や戦勝国同士の駆け引き、そこに付随する戦後日本の立場も踏まえ、引き続き議論する必要がある。

07. 2010年9月29日 21:57:00: 1MtYZypPjE
1895年の閣議決定で日本国沖縄県八重山郡への編入が正式決定され、日本国に所属している。
中国政府が1920年に魚釣島や石垣島の島民らに送った「感謝状」に、『日本帝国沖縄縣八重山郡尖閣列島』と書かれています。
これを読めば中国の言っていることが、如何に「二枚舌の戯言」であるかが、一目瞭然です。

中国のウソ決定的証拠!「尖閣は日本領」認めていた(zakzak)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100924/dms1009241604021-n2.htm


08. Benjamin Song 2013年6月27日 10:57:38 : hd6kafLTmL7TA : ydPGTZNZ0s
 『1972年の日中国交正常化と1978年の日中平和友好条約の締結の時に、大局を考慮して両国は問題を棚上げにすることで同意した…』のは、TV番組でもそのような場面を見たと思うので、その可能性大だと思う。

 しかし、去年の中国の国家ぐるみの暴動に関し、当時の石原都知事のアメリカでの発言から野田政権の国有化への手続と、日本側が先に動いてその同意を反古にしたかのような似非進歩的文化人の自虐史観がよく聞かれる。

 現在、東シナ海、南シナ海の各地で起きている領土紛争が大変参考になるのは、領土問題を起こしているのが常に覇権主義国・中国の領土拡張欲によるものであることがわかることである。
 尖閣諸島周辺も全く同様で、1992年、尖閣を自国領とする領海法を一方的に制定し原状変更に動いたのは先ず中国である。
 海底油田、ガス田で見せるなりふり構わぬ資源への渇望といい、この国の政権党の並べる御託と実際の行動を性善説風に理解しようとするのは愚挙なのである。
(Jun.27, 2013 by Benjamin Song)


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