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「法に則って粛々と進める」(前原)これは官僚の(論理であり)言葉であるーそして「事件」の本質である。
http://www.fsight.jp/article/5057
今回の「事件」を解くカギは、上にあるように、昨年5月に、海保がそれまでの姿勢を改め、強硬姿勢に転じたことにある。 昨年5月とはどういう時期だったのか? 3月に西松事件、そしてこの5月には郵便不正事件が起きている。 即ち「政権交代」が現実味を帯びて来るとともに、検察が民主党潰しに本格的に乗り出した時期である。 つまりこれも、政権交代が実現した後に当然予想され得る外交政策の変更(対中接近)に楔を打ち込む為に、官僚(海保)が仕掛けた罠、「時限装置」付きの爆弾だったと見れば納得がいくだろう。
では何故この時期(9月6日)だったか?と言えば、「民主党代表選」の最中、最も政治介入がし難いと共に、「領土問題」が絡む故に、どちら側からも強硬姿勢に支持が得られる、と踏んだのだろう。
もちろんこの「時限装置」のスイッチを押したのは現外相の前原だろうが、「法に則って粛々と進める」の発言にある通り、3週間に渡る期間マスコミを占有していたのは官僚の言葉。 政治(家)の言葉が殆ど出て来ず、外交も丸で機能しなかったということは、全編「官僚の論理」で仕切られていたからだ。
今回、管首相や仙谷官房長官に非があるかのような見方が多いが、完全な誤りである。 彼等は、単に、官僚に乗っかってるに過ぎない。 しかも「政権交代」以前、西松事件から今回までを冷静に見てみるといい。 この2年近くは「検察政局」、言い換えれば政治は検察主導になっているのである。
では何故10日間の「拘置延長」しながら、昨日になって急に取り下げ、釈放したのか?
敢えて言おう。 これは始めから予定されたものである。
今世間を蓋いつつあったのは、村木事件を切っ掛けとした検察への不信だ。 もしこの中国漁船の問題が無ければ、当面の話題は「検察の捏造問題」一色になり、当面大きな注目を浴び続け、検察の解体的再編は避けられなかったかも知れない。 しかしながら、今回の決定で、明らかに検察の「政治判断」であるにも関わらず、政治の犠牲になったとして、同情さえ呼ぶかも知れないし、当面、メディアの「話題」は「中国問題」に集中し、必然的に、国民の関心が「検察」から離れて行くことになるだろう。
そして今回中国が示した強硬な態度で、中国批判や脅威論が高まり、国民の間に、嫌中感は更に深く、拡がって行くことになる。 そうして中国に対する不満や批判のベクトルは、そのまま、「弱腰の民主党政権」に移って非難の大合唱が集まり、結果的に、検察の受けるダメージは最小限に止まるかも知れないのである。
何故今回、外務省が全く動こうとしなかったのかもここに在る。 これはあくまで国内問題=国交省(海保)又は法務省(検察)マターであり、外務省が下手に動いて矢面に立つよりも、事件で巻き起こるであろう批判や非難をかわし、代わりに民主党政権の無能振りを浮き彫りにする。 霞ヶ関の集合的無意識(佐藤優)に沿うと同時に、それでなくても経済的な結び付きが強まるに連れて出て来るであろう政治的接近に縛りを掛け、日中離間と言わぬまでも、自民党時代の”政冷経熱”に戻すー外交が全く機能しなかったのは、外務官僚(親米派)の思惑通りであったことを示すのだ。 不作為こそが作為的だったのである。
「政権交代」以降、「政治主導」を掲げたからこそ、逆に、従来以上に見えて来たものがある。
この国は、やはり、官僚が要所要所を固め、政治を差配しているのである。 現在の民主党政権が示してるのは官僚に屈服した姿であり、国内においては、言うならば万能と言える程、官僚の力の程を見せ付けられているのだ。
そうして以上のことは、総理大臣は実権を持たず、権力の実体として在るのは行政各部の各省であり、政治権力の部分への解体・空洞化となって、終には制御不能となっていった明治憲法下と同じ問題が露呈して来たことを示す。 即ち、戦前には「統帥権」の問題として出て来た<天皇大権>=<統治大権>ー<統治を行使する主体>の問題である。 戦後憲法下にあっては、言うまでも無く首相に属する。 その行使された分かり易い事例が、福田首相がやった「超法規的措置」だ。 そもそも、「三権分立」に絡んで、検察は司法府に属するが如きギロンが横行しているが、法務省に属し、法務大臣の指揮・監督を受けることからも判るように、検察は行政権に属する。 従って、行政府の長である首相の指示が最も優先されるのである。 しかるに、もしこれが、実際に首相が指示したとなると、「政治介入した」として、恰も脱法行為であるが如き、「三権分立」を犯したかのようなギロンが巻き起こっただろう。 30年前には、首相の司法への介入も有り得たことと比べると、政治家が丸で身動き取れないようになって来つつある現実があるのだ。
今回、行政府の末端である那覇地検の検事の「政治介入」は、滑稽な迄に、政治権力の部分への解体・空洞化の現実を示すものなのだ。
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