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郵便不正 本紙報道を検証 検察の構図 どう報じたか 産経関西
http://www.asyura2.com/10/senkyo95/msg/928.html
投稿者 black9 日時 2010 年 9 月 25 日 21:05:19: gWkPHV3D8TzCo
 

http://www.sankei-kansai.com/2010/09/23/20100923-043944.php

郵便不正 本紙報道を検証 検察の構図 どう報じたか 産経関西(産経新聞大阪本社公式ニュースサイト)2010年9月23日

 大阪地検特捜部の主任検事が証拠隠滅容疑で逮捕される異例の事態に発展した郵便不正事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長、村木厚子さん(54)に対し、大阪地裁が10日に下した無罪判決が確定した。判決は特捜部が描いた事件の構図を全否定する内容だった。産経新聞は村木さんを逮捕する前後の捜査や公判をどう取材し、どう報じたのか検証した。 (紙面は大阪本社発行最終版)

■逮捕前
 村木さんを最初に報じたのは、厚労省元係長の上村勉被告(41)=公判中=が逮捕された翌日の昨年5月27日付夕刊1面。
 《『厚労省幹部から受け取る』倉沢容疑者が供述》との見出しで、障害者団体「凛(りん)の会」元会長、倉沢邦夫被告(74)=1審一部無罪、検察側控訴=が特捜部の調べに、厚労省発行の証明書を「当時課長だった現局長から直接受け取った」と供述している、として局長だった村木さんの関与を匿名で報道した。
 前日の26日、検察担当記者が厚労省で村木さんに取材を求めたが、応じてもらえなかった。当時は国会会期中。局長室前で待機し、答弁のため国会へ移動するときに複数回取材を試みても無言のままだった。
 それから数日間、日中は厚労省、夜間は自宅マンション前で接触を試みた。しかしいずれも空振りに終わった。このため、厚労省広報室を通して「凛の会にも倉沢という人物にも心当たりはない。どうして私が偽の証明書を手渡したと言っているのか分からない」とするコメントを入手した。
 関係者取材で上村被告が偽の証明書作成の動機を「自己保身のため」と供述していることをつかみ、6月2日付朝刊1面で報道。焦点だった村木さんの指示を否定する内容だったが、それ以降の報道は他社と同じ村木さんに疑惑を向けたものになった。
 6月13日夜、検察幹部らの取材を通じて14日にも逮捕の可能性があると知り、14日付朝刊1面トップで《厚労省局長を聴取へ》と報じ、入手済みの村木さんのコメントを掲載した。

■逮捕後
 14日午後、村木さんは逮捕された。休刊日だったこの日をはさみ、15日付夕刊1面で《証明書偽造容疑で厚労省局長を逮捕》と報道。捜査関係者の話として「『凛の会のことも証明書のことも知らない。倉沢容疑者に会ったこともない』と全面否認している」という供述も合わせて報じた。
 村木さんは厚労省で仕事ぶりや人柄の評価が高く、社会面では「上司、部下ともに慕われていた」とも書いた。しかし当時、検察幹部は「すべて証拠でがんじがらめ。有罪は確実」と断言していた。その証拠とは上司や部下、凛の会関係者らの供述調書だった。後の公判で供述が相次いで覆され、「取り調べに問題がある」と調書の証拠採用まで却下されるが、当時はそこまで予測できなかった。
 これまで裁判所が同じ法律のプロである検察官が取った調書に信頼を寄せていたのと同様に、本紙も検察情報による供述内容に信用性があると判断。「供述」を中心に、村木さんの関与を示す続報を記事化した。
 20日朝には、大阪拘置所で村木さんとの接見を終えた弁護人に取材。「日常業務から考えて証明書を偽造するなんてあり得ない」「(政治家の口利きは)特別記憶に残っていないし、政治家とやりとりする理由もない」「(倉沢被告に)少なくとも記憶に残る会い方はしていない」という主張を同日付夕刊で報じた。ただ、記事は社会面2段見出しの地味な扱いだった。

 捜査段階では、女性キャリア逮捕の衝撃や国会議員に波及する可能性もあり、報道合戦が過熱した。確かに冷静さを失い、検察の構図に沿った報道に傾いた感は否めない。
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マスコミは高い自律を 村木さん 一問一答
 村木厚子さんは判決後の16日、産経新聞の報道について次のように語った。
 ――逮捕前後の関係者の供述報道について
 「取り調べの内容が流れるのがいいのかという問題はあるが、情報が取れたのに書くな、というのは難しいと思う。でも『あれだけを書くの?』と問いたい」
 ――今後の報道に何を求めるか
 「マスコミには権力と戦い、チェックし、悪い者を指弾するという高いミッションがある。競争は激しく、手柄を立てたい意志の強い人もいる。どうやって行き過ぎないように自分を律するか、易きに流れず能力を高めるか、自分たちの中で検証して後の取材に生かしてほしい」
 ――逮捕前に取材に応じなかったことについて
 「検察から名前が出ているのに呼び出しがない状態が続いた。マスコミの方に間接的に聞いた検察の状況を前提に取材に応じるよりも、やはり私が本当に話すべき相手は検察だったと思う。ああいう状況では、疑われている側には打つ手がない」
 ――公判段階の報道について
 「産経新聞の詳報は、膨大な1日の公判のポイントが書かれていて、とてもありがたかった。支援者が詳報を読んで裁判の中身を知り、理解してくれていた」
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問答形式で公判「詳報」
 村木さんをめぐる報道で特徴的だったのは、公判では一転、無罪を前提とした報道が目立ったことだ。
 刑事事件では当初、ほとんどの弁護人が一切の取材を拒否するが、公判での主張が固まった段階で取材に応じる方針に転換する場合がある。このとき捜査段階には実現しなかった被告側の取材が容易になるという「逆転現象」が生じる。
 今回もその典型だった。村木さんと弁護人は保釈後と初公判前後、判決前後の計5回、記者会見を実施。各公判終了後も弁護人が常に取材に応じた。ただ、産経新聞は公判段階で被告・弁護側と検察側のいずれにも偏らないように努めた。
 証人17人のうち、共犯とされた上村、倉沢両被告など15人の証人尋問や村木さんの被告人質問のやりとりを問答形式で詳細に再現した「詳報」を計15回掲載。検察側と被告・弁護側の攻防の様子が客観的に分かる報道を試みた。
 ただ、5月26日の第20回公判で主要な供述調書の証拠採用が却下されると、検察側の劣勢が明らかになった。本紙も無罪の公算が大きいとの見方を強め、判決前には捜査の問題点を検証する企画記事を朝刊1面で5回連載した。
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検察と一定の距離を 元東京地検特捜部長・中央大学法科大学院教授、宗像紀夫弁護士
 逮捕当初、「村木厚子さんが犯行に関与したのは間違いない」という検察の見方が垂れ流しで報道されていた印象がある。
 マスコミは捜査段階で容疑者側の主張を聞くよう努力すべきだ。ほとんどのマスコミは検察ワンサイドの報道しかしていないようにみえる。同じ問題について容疑者の弁護人にも取材し、「捜査当局はこう見ているが、一方でこういう見方もある」と容疑者側の言い分も十分に吸い上げた上で掲載すべきではないか。捜査側の見立てを垂れ流しにするだけではマスコミの存在価値はない。
 今のマスコミは「従軍記者」のごとく検察と全く同じ立場で、同じ方向を向き、一体となっているように感じる。しかし、検察はあくまで事件捜査の一当事者でしかない。マスコミは検察と緊張関係を保つため、検察の「磁場」から離れ、一定の距離を置いて検察情報に疑問を持ちながら報道すべきだろう。
 私自身、現役時代にマスコミから教えてもらうことも多かった。検察とマスコミは社会正義実現という目的に向かい、節度を守って互いに情報を交換する、整理するという関係が理想的だろう。
公式の場で問い質せ ジャーナリスト・江川紹子さん
 捜査機関とメディアの問題点は重なる。東京地検の会見が雑誌やフリーの記者にもオープン化されたが、その会見に出席して感じるのは、検察が容疑の認否といった基本的なことすら答えないのに、司法記者がそんな「検察の流儀」になじんでいることだ。後から個別で聞くのでなく公式の場で言わせないとだめ。個別で勝手なことを言い、それが報道されてもだれも責任を取らない。
 郵便不正事件では、検察側情報に基づく供述報道が一斉になされた。検察は都合の悪い情報は出さない。“フィルター”がかかっていることを踏まえた上で報道することが重要だ。

 産経新聞では、村木厚子さんの逮捕や関係者供述など検察側情報による記事は1面に掲載されたのに、村木さんと接見した弁護人の情報に基づく記事の扱いは小さかった。これでは読者の印象に残らない。弁護側情報の扱いを考え直すべきだ。
 一方で各社で唯一、証人尋問などのやりとりを記した「詳報」を紙面やインターネットで報じた。通常の記事は記者の見方に沿ってしまいがちだが、“生の素材”を読者に提供して判断をゆだねる客観報道に徹したのはよかった。
報道にも大きな責任 枚方談合事件で無罪が確定 小堀隆恒・元枚方市副市長
 私は大阪地検特捜部に逮捕されてから一貫して無罪を主張したのに、逮捕翌日の新聞各紙の紙面では「全面的に認めている」と書かれた。私が事件に関与していたと思わせる記事で埋め尽くされたことで、いまだに「談合にかかわった副市長」という印象を持つ市民も少なくない。
 市の広報課長を務めたこともあり、報道機関のスタンスはわかっているつもりだった。正しいものは正しく、悪いものは悪い。悪しき権力をただす役割を担う報道機関に対し、私も畏敬の念を持っていた。
 しかし、事件をめぐる報道によって私の思いは間違っていたんだと思った。報道機関に対する信用というものはなくなった。記者が足で稼ぎ、事実を把握し、その上で市民に知らせるのが当たり前の話ではないか。確かに検察の捜査は人権侵害だった。だが、その検察に沿った記事を書いた報道機関も大きく加担したことを忘れないでほしい。
 郵便不正事件でも同じことが起きた。新聞は一度立ち止まって自らの役割を見つめ直してほしいと思う。検察や報道機関の批判記事を書けと言っているわけではない。本当のことを報道してもらいたいだけだ。

犯人視しない報道を模索 社会部長 内野広信
 厚労省元局長の村木厚子さんの無罪判決が確定した郵便不正事件は、犯罪報道のあり方について改めて考えさせられる事件となった。
 障害者団体の意を受けた国会議員が口利きをし、厚労省の担当部長―課長―係長の流れの中で偽造証明書が作成されたというのが特捜部が描いた事件の構図であった。
 少なくとも、偽造証明書が物証としてあり、厚労省が発行したのは事実であった。どのようなルートで発行されたのかに注目が集まり、本紙は捜査当局や関係者らの取材を重ねる中で、当初、特捜部の構図が正しいとの見通しを持っていた。
 特に知能犯事件の場合、当事者の供述が事件の行方を左右するとの経験から、昨年5月に元係長、上村勉被告が逮捕されてから、上村被告や障害者団体幹部らの「供述」を記事の核にして報道した。供述の「有無」に取材の力点を置いて、特捜部の捜査の方向性を追った。

 ただ、特捜部が捜査を有利に進めるため報道機関に意図的に捜査情報を流す「検察リーク」に乗るなどという関係が本紙と特捜部にあったわけでは決してない。
 一方、村木さんは昨年6月に逮捕されてから一貫して否認を続け、取材の中からも信じられない特捜部の捜査のずさんさが見えてきた。
 このため、公判段階での報道は、従来の裁判報道にとらわれず、検察と弁護側双方の主張をわかりやすく伝えるため、公判でのやりとりを可能な限り再現する「詳報」のスタイルで報じてきた。
 日本では起訴された被告は99%以上が有罪判決を受けているうえ、今回の事件の捜査機関は巨悪を眠らせないという強い使命感と高い捜査力のある特捜部だった。過去の実績による「信用」を前提にして、捜査段階での報道が引きずられてしまったという指摘は認めなければならない。
 さらに、特捜部の主任検事が犯罪行為をしてまで事件を作り出そうとしていた驚くべき実態が明らかになってきたが、報道機関としてなぜ事件の「真相」あるいは「構図」に迫りきれなかったのか検証していきたい。
 昨年5月から始まった裁判員制度で、報道機関は裁判員に予断を与えないよう配慮するよう求められ、犯罪報道のあり方が問い直されている。犯人視しない報道とはどのようなものなのか。今回の報道を反省し、捜査情報をどう扱っていくべきか、さらなる模索を続けなければならない。
(2010年9月23日 08:27)
タグ:検証, 産経新聞, 郵便不正
 

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コメント
 
01. 2010年9月25日 21:21:02: 2kygrfHAsQ
この不正事件は誤解が多い。

木村は、無罪になったが、不正事件は事実存在したのであり、木村以下政治家も関与している。 木村も無実になったとは言え、真っ黒黒である事を忘れては本質を間違える。

前田の件も重要だが、この事件の根底にあるものは何も解決されず、議論すらしないのは可笑しい事である。


02. 2010年9月25日 21:32:49: 7iIg5FjFfI
経過はともかく結果責任。とりあえず発行停止。自主規制。
断片的な情報をつなぎ合わせれば真実は見えてくる。郵便不正事件は地下茎で小沢事件に繋がっている。同じ検事だ。
なぜ、特捜部の家宅捜査の絵が撮れるのかおかしいと思うだろう。
なぜ、検察が押収した手帳の内容が漏れるのかおかしいだろう。
なぜ、取り調べ中の被疑者の話がでるのか、そういった事を繋いでいくと検察が情報操作をしている事に気がつく。そして、その裏にあるであろう巨大な意志を伺い知る事ができる。その正体を暴くのがジャーナリストの仕事だ。

03. 2010年9月25日 21:58:41: MxgLEDEiDc
01さんへ

>木村(注 木村=× 村木=○)も無実(注 無実=× 無罪=○)になったとは言え、真っ黒黒である事を忘れては(注 忘れては=× 願っては=○)本質を間違える。

かつて、「小沢一郎が不起訴となっても、真っ黒黒である事を忘れては本質を間違える」と書きまくっていた人たちがいました。なんだか、似てるんですけど。


04. 2010年9月26日 00:49:25: 6kBD5UlDyg
見苦しい言い訳。この一言。宗像など今頃何の寝言を言ってる。

小沢一郎関連で西松建設案件の大久保被告、陸山会案件の石川議員、松田被告、さらに主張が崩れたあと訴因変更してまで大久保被告の身柄を拘束した事実。

この村木被告の案件と全く変わるところはない。捜査手法も絵の描き方も瓜二つだ。それを全く報じないマスコミ、朝日新聞などしばらく発行自粛か停止した方がよい。

ついでに自民党、みんなの党、公明党、共産党も「政治と金」「クリーン」などと言っている限り同罪だ。あんたらが本気で官僚の既得権に手をつけるなら同じ方法で殺られるのだよ。何も出来ないからお目こぼしをされているだけというのがわからないのか。わかっていて自分達の政敵を攻撃しているのか。どちらにしても救い難い連中だのう。


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