http://www.asyura2.com/10/senkyo95/msg/681.html
Tweet |
事件報道の際、テレビ局は検察のストーリーを脚本にした「再現ビデオ」のようなものを作り込んで、あたかもそれが事実であるかのように視聴者に刷り込ませる。
今回「検察ストーリー」の虚構が暴かれ、この先この手は使えまい。
冤罪を作るのは検察かも知れないが、罪人を作って貶めるのはマスコミのメディア・ストームである。
奇しくも足利事件で菅谷さんの冤罪がようやく晴れていたちょうど同じ時、別の冤罪作成が同時進行していたのである。
では、「村木局長逮捕」の一報が流れた次の日の夜、どのような番組作りがされていたのか、
テレビ朝日の看板番組『報道ステーション』をサンプルとして取り上げる。
●厚労省局長逮捕(約11分20秒)<放送:2009年6月15日>
(ナレーション)
今日、19日ぶりに大阪地検特捜部が家宅捜索に入った厚生労働省。
現役局長が逮捕されるという事態は厚生労働省始まって以来のことだ。
新たに逮捕されたのは厚生労働省雇用均等児童家庭局長・村木厚子容疑者。
2日に行われた国会答弁では、一貫して事件への関与について口をつぐんでいた。
2日、参院厚生労働委員会
(民主党・蓮舫議員)
「児童家庭局長にお伺いいたします。当時の企画課長として決裁されましたか?」
(村木局長)
「お答え申し上げます。お尋ねの件でございますが、雇用均等児童家庭局長である政府参考人としては、所管ではございませんので、お答えをする立場にございません」
(ナレーション)
逮捕容疑は虚偽有印公文書作成・同行使。
部下だった上村容疑者と共謀し、障害者団体の実体がない「凛の会」を正規の障害者団体と認める偽造証明書を作成したというのだ。
報道ステーションは逮捕前の先月末、村木容疑者に話を聞いていた。
先月27日、電話にて
(富川アナ)
「村木さんの電話でよろしいでしょうか?」
(村木局長)
「はい、そうですが。その取材の件は、窓口を一元化しているので、そちらの方にまず取材をしてください。私の方では個人的にお答えしないことになってますので、よろしくお願いします」
(ナレーション)
村木容疑者はこの電話取材の後、人事課を通じて、「“凛の会”のことは全く知らない」と回答を寄せた。
逮捕後も、大阪地検の取り調べに同様の供述をしているという。
郵便割引制度を悪用したとされる事件。
制度を使えば、通常120円の郵便用金が8円ほどに割引される。
その差額は障害者福祉のため、広く一般の利用者が負担している形だが、“凛の会”は大阪地検特捜部が立件しただけで、20億円近い郵送料を免れたとされる。
“凛の会”が郵便割引制度を悪用するためには、郵便局側に公式な障害者団体だと認めさせる必要があった。
そのためのお墨付きとなったのが厚労省の出した証明書だった。
先月25日夜
(厚労省・障害保健福祉部・上村勉係長) 「何なんですか?」
(記者) 「事実関係は?」
(上村) 「知らないです」
(記者) 「全く知らない?」
(上村) 「はい」
(ナレーション)
先月、村木容疑者のかつての部下にあたる上村容疑者が逮捕、「村木容疑者に証明書の発行をせかされ、直接渡した」と供述している。
さらに先に逮捕されている“凛の会”の元会長・倉沢邦夫容疑者も、村木容疑者の関与を供述する。
テロップにて
(倉沢邦夫・“凛の会”元会長) 「証明書は村木容疑者から直接受け取った」
(ナレーション)
そもそも証明書は課長がじきじきに手渡しするようなものなのだろうか。
都内にある障害者関係団体。今年3月に厚生労働省から証明書が発行された。
しかし、課長が直接申請者に証明書を渡すことは異例だという。
(障害者関係団体の常務理事)
「係長というより、係の人ですかね、まあそういう人に(申請書を)提出して、そして最後はその人から(証明書が)またこちらに郵送される。
課長がですね、いわゆる係員なり係長を飛び越えて、証明書を渡すと、そういう形はまあ経験としてはないですね」
(ナレーション)
そこにちらつくのは政治家の影。
当時、村木容疑者の直属の上司にあたる担当部長の供述。
テロップにて
(上司だった元部長)
「証明書の発行を国会議員に頼まれた。村木容疑者に倉沢容疑者を引き合わせた」
(ナレーション)
村木容疑者が課長を務め、偽造証明書を発行したとされる時期、厚生労働省保健福祉部はある重要法案を通すために、多忙を極めていた。
その法律とは「障害者自立支援法」。
当時の局内状況をよく知る障害者団体の関係者は
(日本障害者協議会・藤井克徳常務理事)
「こうした新しい大きな変革だけにね、当然まあ、国会の理解が要るんだと。協力なしにはね、こうしたものは実現しないんだ。国会議員の有力な方々と、やっぱりつながりをつくりたいと」
(ナレーション)
障害者福祉予算の増額を抑える狙いとして、2006年から施行されている障害者自立支援法。
サービス料の1割の自己負担を求めるなど、障害者団体からの強い反対の声も挙がっていた。
当時、村木容疑者の上司だった元部長の供述
テロップにて
(上司だった元部長)
「野党対策の意識があった。障害者自立支援法の成立を視野に、証明書発行を承諾した」
(ナレーション)
関係者によると、国会議員からの依頼に対処しなければならないという空気が、当時の企画課全体に流れていたという。
しかし、依頼をしたという国会議員本人は厚生労働行政とはなじみが薄く、今回の件への関与を一切否定している。逮捕を受けて厚生労働省の幹部は
テロップにて
(厚労省幹部)
「なんで決裁権を持っている人が偽造するのかわからない。釈然としない。偽造するぐらいだったらちゃんと認定するはずだ」
(ナレーション)
村木厚子容疑者は1978年に地元、高知大学を卒業し、旧労働省へ入省。
長年にわたり、女性(の雇用問題)や障害者政策に携わってきた。
将来の次官候補とも目されていたという。
午前10時、記者会見
(舛添厚労大臣)
「大変有能な局長でありますし、働く女性にとって大きな希望の星でしたので」
(ナレーション)
村木容疑者が将来の次官候補とまで目されるようになったのは、障害者自立支援法を取りまとめたことが功績となった。
(村木容疑者は、証明書の偽造が行われた当時、障害者自立支援法の成立に向けて、全国を回っていた。広島県福山市でも約300人の聴衆を前に1時間以上にわたり、熱心に講演していたとして、当時の講演の録音テープを流す)
2005年6月、福山市で行われた講演
(村木)
「皆さん、こんにちは。厚生労働省の村木でございます。今度の自立支援法なんですが、制度改革をしますから、どうしても必要なお金なんです」
(ナレーション)
当時、村木容疑者を講演に招いた障害者団体は、彼女の熱心な仕事ぶりを鮮明に覚えているという。
(就労支援事業所「ウイズ」・村田直司施設長)
「彼女は純粋な気持ちで障害のある方に対しての施策をやっていた本人ですから」
(山口アナ)
「まじめな方なんですかね?」
(村田施設長)
「僕の知ってる国の官僚タイプじゃない、何か芯が通っているものを持っておられるような気はしてましたね」
(ナレーション)
村木容疑者は大阪地検の調べに対し、「“凛の会”を知らないし、倉沢容疑者のことも、証明書偽造のことも全く知らない」と、これまで同様、不正への関与を否定している。
(古館)
「この自立支援法案を何としても通そうと思っている時だとすれば、もし政治家からいろいろと圧力なり何なり声がかかってきた時には、まあ、ちゃっちゃっとやっちゃおうかみたいなことがあったのかなと思うんですけども、もしそうだとすると、どこまで伸びるかだと思うんですけどね、これ」
(一色)
「それだったらまあ、目的のために本当にね、手段を選ばずということで、ちょっと善悪が見えなくなったのかなと思いますけれども、まあとりあえず、一応大詰めにきているのはもう間違いないと思うんですけどね。全体の全容がだいたい見えてきたのかなっていう感じはしますけどね」
(古館)
「ああ、そうですか。まあだけど、本当にこの自立支援法というのは評判が悪くて、障害者の方に均等にサービス料1割自己負担!と。これが評判が悪い、よくないっていうんで、今、この改正法案っていうのがね、政府案として出てますけど、国会、それ動いてませんよね。そういう中でどうしてもお金が必要なんですと、講演で局長の人が言ってましたけれども、容疑者は。だけど、もし本当に必要だというのを認めたら、じゃあ一方では悪事働くためにこれだけカネがね、とんでもない形で、カネ浮かして動いてたわけですよね。本当に嫌になっちゃいますよね、それ考えると。
「本当に嫌になっちゃう」のは、こんな番組を見せられる国民の法だ!
※『報道を斬る!(旧デイリー・メディアチェック)』のブログを参考にしました。
http://houdoumimamoru.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-498c.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK95掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。