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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100922-00000000-sbunshun-pol
執行部の顔触れを一新した自民党。石原伸晃幹事長、石破茂政調会長、小池百合子総務会長の新三役はいずれも五十代で、六十四歳の大島理森前幹事長は後ろから支える副総裁に転じた。谷垣禎一総裁は「清新な力で国会論戦をやり選挙を勝ち抜いていこうという願いを込めて今回の陣容を組んだ」と説明し、「一日も早く衆院解散に追い込みたい」と対決姿勢をアピールした。いつ解散・総選挙があっても対応できる「選挙シフト」を組んだというわけだが、新体制にはもう一つの顔がある。
自民党関係者が語る。
「『加藤の乱シフト』です。国会対応の中心メンバーを見てください。谷垣総裁、大島副総裁、石原幹事長、田野瀬良太郎幹事長代理、逢沢一郎国対委員長、佐藤勉同筆頭副委員長。大島氏を除いて、いずれも十年前の面々です」
森内閣打倒を目指した加藤紘一、山崎拓両元幹事長が野党提出の内閣不信任決議案を成立させようとした「加藤の乱」。結局、党執行部に鎮圧されたが、谷垣氏ら五人は最後まで処分覚悟で衆院本会議を欠席した。
当時、民主党と連携し大掛かりな政界再編を目指した加藤氏は、「私の携帯には菅さんの電話番号が入っている」と、民主党幹事長だった菅直人首相との密接な関係を誇示したものだ。その地下水脈は今もつながっている。加えて石原氏と民主党の枝野幸男幹事長代理には、九八年に金融再生法をまとめた「政策新人類」のつながりもある。
「民主党が菅グループと小沢グループに分裂する事態になれば、谷垣―石原ラインは迷うことなく菅グループと組もうとするでしょう。国会運営でも党内右派やベテラン議員の反発をよそに、加藤の乱シフトで押し切ってしまおうという腹ではないか」(同前)
実際、谷垣氏は対決姿勢の一方で、「協力すべきところは協力する」と菅政権に秋波も送っている。そうした新執行部の空気に警戒心を強めているのが、大の菅嫌いで知られる大島副総裁だ。「記者会見では必ず『解散に追い込む』と言うようにしてください」と谷垣氏の尻を叩き、民主党新執行部が就任あいさつに来た際は、笑顔で枝野氏と言葉を交わした石原氏を「あんまり親密にやらん方がええ」としかりつけた。大島氏が助力を頼むのは、盟友の二階俊博元総務会長。臨時国会を前に加藤の乱メンバーと大島・二階コンビの綱引きが始まっている。
(週刊文春2010年9月30日号「THIS WEEK 政治」より)
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