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http://news.livedoor.com/article/detail/5023072/
2010年09月21日14時00分
佐藤優の眼光紙背:第80回
日中関係がかつてなく緊張している。ここで中国に対して毅然たる態度をとらないと日本の国益を大きく毀損する。
9月7日、尖閣諸島・久場島沖合で中国のトロール漁船と海上保安庁の巡視艇が衝突した。尖閣諸島は、わが国が実効支配している。当然、日本領だ。海上保安庁は、中国漁船を拿捕し、船長を逮捕した。日本は主権国家として適正な法手続を行ったにすぎない。これに対して中国政府は、あえて拳を高く振り上げることによって、尖閣問題を領土問題として日本側に認知させようとしている。
19日、石垣簡易裁判所が、石垣海上保安部が公務執行妨害容疑で逮捕した中国人船長※(※=簷の竹かんむりを取る)其雄容疑者(41)について、那覇地方検察庁石垣支部の請求を受け、10日間の拘置延長を決定した(拘置期限は29日)。
捜査当局は、漁船側の行為は悪質性が高いとみており、全容解明には日本の刑事訴訟法で認められる拘置延長が必要と判断した。那覇地検や第11管区海上保安本部は、地検石垣支部などに検事や海上保安官を派遣し、捜査態勢を拡充した。(9月19日時事通信)
とのことであるが、当然の措置だ。本件に関しては、中国漁船が加害者で、わが海上保安庁巡視艇が被害者である。日本領内で起きた事件に対して、中国からとやかく言われる筋合いはない。
それにもかかわらず、中国が過剰反応をしている。読売新聞の報道を引用しておく。
船長拘置延長、中国「強烈な報復措置を講じる」
【北京=佐伯聡士】尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖の日本領海内での中国漁船衝突事件で中国人船長の拘置延長が決まったことについて、中国外務省の馬朝旭報道局長は19日、日本側に船長の即時無条件釈放を要求する談話を発表。
その上で、「日本側が独断専行で過ちの上に過ちを重ねるなら、中国側は強烈な報復措置を講じ、その結果はすべて日本側が負うことになる」と警告した。
中国中央テレビによると、外務省は、具体的な報復措置として、日本との間で、閣僚級以上の省庁・地方政府間の交流のほか、8月に合意したばかりの航空路線増便のための協議などを中止したことを明らかにした。
外務省はまた、「責任は完全に日本側にある」と強く非難し、「日本側の行為は、すでに中日交流に深刻な損害をもたらした」と強調している。(9月19日読売新聞電子版)≫
中国は意図的に日本を挑発しているのだ。日本と国際社会に「尖閣諸島問題は領土問題である」と認知させることが中国の目的だ。その目的を実現するために、あえて拳を高く振り上げている。
領土問題とは、わが国の領土であるにもかかわらず、日本国家が実効支配できていない領域についてのみ存在する。歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島からなる北方領土はロシアによって、竹島は韓国によって、それぞれ不法占拠された状態にある。日本にとっての領土問題はこの2つだけなのである。
これに対して、尖閣諸島をわが国は実効支配している。それだから、中国が何を言ってこようとも、「日中間に領土問題は存在しない」という原則的態度を貫かなくてはならない。中国の主張に一切耳を傾けてはならないのである。「係争問題は話し合いで解決する」などというふやけた態度をとってはならない。中国の主張を一切無視するのだ。
外交の世界で、不快感を示すためにもっとも効果的なのが大使の本国召還である。
正式に本国召還を丹羽宇一郎在中国大使に命じる必要はない。丹羽大使が、「菅直人総理と前原誠司外相から情勢説明を求められているので、至急、東京に出張する」と言えばいいだけのことだ。そうすれば中国も(口には出さないが)「まずい。軟着陸シナリオを探さなくては」と考える。
領土は国家の礎だ。中国の不当ないいがかりに対して、一切妥協してはならない。
(2010年9月20日脱稿)
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