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http://japan.techinsight.jp/2010/09/sanada201009201505.html
菅改造内閣が発足し、閣僚人事も終わった。あとは各政策を忠実に実行していくのを期待するのみであるが、民主党代表選時に菅総理が口にした「公務員人件費2割削減」という言葉を国民は忘れていない。果たしてどうやって実現するのか考えてみたい。
まず、閣僚名簿を見て気がつくのが、「対公務員攻撃要員」の多さである。内閣府特命担当大臣として、行政刷新/公務員改革担当大臣、新しい公共担当大臣、地域主権担当大臣がいる。
3つのどのミッションも、公務員制度と密接に関連するが、その実働部隊は言うまでもなく政治家ではない、官僚である。
しかも、公務員制度改革の中には、労働基本権(争議権)付与も含むとしているから、これに厚生労働大臣と人事院が加わる。
合計5つのセクションにまたがって、膨大な法令整備を行いながら、公共事業を執行していくのは、事実上不可能である。
しかも、身分保障制度で守られている公務員を、天下り再就職の道筋を断ち切った上に、定年延長施策を実行しながら、どうやって人件費を削減するかの具体的なビジョンは何も見えていない。
常に組織防衛を第一に考える官僚は、調整困難を理由に仕事を先延ばしにしながら、保身を図るであろう。
お役人がひとつの仕事を先延ばしにするための一番合理的な戦術が「調整困難」なのである。
ここで政治主導が発揮されるべきであるが、特命三大臣+厚生労働大臣+人事院では、いわゆる「船頭多くして船山に上る」という状態になるのは目に見えている。
これは、”菅”側から見た状態であり、同じ発音でも”官”側から見た場合はまさしく理想の状態である。
物事が進まないということは、現状維持ということであり、現状を維持したまま予算の獲得に邁進すればよい。
政府主導の事業仕分けも、予算要求事務の中に組み込まれていき、結局何も変わらないので、公務員は引き続き安泰である。
かつて郵政民営化関連の衆議院選挙で、小泉元総理は「みなさんの大嫌いな公務員がいなくなりますよ!」と言って大勝利を収めた。
今回、「みなさんの大嫌いな公務員が2割も(?)いなくなりますよ」という公約は、官公労を支持母体に持つ政府与党に実現可能かどうかは、大変難しい問題である。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)
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