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実力以上の地位についた「小人物」は?〜菅改造内閣を評して(東京新聞9月19日付「筆洗」より) new!!
2010/09/19 [Sun] 23:59:34
平成22年9月17日発足した菅改造内閣については、各新聞社が論評しています。そのうち、東京新聞は9月19日付「筆洗」において秀逸なコラムを掲載していましたので、紹介します。
1.東京新聞平成22年9月19日付朝刊
「筆洗
2010年9月19日
<自分の実力以下の地位につくと大人物に見えるが、自分の実力以上の地位につくとしばしば小人物に見えてしまう>。辛辣(しんらつ)な人間観察で知られる十七世紀のフランスの作家ラ・ロシュフコーの箴言(しんげん)だ
▼菅改造内閣の閣僚や党幹部の顔触れを拝見しつつ、「大人物」を探してみる。火中のクリを拾って幹事長に就任した岡田克也前外相は代表経験者だが、政権党の幹事長は実力相応のポストか
▼小沢一郎元幹事長が代表代行を受ければそれこそ「大人物」にふさわしかった。首相の説明では、「選挙疲れ」が固辞の理由というが、信じる人はだれもいまい
▼こうして見ると、片山善博前鳥取県知事の起用、馬淵澄夫国交相の抜てきをのぞくと、意外性の少ない人事だった。その分、際立ったのは政権の露骨な「脱小沢」の姿勢だ。小沢グループの入閣はゼロ。小沢氏を支持した二人の大臣は閣外に去った
▼若手中心の小沢グループの議員は副大臣や政務官で取り込む作戦のようだ。代表選で勝利した後に約束した「挙党態勢」はどこへやら。巨大な党内「野党」を挑発する人事で、「ねじれ国会」を乗り切れるのだろうか
▼いま、国の危機は党内抗争を許す状況にはないのに、世論の風頼りの「脱小沢」路線に傾く首相。「大人物」こそ浮かばなかったが、実力以上の地位についた「小人物」はすぐ浮かんだ。あえて名は伏す。」
2.菅改造内閣は、「反小沢」「小沢粛清」内閣であることは明らかでした。小沢支持を表明していた閣僚を狙って外してしまっただけでなく、また、民主党議員412人中、小沢支持者の国会議員は200人いたのですが、そのほとんどを入閣させず、小沢グループは完全にゼロだったからです。
(1) こうした「反小沢」「小沢粛清」内閣について、朝日新聞は、次のように高く評価しています。
「財務など5閣僚は留任した。厚生労働と国土交通は副大臣の持ち上がり。ベテラン・中堅がほとんどだったこととあわせ、「手堅さ」優先の布陣といえる。(中略)菅首相は政策ごとに与党議員の特命チームを設け、「412人内閣」を実現するという。衆知を結集する姿勢は評価する。」(朝日新聞平成22年9月18日付「社説」
しかし、民主党という同じ仲間でありながら、「小沢粛清」を名目にして200人を「党内野党」とした異様な組閣であり、明らかに「412人内閣」でないのに、朝日新聞は「衆知を結集する姿勢は評価する」と言い切ってしまうのです。
朝日新聞が、このような論理破綻した社説を書いてしまうのは、全編集委員が小沢嫌い原理主義」という病気を患っているためか、それとも全編集委員が頭のネジが飛んでしまっているのでしょうか。朝日新聞の「小沢バッシング」は、異常過ぎるように思います。
(2) 代表選で勝利した後に約束した「挙党態勢」を反故にした点についても、東京新聞のコラムは非難しています。
「若手中心の小沢グループの議員は副大臣や政務官で取り込む作戦のようだ。代表選で勝利した後に約束した「挙党態勢」はどこへやら。巨大な党内「野党」を挑発する人事で、「ねじれ国会」を乗り切れるのだろうか」(東京新聞)
「約束は守るべし」という法治国家のルールです。こうした法治国家のルールに従うのであれば、「挙党態勢」を公言して約束した以上、「挙党態勢」に相応しい内閣人事・党内人事にするべきでした。しかし、菅直人氏側はすすぐに「挙党態勢」という約束を破り、それどころか、露骨な「脱小沢」の姿勢・「小沢粛清」内閣にするのですから、法治国家のルールを守る気がない反社会的な人物です。
冷静に考えれば、東京新聞のコラムが述べるように、小沢支持の国会議員200人、民主党の半数をわざわざ「党内野党」化して、しかも「巨大な党内『野党』を挑発する人事」にする感覚自体がどうかしています。産議院では野党が優位を占めているという、ねじれ国会においては、まずは民主党内での統一は不可欠なのに、わざざわ民主党内を不安定にしているからです。反発するように挑発しているのですから、その挑発に乗る可能性が生じるのは当然でしょう。
(3) 東京新聞のコラムは、菅直人内閣において、実力以上の地位についた「小人物」は誰か?という問い掛けしています。
「<自分の実力以下の地位につくと大人物に見えるが、自分の実力以上の地位につくとしばしば小人物に見えてしまう>。辛辣(しんらつ)な人間観察で知られる十七世紀のフランスの作家ラ・ロシュフコーの箴言(しんげん)だ (中略)
▼いま、国の危機は党内抗争を許す状況にはないのに、世論の風頼りの「脱小沢」路線に傾く首相。「大人物」こそ浮かばなかったが、実力以上の地位についた「小人物」はすぐ浮かんだ。あえて名は伏す。」
菅直人氏は、小沢批判しか中身がなく、政治哲学・理念が何もありませんし、どんな約束(選挙公約、トロイカ体制の維持、挙党態勢)もすぐに反故にしまうほどの信用性が欠ける人物です。妙にオドオドし、目が虚ろな菅直人氏の表情は、いかにも頼りなさであふれています。
コラムは、実力以上の地位についた「小人物」の名前について、「あえて名は伏す」としていますが、菅直人氏が「小人物」であるが明らかです。誰にとっても菅直人氏であると「すぐに浮かぶ」はずです。無能で無知な菅直人氏には首相の地位は無理だったのです。こうした情けない「小人物」を民主党は首相に選んでしまったのです。まったく情けない限りです。
<9月20日付追記>
イ:菅直人氏は記者会見で、新しい内閣を「有言実行内閣」と位置づけています。「有言実行」とは、言ったことは必ず実行することの意味で、「不言実行」をもじって作られた言葉です。言ったことを実行することは当たり前なのですから、「有言実行」は少しも誇るべきことではないのです。むしろ、「不言実行」(文句や理屈を言わずに、黙ってなすべきことを実行すること)こそが、あるべき態度であるはずです。菅直人氏の発言内容は、些細なことでも違和感があります。
ロ:「二見伸明の「誇り高き自由人として」の「羅針盤なき漂流船「ポチ菅丸」が出帆した」(2010年9月19日 06:07)というエントリーには、次のような点を指摘していました。
「17日夜、友人のクールなジャーナリストから電話が入った。
「仲間と飲んでいるんだが、『難題山積だというのに、菅改造内閣は何をしたいのか、全く分からねえ』と侃々諤々の大騒ぎだ。『役人の模範答案がないので、はっきりしたことが言えないのだ』とかんぐる奴もいる。ノーサイドだっていいながら、鳩山系から、申し訳程度に、2,3人、入閣させたらしいが、小沢外しは見え見えだし、なんだか、報復人事で、まるで連合赤軍の内ゲバみたいだ。これじゃ、菅の終わりの始まりだ」。――電話の要旨はこんなことだった。」
「菅改造閣発足〜挙党一致を反故にして、「反小沢」を示した「小沢粛清」布陣に!」(2010/09/17 [Fri] 21:28:39)でも、「まるで、内部でリンチを行い続けた連合赤軍のようだ」と記していました。菅直人氏の行動及び菅改造内閣は、どうやら誰しもが「連合赤軍」を想像させるようです。菅直人氏側は、ここまで「小沢粛清」をやっておきながら「反小沢内閣ではない」と言うのですから、――連合赤軍らしく――小沢粛清ではなくて「総括」ということなのでしょう。(実質的には違いはありませんが。)
ハ:なお、上で引用した二見伸明氏のエントリーには、次のような記述もありました。
「岡田幹事長は「敗戦の責任者」の枝野前幹事長を幹事長代理にし、よりによって「選挙担当」にした。本来であれば、頭をまる坊主にして、八十八か所お遍路めぐりをしなければならない者を、責任を不問にして、要職に起用するとはどういう神経なのだろうか。」
枝野氏は、郵政民営化選挙でも、当時代表だった岡田氏とともに選挙の責任者でした。ですから、枝野氏は続けて選挙対策の失敗をしているのです。それなのに、責任を問われることなく、またもや枝野氏が選挙担当になるなんて、民主党の自殺行為でしょう。一体、枝野氏に何度失敗させ、どれほど民主党の議席を減らせば気が済むのでしょうか。正気の沙汰とは思えません。
ここまでくると、日本軍の参謀だった辻政信氏を思い起こさせます。参謀であった辻政信氏は、ノモンハン事件、ポートモレスビー攻略作戦、ガダルカナル島の戦いなど、無謀な作戦を立案し、日本軍に壊滅的な打撃を与えるような敗北をもたらしました。それでも、辻政信氏は責任を取らされることなく、そのために何度も失敗を重ね、多くの兵士の命が奪われたのです。今度から、民主党の枝野幸男氏のことを「民主党の辻政信」と呼ぶべきでしょう。
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