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「週刊ポスト」9.24日号
平成22年9月13日(月)発売
小学館 (通知)
〈メディアの虚報を撃つ〉
政治部記者よ、そんなにこの男が怖いか
大メディアが黙殺した9月5日の大阪・梅田演説会の「オザワ・コール」
上杉隆(ジャーナリスト)と本誌取材班
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今回の民主党代表選は、政治史だけではない、記者クラブメディアにとっても歴史に残る出来事となろう。
新聞・テレビは、自らの既得権を守るために、理性も公正さもかなぐり捨てたのである。
*
(写真)大阪の演説会には3000人か集まった
9月5日午後3時、大阪・梅田駅前で行なわれた民主党代表選の街頭演説は、異様な熱気に包まれていた。
「オザワ! オザワ! オザワ!」
小沢コールがうねりのように巻き起こる。菅首相の演説にはなかった空気だ。
小沢氏が演説を始めると「そうや!」「小沢さん頑張って」という大きな掛け声が飛んだ。演説が終わった後も、小沢氏が車の上の演台から降りると、人の波が大きく動いていた。
テレビはさすがにその様子を伝えた番組もあったが、翌日の大手紙は、産経が比較的大きく報じたものの朝日と毎日は大阪版でわずかに触れたのみで読売は報じていない。
さらに驚いたのは、演説に集まっていた年配の男女が、15〜20人も寄ってきて私に握手を求めてきたことだ。
「週刊ポスト読んでるで」
「頑張ってぇや!」
と口々に励まされる。
そして、近くにいた新聞記者に向かって、「嘘を書いて恥ずかしくないんか」と食ってかかる。そう言われて、その新聞記者はただ苦笑するだけだった。
握手を求めてきた人々は50〜60代の人が多かった。彼らはツイツターなどの新しいメディアを知らないと言い、普段接しているのは、ほぼ新聞とテレビに限られるようだ。それでも記者クラブメディアの報道のおかしさに気づき始めているのだ。
それほど新聞、テレビの代表選報道の迷走、論理破綻は目に余るものがある。
例えば朝日新聞の「天声人語」(9月7日付朝刊)はこう論じた。
〈さて、どちらが首相にふさわしいか。小紙の世論調査では65%が菅首相をあげ、小沢前幹事長は17%だった〉〈民意という川は、菅さんを浮かべ、小沢さんを沈めたがっていると見ていいだろう〉
「川に沈める」という表現自体に悪意を感じるが、それ以上に問題なのは、朝日が「民意」といっているものの正体である。
何のことはない、自社が行なった世論調査の結果が民意だといっているだけなのだ。
前号でも書いたが、新聞の世論調査の数字は絶対ではないし、そもそも世論自体が必ずしも正義でないことは歴史が証明している。全国紙が紙媒体で行なっている調査と、ウェブサイトで行なっている調査が、真逆の結果になっているのもその現れれだ。 も
中国国旗を使った演出
毎日新聞も、小沢氏の勢いが増していると見るや、露骨な反小沢キャンペーンを展開しはじめている。9月6日付のコラム『風知草』で編集委員の山田孝男氏はこう書いた。
〈まさかの出馬表明から10日たち、剛腕待望論がジワジワと広がっている局面だ〉〈有権者(民主党の国会議員、地方議員、党員・サボーター)は、「剛腕」の意味を、よくよく考え抜いていただきたい〉
剛腕待望論(この言葉自体にも悪意が感じられるが)という国民の声を否定し、ご丁寧にも、小沢氏を支持する人々に再考を促しているのである。
さらに、テレビでは悪質な印象操作さえ行なわれた節がある。
9月5日朝のNHK『日曜討論』。小沢氏が中国について語った際に、背後に中国の国旗である五星紅旗が大映しにされたのだ。菅氏が中国について語った時は、旗がわずかに映っただけ。また、米国に関して両者が語った時は、そうした演出≠ヘなかった。それが一度だけなら、偶然かもしれない。
だが、再び小沢氏が登場すると中国国旗が大映しになった。私の目には「小沢氏=親中国派」とのイメージ操作をしているようにしか見えなかった(NHKは「番組の制作においては、公平・公正な立場を堅持しています」と回答)。
私は11年以上、政治の世界を取材してきたが、ここまでメディアが感情をむき出しにするのは記憶にない。ニュース自体の論理は破綻し、矛盾に満ちている。
記者クラブメディアが抱く、小沢氏に対する恐怖心が、これほどまで記事を暴走させているのだろうか。
(写真)小沢氏の時はなぜか大映し(NHK『日曜討論』より)
9月4日、ネット上の動画配信サービス「二コニコ生放送」に出演した小沢氏は、首相になったら会見をフルオープンにする方針に変わりはないかとの私の問いに、
「変わりません。だから憎まれちゃう」
と明言した。
私は以前、鳩山前首相の言が覆ったのを知っている。
「鳩山さんや菅さんはなかなかできなかったことですが」と尋ねたところ、
「いや、まあ、やんやいわれるからね。まあ、やっぱり全部敵に回っちゃったら思いからね、と思うんじゃないですか。僕は恐くないけれど。しょっちゅうやられているからアツバッハ」
記者クラブを敵に回しても成し遂げる──そう高らかに宣言したのである。
この放送は約4万6000人が生視聴し、放送終了間際のアンケートでは 〈小沢支持78・5% 菅支持21・5%〉だった。だが案の定、小沢氏の発言やアンケート結果を報じた新聞やテレビは皆無だった。
記者クラブという既得権益にしがみつき、小沢氏による記者会見オープン化や官房機密費マスコミ汚染の露呈に怯え、なりふり構わぬ反小沢キャンペーン≠ノひた走る新聞・テレビ。
たとえるならば彼らは、タイタニック号の中で、自分たちの座っている「特等席」を離すまいと無駄な努力を繰り返しているにすぎない。間もなく船体は海中に沈もうとしているのだ。
早く現実を直視すべきなのだ。p-44
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