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菅直人首相(63)の改造内閣は17日、皇居での認証式を経て正式に発足した。外相に前原誠司国交相(48)、総務相には民間人の片山善博・前鳥取県知事(59)を起用した。
「ミスター年金」の異名で民主党政権のエースとして期待された長妻昭厚生労働相(50)は、首相補佐官に起用されることが決まった。官僚を掌握できず、事実上の“降格”といえる。
野党時代は「消えた年金」問題などで当時の舛添要一厚労相や社保庁を徹底批判。鋭い追及は、喝采を浴びた。昨年9月、政権交代した鳩山内閣で厚労相に。世論調査では「期待する閣僚」の上位だったが、“天敵”の壁は厚かった。
初登庁で出迎えた職員からの拍手がゼロ。年金制度改革では、新制度検討会の事務局が国家戦略室に置かれ、売り物だった年金問題で主導権を握れなかった。野党時代の威勢の良さは影を潜め、慎重な政治姿勢を取り続けた。「ミスター年金」はいつのまにか「ミスター検討中」と揶揄(やゆ)されるようになった。
「役所文化を変える」と訴えたが、細かい指示に職員は音を上げた。通し番号付きの各部署への「大臣指示」はこれまでに2000件超。7月には、自らの肝いりで創設した若手職員による省内改革プロジェクトチームが「政務三役におごりを感じる」との報告をまとめる珍事まで起きた。最後まで官僚との関係がギクシャクしたままだった。
民主党代表選では菅首相を支持して来たが、留任はならず。官僚に理解を示す仙谷官房長官との確執もうわさされた。
長妻氏はこの日、省内事業仕分けで無駄遣いを削減してきたことや、子ども手当などを実績として強調。辞表提出後の会見では「天下りの問題と無駄遣いを自ら削ることに抵抗感を持っている方も多い。役所文化を変えるということは明治維新以来の話。取り組みを続けなければならない」と締めくくった。
うるさ型大臣の退任に省内は歓迎ムード。細川新厚労が初登庁すると、大きな拍手が省内いっぱいに響いた。
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