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TBS NEWS-i 民主党代表選スペシャル
http://www.ustream.tv/recorded/9560900
書き起こししていて、少しかれた力強い声に、小沢一郎の信念と情熱が伝わってきます。
歴史に残る大演説です。
どうかたくさんの方と共有できますように。
ところでTBS版では演説の途中で会場の国会議員が移ります。
馬渕氏、牧野氏、枝野氏、野田氏などなどたくさんの議員が、拒絶するように、腕組して硬く目を閉じたまま。
聞くつもりが無いのならその席を私たちに替わってくればよかったのに。
【書き起こし文】
(22:00頃より)
お集まりの皆様、そして国民の皆様、小沢一郎でございます。皆様には今回の代表選挙の期間中、菅総理と私の主張をお聞きいただき、また激励していただきました。ここにまず以って心から御礼を申し上げます。
また昨年来、私自身に関わることで、同志の皆様をはじめ、国民の皆様に、大変ご心配とご迷惑をおかけいたしましたことを、この機会に心からお詫び申し上げます。
さて、今回の立候補にあたっては、今日の危機的な政治経済事情の中で、果たして自分にその資質があるだろうか、政治の最高責任者として国民の生活を守るというその責任を果たすことができるだろうか、と本当に悩み、自問自答いたしました。それにも拘らず、立候補を決意したのは、今政治を変えなければ、もう間に合わない、という私の思いを、正々堂々、世に問いかけたかったからであります。
思い起こせば私は27歳で初めて衆議院議員に立候補した際、選挙公報にこう綴りました。
「このままでは日本の行く末は暗澹たるものになる。こうした弊害をなくすため、まず官僚政治を打破し、政策決定を政治家の手に取り戻さなければならない。意思なき政治の行き着く先には、国の滅亡しかありません。日本は敗戦を経ても、本質は変わっていないのではないか。」
若かりし頃の感じたその思いは、初当選以来、今なお変わっておりません。
今日我が国は、デフレによる経済の収縮、少子高齢化の既存の社会制度のギャップによる不安など、経済も社会も危機的な状況に陥っております。
世界で最も層の厚かった中間所得層が解体され、ごく少数の富裕層と数多くの低所得層への分化が急速に進んでおります。日本が誇った社会保障制度も崩れつつある中、2年後には団塊の世代が年金受給者となる日を迎えます。
今日本は、最も大事にされなければならないお年寄りがいなくなっても、誰も気付かず、また就職できない多くの若者が、絶望感にさいなまされ、若い親が育児を放棄し、我が子を虐待する。
もはや高度成長が、いろいろな問題を覆い隠してくれた時期は、とうに過ぎ去って、社会の仕組みそのものが壊れております。そしてまた、日本人の精神風土も荒廃し始めていると思います。
今ここで、政治を見直し、行政を見直し、国のあり方を見直さなければ、もう日本を立て直すことはできないのではないかと思います。多くの国民の皆さんも同じように感じていたのだと思います。
昨年、我々民主党に一縷の思いを託し、政権交代を実現させていただきました。しかしもう一年が過ぎ、残された任期はあと三年であります。私たちは今、直ちにこの三年間を国の集中治療期間と位置付け、徹底した改革を断行し、実行していかなければなりません。
しかしその改革は、明治維新以来、百四十年続く官僚主導の政治を、根っこから国民主導、政治主導に変えなければ、とても成し遂げられるものではありません。私の頭の中を占めているのは、その思いなのであります。
しかし私は、官僚無用論を言っているわけのではありません。日本の官僚機構は、世界に冠たる人材が集まっているところであると考えております。
問題は、政治家がその官僚をスタッフとして使いこなし、政治家が自分の責任で政策の決定と執行の責任を負えるかどうかということであります。
私は四十代でたまたま国務大臣、自民党幹事長に就任するという機会があり、国家はどう運営されているのか、その実態を権力の中枢でつぶさに見続けてまいりました。
そこで見た官僚主導の、例えば予算作りでは、各省のシェアが十年一律のごとく、ほとんど変わることがありませんでした。官僚組織というものはそういうものであります。
その中で私は、自民党の中にいながらこの改革は無理であることを骨身に沁みて分かりました。
だからこそ、政権与党である自民党を飛び出して、真にしがらみの無い政党を作り、政権を変えるしかないという決意を持って、この十七年間、政治活動を続けてまいりました。
改めて申し上げます。
昨年政権交代が実現したのは、こんな日本を何とか変えてくれ、という、国民の悲痛なまでの叫びからだったはずであります。
この声に応えようと、菅総理大臣をはじめ、閣僚の皆さんが一生懸命に取り組んでおられることを否定をするものではありません。
しかし、政治と行政の無駄を徹底的に省き、そこから搾り出した財源を、国民の生活に返すという、去年の衆議院選挙マニフェストの理念は、だんだん隅に追いやられつつあるのではないでしょうか。
実際に来年度の予算編成は、概算要求で一律10%カット、これではこれまでの自民党中心の政権と変わりません。財政規律を重視するという、そういうことは大事なことではありますけども、要は官僚の抵抗で無駄を削減できず、結局マニフェストを転換して国民に負担をお願いするだけのことではないでしょうか。
これでは本当の意味で国民の生活は変わりません。
私には夢があります。
役所が企画した、まるで金太郎飴のような町ではなく、地域の特色にあった街づくりの中で、お年寄りも小さな子どもたちも近所の人も、お互いが絆で結ばれて助け合う社会。
青空や、広い海、野山に囲まれた田園と、大勢の人たちが集う都市が調和を保ち、どこでも一家団欒の姿が見られる日本。
その一方で、個人個人が自らの意見を持ち、諸外国とも堂々と渡り合う、自立した国家日本。
そのような日本に作り直したいというのが、私の夢であります。
日本人は千年以上前から共生の知恵として、和の文化を築きました。我々には共生の理念と政策を、世界に発信できる能力と資格が十分にあります。
誰にもチャンスとぬくもりがある、豊かな日本を作るために、自立した国民から選ばれた、自立した政治家が、自らの見識と、自らの責任で政策を決定し、実行に移さなければなりません。
そして、霞が関に集中している権限と、財源を、地方に解き放ち、国民の手に取り戻さなければなりません。
そのため国のひも付き補助金を、順次全て、地方への一括交付金に改めます。これにより地方では、自主的な町づくりやインフラ整備が可能になります。国・地方を通じた大きな節約効果と、そして地域経済の活性化が期待できます。また地域での雇用も生み出され、若者がふるさとに帰り、仕事に就くこともできるようになります。
また私は、国民健康保険、介護、生活保護などに対する補助金、15兆円も社会保障関係費として一括地方に交付いたします。これにより各地方の実情に合わせて、また地方の知恵を生かして、より効率的な福祉行政が行えるような仕組みに改めます。
我々に期待されるのは歪になってしまったこの国のかたちと、日本人の生活を、もう一度蘇らせる大改革なのであります。
国民の皆さんにご負担をお願いするのは、ここにいる皆さんが、ありとあらゆる知恵を絞って、できること全てに取り組んでからでいいはずであります。
そしてそれが、昨年の総選挙での、民主党の国民との約束ではなかったでしょうか。
政府与党の政策の一元化のもと、改革を実行するのが民主党です。
政府が作成した法案に、後から与党議員が意見を言う、自民党と同じような、事前審査の仕組みではありません。
私は政府と与党の議員、誰もが対等に話し合って、政策を位置から作り上げる全員野球の体制を作り上げたいと考えております。
また外交関係においては、日米関係は我が国にとり、最も重要な二国間関係であると思います。日中・日韓関係は、日米関係についで重要な二国間関係であり、長ーい歴史を踏まえ、今後、政治・経済・文化とあらゆる分野で協力関係を深めていかなければなりません。
特に拉致問題については、自ら対策本部長として全力で取り組みます。
国際関係はまず市民の心の交流こそが必要であるという認識のもと、実際に私は長年にわたり草の根交流を続けております。
さらには日中韓三カ国の交流のもとで、環太平洋諸国を含み、東アジア共同体を推進したいと考えております。
また農業、漁業の個別所得保障制度の充実を前提として、ETA、FTAをはじめ、広域的な経済連携も積極的に推進いたします。
景気対策とデフレ克服にも最優先で取り組まなければなりません。日銀法などの制度改革や、インフレターゲット政策も視野に入れるなど、金融政策と財政政策の両面からあらゆる手段をつくします。
また、人と人との新たな絆づくりにも取り組みます。民主党として「新しい公共」の考えを、積極的に取り入れ、NGOやNPOをはじめ、ボランティアや企業の社会貢献活動を支援するとともに、政府の持つ情報もできる限り開示いたします。
衆議院の解散・総選挙は、こうした改革に与えられた任期を費やして、その結果を出してからであります。
官僚支配の百四十年のうち、四十年間、私は衆議院議員として戦い抜いてきました。そして漸く、官僚機構と対峙できる政権の誕生に関わることができました。我々は「国民の生活が第一。」、の政治の幕開けにやっとこぎつけたのであります。
官僚主導の政治に逆戻りさせるわけにはいきません。それは取りも直さず、政治の歴史を二十世紀に後戻りさせることになるからであります。
私は代表になっても、できないことはできないと、正直に言うつもりです。しかし、約束したことは必ず守ります。
こう断言できるのは、官僚の壁を突破して、「国民の生活が第一。」の政治を実行するのは、最後には政治家の志であり、改革の絆で結ばれている皆さんとなら、長い時代の壁を突破できると信じるからであります。
そして私自身は、民主党の代表、すなわち国の最終責任者として、全ての責任を取る覚悟があります。
今回の選挙の結果は私には分かりません。皆さんにこうして訴えるのも、私にとっては最後の機会になるかもしれません。
したがって最後にもう一つ付け加えさせてください。
明治維新の偉業を達成するまでに、多くの志を持った人たちが、命が失われました。また我が民主党においても、昨年の政権交代を見ることなく、志半ばで亡くなった同志もおります。
このことに思いをはせるとき、私は自らの政治生命の総決算として、最後のご奉公をする決意であります。
そして、同志の皆さんとともに、日本を官僚の国から国民の国へと建て直し、次の世代に松明を引き継ぎたいと思います。
そのために、私は政治生命はおろか、自らの一命をかけて全力で頑張る決意であります。
皆さまのご支持、ご理解をお願いいたしまして、私のご挨拶といたします。ありがとうございました。
(37:20まで)
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