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2010年9月16日 掲載
菅首相と仙谷官房長官 バカバカしい対立
勝手にしたら…?
「脱小沢」の継続か、それとも「挙党一致」か。民主党代表に再選した菅首相の内閣改造と新執行部人事に注目が集まっている。この人事の裏には菅首相と仙谷官房長官の“路線対立”があるからだ。一枚岩に見えた2人だが、すでに大きな亀裂が入っているともっぱらだ。
●権力維持か小沢憎しかで微妙な亀裂
小沢に代表選出馬を決断させた「脱小沢」路線は、仙谷が主導したものだ。小沢の実力は無視できないとし、党内融和を進言する声にも、仙谷は「不満があるなら出て行けばいい」と言い放った。そんな仙谷は、この先も小沢排除の手を休めるつもりは毛頭ない。
「代表選では、議員票でも菅さんが小沢さんを上回った。仙谷さんは、『小沢に遠慮する必要はない』『徹底的に干し上げてやる』と息巻いています」(民主党関係者)
一方の菅首相。こちらは「脱小沢」に乗っかることで、世論の支持を集め、政権浮揚が図れればよかっただけだ。市民運動出身で弱小野党で苦労した菅は、人一倍権力欲が強い。「少しでも長く首相をやる」という目的が達成できれば、何でもいいのだ。
だから、菅は代表選でも「挙党一致」というキーワードにこだわったのだ。代表再選翌日の15日は、トロイカ体制を求める鳩山元首相と会談。わずか10分間とはいえ、小沢にも会って、挙党態勢を演出した。今回は人事を仙谷任せにせず、「自分でやる」とも言っているらしい。
「菅さんは今年の正月に小沢邸で行われた新年会に、しっかり顔を出している。権力にとどまるためなら、仙谷を捨てて、トロイカに乗り換える。スーパーリアリストの菅さんなら、やりかねない。そんな声も出ています」(政治ジャーナリスト)
代表選告示の2日前のことを思い出す。菅は鳩山と会談し、トロイカ体制再構築をいったんのんだ。しかしこれを知った仙谷や前原国交相、野田財務相が激怒し、翌朝、菅は前言を翻した。あの時は仙谷の言いなりだった菅だが、権力維持が最優先の菅と「小沢憎し」の仙谷は同床異夢だ。いずれ亀裂が深まることは十分考えられるのだ。評論家の塩田潮氏がこう言う。
「1996年に鳩山・菅で旧民主党を立ち上げ、その後3年間、菅さんが代表を務めました。99年の代表選で、菅VS.鳩山の戦いになり、鳩山さんが菅さんを破った。実はその時、鳩山さんを担いだのは仙谷さんでした」
かつて菅と仙谷は対立して争った。2人はそういう関係なのである。菅執行部の再スタートは、初っ端から混乱含みだ。
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