http://www.asyura2.com/10/senkyo95/msg/135.html
Tweet |
つくづく日本に、真の政治家は少ないと思った。
小沢一郎を除けば、ものごとの本質を見抜いている政治家はあまりに少ない。
その多くが「世論」や「保身」や「利害」に汲々とし、呪縛されている。
世の中の動きを自分の身体で確かに感じ取り、自分の頭で考えようとする政治家が少ない。
その顕著な例が、今回の民主党代表選挙で図らずも露出してしまったように思われる。
政治家の資質のひとつは、歴史と時代を見通す目であろう。
「空気を読む」ことは、人間関係や商売や選挙には不可欠にちがいないが、
単に世の中の空気(レベルの低い世論)に迎合し、それだけで動いていたとしたならば、
百年の計、歴史のベクトルを示すべき真の政治家には、とてもなれない。
その点、小沢一郎は、まぎれもなく時代に脈打つベクトルを読み取り、
人類史が向かうべき方向をしっかりと見据えていた。
アメリカからの自立、対等な外交関係を鮮明に打ち出したことが、それを物語っている。
『文明の法則』(村山節著 1975年刊)という本をご存知だろうか。
これはいまから35年前に出版された歴史論(人類史の法則)の書で、
35年前の学生時代にぼくがその初版本を手に入れて読んだとき、本当に驚いた。
その時点で著者村山は、21世紀には欧米文明が凋落して中国、インド、日本、韓国など、
「東の文明」が人類史の主役として登場してくると「予測」していたからである。
いったい、なぜ、村山はそんなことが予測できたのだろうか?
それは彼が、6400年の人類史を丹念に研究し尽くして、
そこに800年×2=1600年の文明史サイクルを発見したからであった。
この文明法則は、どこのどんな文明にも、例外なくぴたり当てはまっていた。
6400年前から人類史は、東と西の二重螺旋サイクルを冷徹に繰り返してきたのだ。
ぼくが初めてこの本を読んだ1975年といえば、まだ高度成長のさなかにあった。
当時のアメリカやヨーロッパはまさに憧れの先進文明国で、
日本もそのような国になりたいと、欧米を目指してダイナミックに活動していた。
その一方、文化大革命後の中国やインドはあまりにも貧しく、
韓国やベトナムなどもまだ貧困と混迷の中にあった。
なのに村山は、その時点(1975)でアメリカとヨーロッパ文明の凋落を予言?して、
貧しい中国、インド、韓国、ベトナムなど「東の文明」の歴史的な登場を予測したのだ。
もちろん日本も「東の文明」の主軸国である。
ということは、21世紀にはアメリカに代わって、日本や中国が文明の主役になる?
村山の文明史学によればそのはずだが、しかしそれはまだ夢のように思えていた。
村山史学を知ってしまったこともあり、その後のぼくは歴史の動向に注視し続けた。
そして、いまや村山史学の文明法則が、かつての予測を目の当たり見せてくれている。
35年前には「まさか」と思っていたことが、現に目の前で起こっているのだ。
この事実からしても、人類史はまぎれもなく「西から東へ」とシフト転換しつつある。
なのに、日本はいまだにアメリカの属国になり下がり、真の自立を自覚していない。
そこに人類史の流れを洞察直感する力が失われているからであろう。
こうした文明史のサイクルに加えて、男性性文明から女性性文明へのチェンジもある。
その本質を一言で言えば、「戦争(競争)の原理」から「共生の原理」へのシフトだ。
これまでの自民党は、アメリカ従属・競争原理を原則としてきたが、
それは人類史と文明波動の質的転換という視座から考えて、消え去るべき運命の価値観だ。
これからの時代は、自立、共生、女性原理(縄文型)にシフトしていく。
少なくても小沢一郎の直感はそれをとらえ、政治の場で実現しようとした。
その意味でも、小沢一郎こそが歴史を巨察して、真の革命を目指したと言えるだろう。
沖縄基地のことを考えるとき、そこには歴史的洞察が必要になる。
小沢もまたそれとなく指摘するように、戦争や軍備はやがて消え行く運命にある。
真の政治家には、いまの世の中の空気を読むことや利害や保身以上に、
ものごとの本質を見極めて、果敢に実行していく勇気が不可欠だ。
それも決して「力づく」によってではなく「誠実さ」をともなって…。
「剛腕」は小沢に強引に貼付けられたレッテルであったが、その素顔は誠実そのもの。
そのことが、今回の代表選によって、はっきり知られることになったのではなかろうか。
選挙で小沢一郎は破れはしたものの、繰り返すようだがこれは延命にすぎない。
小沢一郎は無念にも破れはしたものの、それにしても、すばらしかった。
あの笑顔が、真に輝くときがやってくることを、心から願ってやまない。
以上、今回は小沢の洞察の素晴らしさを、歴史的視点から考えてみたが、
実はこれ以外にもたくさんある。それについては、また改めて書いてみたい。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK95掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。