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2010.09.14 ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100914/plt1009141653007-n2.htm
菅直人首相(63)が民主党代表に再選された。2週間の激しい選挙戦は幕を降ろすが、これでノーサイド・挙党一致とはなりそうにない。中傷・スキャンダル合戦などで、所属議員らは疑心暗鬼に陥り、菅陣営と小沢一郎前幹事長(68)の陣営との亀裂は深まるばかりだ。今後、報復や粛正人事が行われるのは必至で、党分裂が現実味を帯びてきた。
「小沢一郎の息の根を止める。側近らもさらし首だ」(菅陣営中堅)
「一気に世代交代だ。小鳩(小沢氏と鳩山由紀夫前首相)の時代は終わった」(同若手)
代表選の最中、菅陣営からはこんな発言が漏れた。選挙後の焦点は「菅首相が挙党態勢を築けるか、否か」だが、とてもそんな雰囲気ではない。
菅首相は2日の公開討論会で「私は一貫して『適材適所で全員が参加できる態勢』と言ってきた」と述べ、挙党態勢の構築を掲げているが、人事は相当難しい。
挙党態勢の構築には、小沢氏を要職で起用することが不可欠だが、菅首相は「脱小沢」「反小沢」を掲げる仙谷由人官房長官(64)や野田佳彦財務相(53)、前原誠司国交相(48)らに担がれており、小沢氏を「カネとポスト」を握る幹事長では起用できない。
一方、小沢氏も実権のない名誉職などを提示されても妥協はできない。
政策的な違いもある。菅首相は消費税増税も視野に入れた「財政規律」重視を掲げ、小沢氏は円高・株安を意識して「積極財政」で独自姿勢を見せた。
そして、最大の対立点となりそうなのが、「官僚主導を続けるのか、否か」だ。
菅首相は就任後から、政権交代の目玉だった国家戦略室を役割縮小させ、来年度予算の概算要求で「一律10%カット」を打ち出した。これらは財務官僚の振り付けとされ、小沢氏は代表選で一貫して「菅政治=官僚主導」と批判し続けた。
加えて、中傷・スキャンダル暴露が、両陣営に深い亀裂を生んでいる。
代表選告示(1日)前から、小沢氏が代表・幹事長時代の組織対策費疑惑や、菅首相の軍師である仙谷氏の事務所費疑惑、小沢氏に近い青木愛衆院議員(45)の不倫疑惑などが、続々と炸裂した。
このため、内閣改造・党役員人事に合わせた「粛正リスト」も、ささやかれ始めている。名前が挙がるのは、小沢氏支持に回った原口一博総務相(50)や山田正彦農水相(68)、樽床伸二国会対策委員長(51)ら。そして、究極の粛正候補は、小沢氏自身だ。
政治評論家の浅川博忠氏は「ここまで激しい代表選をやると、シコリや亀裂は簡単には解消できない。焦点は、菅首相が人事で挙党態勢を組めるかだ。将来、小沢陣営が党を割ることもあり得る。政党助成金の配分を考えると、年末にもあるかも。自民党や公明党、他の野党も巻き込んだ、政界再編につながる可能性は十分ある」と語っている。
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