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2010年9月10日 掲載
【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
「医療・介護の雇用増」は経済力アップにつながらない
公共事業を乱発しても効果は乏しい
民主党副代表の山岡賢次氏によると、菅氏はフーバーで、小沢氏はチャーチルだそうだ。
フーバーは1929年の世界恐慌当時の米大統領である。瀕死のマーケットを見殺しにして恐慌を悪化させたとして、歴史の評価は低い。一方のチャーチルは第2次世界大戦当時の英首相だ。イギリスを勝利に導き、歴史に名を残した。
山岡氏は、「チャーチルは国民に誤解されて不人気だった」と指摘している。どうやら人気がない小沢氏も、国民に誤解されているだけだと言いたいようだが、当の小沢氏の言い分は、チャーチルというよりも、フーバーの後任だったルーズベルトに近い。
ルーズベルトは、ニューディール政策で米国経済を立て直そうとした。不況脱出の切り札は、TVAダムに代表される大規模な公共事業だった。これは「国債の増発を念頭に入れざるを得ない事態になるかもしれない」と財政出動をためらわない小沢氏の姿勢と重なる。
ただ、ニューディール政策は成功を収めたわけではない。その後の第2次大戦で軍需が増大しなければ、米国経済は低迷を続けていただろう。公共事業を乱発して景気を刺激しても、経済が力をつけるわけではないのだ。
自民党政権は95年以降、合計226兆円の緊急経済対策を打ってきた。それでも景気は、いまだに低空飛行を続けている。応急処置として需要を作り出すのは仕方ないとしても、根本的に政策を見直さなければ、この国の経済はどうにもならない。自民党時代と同じ発想で景気対策を打ち出しても、効果はたかが知れているのだ。
一方の菅首相は、雇用から経済を立て直すと訴えている。新成長戦略実現会議でも「健康・環境分野の雇用増」などに取り組む方針を打ち出した。医療や介護、福祉の分野で雇用を吸収し成長につなげたいようだ。
残念ながら、この考えは間違っている。一流ホテル並みの介護施設を全国に造り、外国人もバンバン受け入れて高額の利用料を徴収していけば、GDPは大いに増えるかもしれない。しかし、当たり前でまっとうな福祉政策に、経済を立て直すパワーなどない。むろん社会政策としては必要不可欠で対策は待ったなしだ。ただ、それを経済政策に結びつけ、底上げにつながると期待するのは誤りだ。医療や介護に日本経済を拡大させる力などない。
やはり、独自の技術と伝統に根ざした文化財を活用する以外に、経済力を増やす道はないだろう。
【高橋乗宣】
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