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『週刊朝日』2010年9月17日号より転載。
「お任せ」する政治から「引き受け」「参加する」政治へ
ビデオジャーナリスト 神保哲生(48)
ぼく自身はどちらを支持するというよりも、まだ発足して3ヵ月にも満たない菅政権を、いま代えるべきではないというのが、基本的な立場です。
しかし、それでもどうしても2人のどちらかを選べと問われたら、ぼくはあえて菅さんを推したいと思います。
今の日本は国全体が閉塞感に覆われていますから、剛腕で鳴らす強いリーダー待望論が出てくることは十分理解できます。小沢さんなら何とかしてくれるのではないか。ぼく自身もその誘惑に駆られそうになります。小沢さんは毀誉褒貶はありますが、やはりそれだけ魅力的な政治家です。
しかし、そこでぼくはあえて問いたい。
今の日本に求められているのは、本当に「お任せ」しておけば何とかしてくれるような強いリーダーなのでしょうか。むしろ、ぼくたち国民に政治的意思決定への参加や社会への参加を促し、オープンな議論をしながら政治的意思を決定していく、真に民主的なプロセスを確立することこそが、今の日本の最大の課題だし、そうした政治へ脱皮することこそが、昨年の政権交代の大きな意義だったと考えています。
つまり、「任せる政治」から「引き受ける政治」「参加する政治」への転換を図る上では、剛腕ゆえにともすれば独断専行に陥りがちな小沢さんよりも、頼りないかもしれませんが、菅さんのほうが適任だと思うのです。
長い間、日本は冷戦構造と日米同盟の下、経済成長に専念していれば国民の幸福の最大化が実現できる高度経済成長時代を享受してきました。
そのため、ぼく自身を含め、国民の多くは自分たちが政治的意思の決定に積極的にかかわる必要をあまり感じてきませんでした。
しかし、この「お任せモード」には大きな落とし穴がありました。自分たちが政治的な意思決定にかかわっているという意識が希薄なため、自分たちが選択した結果に対して国民が責任を取ろうとしなくなってしまったのです。
昨年、民主党に政権が代わったときも「しばらくはお手並み拝見といくか」といった、傍観者とも見物人ともつかないような発言を方々で耳にしました。
そして、少しでも何かがうまくいかなくなると、指導者や政権政党を批判します。これではどんな政党が政権の座についても長続きするはずがありません。
そうした理由から、今の日本の政治にもっとも必要なことは、国民一人ひとりが、自分たちが政治的意思の決定主体、つまり主権者であるという実感を持てるような政治が実行されることだと思っています。
ポイントは、誰が総理になるかではなく、ぼくたちのほうが政治とどうかかわっていくかにあるのです。
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