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「週刊ポスト」9.17日号
平成22年9月6日(月)発売
小学館 (通知)
〈内幕摘出〉
しょせん学生運動上がりの菅政権 「内ゲバ代表選」ここまでやるか?
国政選挙よりはるかに熱心じゃないですか?
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新聞やテレビを見ると、菅陣営も小沢陣営も「多数派工作」に奔走しているようである。選挙だから、自陣宮が多数を占めるために活動するのは当たり前なのだが、「工作」といわれると悪いイメージを抱く。メディアはそうやって民主党を批判したいのか、それとも取材していると目を覆いたくなる出来事に出合ってしまうのか。まァ、この点に関しては、「工作」といいたくなる気持ちもわからなくはない。
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小沢・菅「15分会談」の意味
マスコミの「小沢嫌い」は42nからの特集で検証しているが、大手メディアのなかでも、とりわけ小沢総理≠恐れているのが読売新聞だろう。批判の激しさもさることながら、小沢氏の出馬発表のあった8月31日に1面トップで、
〈小沢氏 代表選不出馬も〉と報じるなど、こと「小沢問題」では誤報も目立つ。それだけ小沢氏周辺の情報が取材できていない証拠と見る向きもあれば、意図的に反小沢報道をしているという見方もある。
代表選告示の9月1日の1面には、〈検証 菅・小沢決裂〉
と銘打って、一風変わった解説記事を掲載した。それによれば、「小沢氏のアイデア」で、同氏や輿石東・参院議員会長を重視する「トロイカ+1」が提唱され、それによって読売などが報じた「『小沢氏不出馬』の見方が消えなかった」ものの、管直人・首相が小沢氏との会談前に前原誠司・国交相らに向かって「あらかじめ人事の話をするのは、国民からみて容認できない」と述べて、「小沢氏陣営に屈するのでは──。そんな前原氏らの懸念は、払拭された」のだという。
これと全く同じストーリーは、本誌記者も8月31日に聞いた。話したのは菅支持派の官邸幹部である。ついでに「輿石さんが菅首相に俺が小沢さんを説得するから、これまでのことを詫びてポストを用意しろ≠ニ持ちかけた」という解説も付いていたが、この部分は読売も書いておらず、どうも眉唾モノの話のよう。いずれにせよ、ここまで詳細な内幕≠書くならば、当然、反対陣営の取材もしたのだろう。本誌が話を聞いた小沢側近の解説は、これとは全く異なる。
「トロイカ復活を条件に、小沢氏に不出馬を求めてきたのは菅さんだ。小沢さんは8月中旬には代表選出馬を決意していたし、マスコミにもそう語っていたのだからから、ポストを約束されて出馬を取りやめたりすれば、出馬要請をした議員や支援者に愛想を尽かされて政治生命は終わる。そんな馬鹿な要求をするわけがない。
代表選で不利な情勢だと悟った菅さんが、何とか小沢さんを思いとどまらせるために鳩山さんに泣きついたというのが真相だ」
確かに、参院選に惨敗して以降、再三にわたって「会いたい」といってきたのは菅氏のほうで、小沢さんに謝りたい」「会ってくれない」などとも語ってきた。
それに対して小沢氏は「会う必要はない」と対決姿勢を強め、いち早く代表選出馬を表明したのである。どちらが会見を望み、妥協を探っていたかは常識的には明らかだ。
2人の会談は8月31日の午後5時15分に行なわれたが、小沢氏はわずか15分後の5時30分に自分の記者会見をセッティングした。この時点で、小沢氏の「妥協はしない」という意思は明確だった。
また、菅派議員によれば、読売が書いた「あらかじめ人事の話をするのは……」という発言は、菅氏ではなく、むしろ前原氏らが訴えたことで、もはや小沢氏との妥協は難しいと判断した菅氏が、それを受け入れたという経緯だったという。
真相はともかく、世界に冠たる大新聞が、何とか選挙を避けて談合で代表選を終えるよう希望的観測記事を書いたり、対立する一方の言い分をそのまま書いたりする異常さこそが、今回の対決の政治的激烈さを象徴しているといえる。
菅にも仙谷にも党から寄付
菅陣営の緒戦の失敗は、小沢陣営を「政治とカネ」で攻撃しようとしたことだった。仙谷由人・官房長官と枝野幸男・幹事長は、菅政権が成立した直後から、脱小沢を徹底するために「小沢とカネ」を徹底調査し始めた。
「鳩山政権時代から、小沢氏が党のカネを好き勝手に使っている、ひどい使い方だ、と批判していた小宮山洋子氏を党の財務委員長に据えた人事が小沢追及の狼煙だった」(官邸情報筋)
そして小沢氏が代表選出馬を決意すると、複数のメディアに「小沢代表時代の党費の使途が不明だ」という記事が載った。これで小沢陣営の怒りに火が付いた。
一新会幹部が憤る。
「党の組織対策費というのは、もともと幹事長が自由に使えるカネで、主に選挙対策に充てられる。議員や候補者個人に100万単位、1000万単位で渡されるのが普通で、使途を明らかにしろなんて話はこれまで党内でも出たことがない。
それは枝野執行部も同じだし、自民党もそうだ。
仙谷・枝野コンビは昔の学生連動のクセが抜けず、左翼の手法で内ゲバを繰り返すだけ。一部には使途不明で検察に告発したらいい≠ネんて声もあると聞くが、そんなことをすれば政党の自殺行為。彼らの党運営では、いずれ同志たちが次々と粛清され、民主党は死屍累々だ」
枝野氏ら反小沢陣営の幹部は、さすがに「告発」などと荒唐無稽なことはいっていない。小沢時代の党費の分配が、議員によってかなり差がつけられており、それが不公平だという不満があったようだ。
「小沢氏の手法は、楽に勝てる候補にはカネは渡さず、ぎりぎり負けそうな候補にたっぷり資金を渡してテコ入れするというもの。実際、昨年の総選挙では、小沢側近でも1円ももらえない人がいる一方で、7000万円もらった人もいると聞いている。
これに対して枝野氏は、参院選ですべての候補に1000万円ずつ平等に分けたといわれる。どちらが正しいかというのは考え方の問題だが、少なくとも目的と結果を見れば、選択と集中の小沢流は成功し、平等主義の枝野流は失敗したといえます」(政治評論家の有馬晴海氏)
また、使途が明らかにされていないことの法的な問題について、元最高検検事で筑波大学名誉教授の土本武司氏は、
「政治資金規正法に定められた報告がされているならば、違法性はない。公平に分けるか分けないかは法的な問題ではない」と指摘する。
政党のカネが特定個人に多く渡されることが問題だというなら、民主党幹部は皆、同罪である。小沢代表時代の06〜08年の3年間(09年分はまだ公開前)に、民主党から幹部の資金管理団体にどれだけのカネが寄付されたかを調べると、
・菅直人「草志会」……約1億3400万円
・鳩山由紀夫「友愛政経懇話会」……約1億200万円
・小沢一郎「陸山会」……約300万円
と、「菅鳩」が突出しており、ここに「トロイカ体制」の実態が垣間見える。ちなみに仙谷官房長官の「制度改革フォーラム」も620万円あまりを受け取っている。ただし、これらは幹部の役得というわけではなく、そこから自派議員や支援団体に寄付されるカネだ。それを問題だと批判するなら、菅氏も仙谷氏も党運営の表舞台に立つ資格はなくなる。
また、枝野執行部は代表選さなか、「これからは地方議員の公認料を2倍にする」と決めた。露骨な地方議員票狙いのバラ撒き以外の何ものでもないが、これは「一律に配るから問題ない」ということなのだろうか。
25人で大臣の椅子1つ
政治とはそういうものだろうが、各陣営の議員たちは、いずれも「戦後の論功行賞」を期待して気もそぞろである。
菅陣営では、冒頭でも紹介したように前原氏や野田任彦・財務相らが菅氏に詰め寄り、「もうトロイカ体制の時代ではない。脱小沢の旗を降ろしては駄目だ」と主戦論を唱えたとされる。8月中旬には、菅氏側近がこんな泣き言を漏らした。
「今の閣僚のうち、代表選後も9人は替えられない。小沢陣営を迎え入れて融和を図るといっても、分け与えるポストがない」
菅氏の推薦人には7人の閣僚が名を連ねたが、菅氏が勝った場合は、彼らは留任もしくは重要閣僚や党要職として「出世」させなければならず、小沢・菅会談で約束された「挙党一致」の実現は非常に難しい。もともと党内最大派閥の小沢派を締め出して権力を独占したツケが回っている。
一方の小沢陣営は、これまで冷や飯を食ってきただけに「今度は俺たちの番だ」とばかり、早くも猟官運動が激化している。代表選が始まると、一新会や一新会倶楽部といった側近グループ以外に、小沢系と見られる議員グループが乱立し始めた。
6月の代表選で菅氏と争った樽床伸二氏は、小沢側近の三井辨雄氏と「三井・樽床グループ」を結成した。一時、代表選への出馬が取り沙汰された小沢鋭仁・環境相も独自グループを立ち上げ、横路グループの一部も新派閥結成の動きを始めた。さらに休眠していた羽田孜・元首相のグループも活動を再開した。
興味深いのは、いずれのグループも、だいたい20〜30人くらいの規模だという点だ。この種明かしをするのは、新グループに参加した中堅議員。
「民主党の国会議員は413人。大臣の椅子は18。だから25人のグループを作れば閣僚ポストが1つ取れる計算になる。党の要職も考えれば、20人で何とか1つのポストになる。グループで小沢さんを支持したとすれば、相応の見返りは期待するということです」
これでは自民党の派閥均衡人事の再現である。いくら小沢氏が「革命的な改革をやる」と力んでみても、支持派が「菅一派から主要ポストを取り返す」という権力樹争の発想しかなければ裸の王様になるだろう。
前出の有馬氏が、代表選の虚しい実態を端的に言い当てた。
「胴体は同じなのに、自分たちで尻尾や手を切り落とすような無意味ないがみ合いが続いている。どちらが優れているかという戦いではなく、どちらが悪いかという戦いをしているようでは、民主党に未来はない」
(写真)決起集会の後、余裕綽々で居酒屋に立ち寄った小沢氏
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