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《ニュースの深層》田崎 史郎/現代ビジネス
民主党を傷つける小沢一郎出馬という「自傷行為」
代表選でどちらが勝っても早晩、政権は行き詰まる
「小沢さんは時々、心理学で言うところの自傷行為に及ぶ。自分を切りつけるわけにはいかないので、周りの人に切りつける。小沢さんが側近を切っていくのは自傷行為の表れではないか。だから、小沢さんと付き合うには必要以上に近づかないことだ」―。
ある現職閣僚が民主党前幹事長・小沢一郎を心理学の観点からこう分析したことがある。この論を参考に、小沢の出馬によって激戦となった民主党代表選をみていると、小沢は立脚基盤である民主党をひたすら傷つけているように見える。
■国会議員票が主戦場
民主党代表選の情勢は代表(首相)・菅直人と小沢の優劣が依然としてはっきりせず、混とんとしている。両陣営の見立ては次の点で一致している。
(1) 党員・サポーター票(300ポイント)と地方議員票(100ポイント)で、菅がやや優位に立っている
(2) 国会議員票(1人2ポイント、計822ポイント)では小沢が少しリードしている
だが、党員・サポーター票、地方議員票、国会議員票でのリードの幅が際立っているわけではない。小沢が党員・サポーター、地方議員票での劣勢を国会議員票で跳ね返すのは十分に可能だ。このために、国会議員票の争奪戦は熾烈を極める。
「小沢さんのところは、当選1回生から昨年夏の衆院選の際、"借用書"を取っているようだ。小沢事務所から秘書を派遣した費用を請求されている」(菅陣営)
「菅さんを支持する閣僚が当選1回生に圧力を掛けている。これは公権力の行使ではないか。しかも、仙谷(由人官房長官)がさまざまな情報を週刊誌などに流している」(小沢陣営)
確認が取れない、こういった憶測が党内を飛び交い、泥仕合の様相を呈している。表面上は政策論争の体裁を取りつつ、内実は国家権力をどちらが獲得するかという権力闘争。熾烈になるのはやむを得ない面がある。
投票は、投票者の名前を書かない「無記名」で行われる。投票用紙に誰がどちらに投票するかは、多少の細工は施しても結局分からない。最後に決めるのは、投票用紙を手にした時の議員1人ひとりの「良心」だ。
臨時党大会は14日午後2時から東京都港区芝公園の「ザ・プリンスパークタワー東京」で開かれ、両候補の立ち会い演説会のあと、国会議員が投票する。これに先立ち、党員・サポーター、地方議員票の開票がこのホテルで行われ、国会議員票とともに発表される。
午後3時すぎから同3時半ごろの間に当選者、すなわち次の首相が決まる見通しだ。8年前の代表選もほぼ同じ方式だったが、党員・サポーター、地方議員票の結果はまったく漏れなかった。
■代表選後に政権行き詰まる可能性
この代表選の結果、いったい誰が得をすることになるのだろうか? もちろん、勝者が国家権力を手に入れるのだから得をするに決まっている。だが、菅政権だろうと、小沢政権だろうと、早晩行き詰まることは見えている。
与党が参院で過半数を失っている「衆参ねじれ」となっているからだ。国会が開かれれば、執行部を選挙シフトに入れ替えた自民党、参院選勝利の余勢を駆って早期解散・総選挙をもくろむみんなの党、両党と歩調をそろえざるを得ない公明党が攻勢を掛けるのは必至だ。
秋の臨時国会での給与法改正案、来年の通常国会で年度内処理を求められる税法改正案、赤字公債発行特例法案などの与野党対決法案が成立するメドはまったく立っていない。
加えて、この代表選を通じて党内に大きな亀裂が走り、しこりが残るのは確定的だ。このしこりがさまざまな局面で顔を現し、処理を誤れば分裂に向かって進みかねない。
菅内閣の支持率は「小沢が表で行動して、その反作用で上がっている今がピーク」(民主党幹部)。小沢内閣になれば、支持率が歴代内閣で最低水準になるのは避けられそうにない。
いずれにしても前途多難だ。こう考えると、小沢の出馬は民主党に対する自傷行為であり、民主党が深手を負ったことは間違いない。
(敬称略)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1172
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