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きのう(9日)の読売新聞1面の記事には驚いた。代表選の中盤情勢で、民主党国会議員(411人)にアンケート調査を行ったところ、回答した議員のうち菅支持が168人、小沢支持が171人だったという。ま、これはいいとして、愕然とするのは菅支持の「理由」だ。
複数回答とはいえ、菅を支持する理由は「首相を短期間で替えるべきではない」がトップで75%に上ったのだ。コロコロ替えたくないから、バカ菅でいいのか。こんな理屈なら、どんなに無能な首相でも居座れる。改めて、菅の正体と菅人気の薄っぺらさを見る思いだ。
おそらく、短期間で替えちゃいけないという感覚は、「国際社会でみっともない」とか、そういう理由だろうが、そんな“世間体”で代表を選ぶのかと思うと、情けなくなってくる。そもそも、国際社会は日本の首相が何人替わろうが知ったこっちゃない。日本の信用なんて、とっくに地の底に落ちているのだ。「ジャパンパッシング」は恒常化しているし、このところの円独歩高だって、各国が日本を踏み台に経済成長しようとしているからだ。完全になめられているのである。
このまま手をこまねいていたら、日本は沈没してしまう。だとしたら、この国を本当に変えられるのは誰なのか。疲弊した経済を立て直すことができるのは誰か。こういう基準で代表=総理を選ぶべきだろう。
「国際社会がうんぬんと言うけれど、菅首相はまだサミットに1回出席しただけだから、誰も顔を覚えちゃいませんよ。『だから今のうちに替えちゃえ』と冗談を言う人もいるくらいです。菅首相は世論調査の高い支持をよりどころにしていますが、これだって、支持理由は読売の調査と似たようなもの。短期間で替えるのは良くないとか、小沢氏がどうしてもイヤだからという理由です。
つまり、消極的理由の消極的支持でしかない。小沢氏の場合、支持も反発も積極的なのとは対照的です」(政治アナリスト・伊藤惇夫氏)たしかにそうだ。読売のアンケート調査によれば、小沢支持の理由は、「リーダーシップ」が95%で最多。次いで、「経済政策が評価できる」(65%)だった。
支持理由だけ見ても、本当にトップにふさわしいのはどちらか。一目瞭然という気がする。それが分からない国会議員は亡国の徒だ。(日刊ゲンダイ 2010/09/10 掲載)
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