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9日札幌で開催された民主党代表選の街頭演説会で、菅首相がまた「抱きつき」発言をした。小沢氏の一括交付金・地方分権に対抗して、「財政配分は権限と人材と財源を含め、国が、三分の一、自治体が三分の二になるように全力を挙げたい」と述べ、地方分権に力を注ぐことをアピールしたそうだ。菅氏が、今さら、なぜと思うのは筆者だけではないだろう。ある新聞には「方針転【菅】」との見出しが躍っていた。
東京では、故市川房江さんとの関係をアピールし、大阪では厚生大臣時代のエイズ薬害対策での実績を強調した。だが、過去の実績話はいずれも不発であった。それも当然だろう。国民は、これからの将来を託するのだから、過去の実績を言われても【白ける】だけだ。しかも、ネットでは、故市川房江さんが、菅氏を決して信用していなかった話まで流れたのだから、「やぶへび」であった。
おそらく、菅陣営で小沢氏の政策や演説内容をパソコンで分析している手塚仁雄選対委員は、小沢氏の演説の中で、なにが聴衆の心を掴んでいるかを分析した結果、「一括交付金・地方分権」だとの結論でも得たのだろう。しかも、東京人である手塚氏にとって、札幌は地方。そこで「地方分権」を強調する作戦を立てたのだろう。だが、おそらく地方の人の8割以上は投票を済ませていたはずだ。KYだと言える。
しかも、小沢氏の言う、「一括交付金による地方分権」には、政治主導とリンクした一本の筋が通っている。政治理念があると言うことだ。それは、鳩山内閣・菅内閣が言う政治主導とも一線を画している。民主党が選挙で謳った政治主導による脱官僚政治。先ずは新大臣の就任挨拶を自らの言葉で語ることから始まったが、その後、迷走していることは誰の目から見ても明らかである。どうしてそうなったか。
鳩山政権発足直後は、自民党政権から続く政策を、大臣が打ち切ることを政治主導と勘違いしていたようだ。その典型が大臣就任直後に「八ッ場ダム工事中止」の方針を打ち出した前原国交大臣。筆者は「八ッ場ダム工事中止」に賛成だが、前原大臣のやり方は、決して政治主導ではなかったと、今から見てだがそう思うのだ。大臣が関係自治体の知事・首長などと調整する。それが政治主導だと思う。
政務三役として各省庁に、大臣を含め最大5人程度の政治家が配置された。これで政策を説明することは、以前より進んだ。本来、この政務三役を中心に、政策会議で国会議員が政策論議をすべきなのに、それが全く機能していない。政務三役や議員が、政策形成の手法を知らないと言うことだ。逆に言えば、官僚の使い方を知らないと言うことである。小沢氏を閣外に排除した「つけ」が回ったと言えるだろう。
小沢氏の考える政治主導は、霞ヶ関の官僚の権力の根源である「カネ」と「権限」を取り上げることにある。「カネ」とは、交付金であり、補助金である。「権限」とは許認可権のほかに、個々の法律・政策に関する規制、通達、通知の類である。これらは、国会で議決された法律と、内閣で定められた政令に従い、霞ヶ関の官僚が自分たちに都合のよいように定めたものなのである。
小沢氏が一括交付金化の提案をしたら、地方交付金の大部分は社会保障費など、地方で自由にできないものだとの反論が出た。小沢氏は、国の「ヒモ付き補助金」を地方への一括交付金に改めるとの主張したのだが、無知な反論である。小沢氏の発言の趣旨を理解した泉田裕彦新潟県知事は、「一括交付金化にして現場の知恵を政策に反映させることは財政の効率化につながる。ぜひ進めてほしい」と賛意を述べたそうだ。
自民党政権下で、自治大臣と幹事長の経験がある小沢氏。その彼から見て、政治主導を妨げ、官僚主導政治の力の源泉となっているのが、霞ヶ関の官僚が持つ「権限」なのだ。だから、菅氏がいくら「財政配分は権限と人材と財源を含め、自治体に三分の二」を渡すと言っても、霞ヶ関に「権限」が僅かでも残る限り、地方分権にはならないし、政治主導にはならないと言うことだ。
小沢氏の言う政治主導・地方分権は、「政治とカネ」を国民の手に取り戻すことである。口では政治主導を唱え、小沢氏に「抱きついて」地方分権を言う菅氏が、財務官僚の掌の上で踊っていることは、誰もが認める事実。こう考えてみると、今度の民主党代表選は、民主党が、政治主導を目指すか、官僚主導政治に逆戻りするかの選択選挙だとも言えるようだ。
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