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●「新たなる金融危機に向かう世界」副島隆彦著(徳間書店 1600円)
日本はアメリカの属国である。日本人が一生懸命に稼いだお金は米国債を無理やり買わされるという形でアメリカにむしり取られている。一貫してこう主張し、多くの予言を的中させてきた著者が、今年の秋以降の世界金融経済の動きを看破している。
ギリシャ財政危機に端を発するユーロの暴落は、アメリカが計画的に引き起こしたものだと著者は言う。ユーロ建てになっている世界各国の資金を「安全な」米ドルに替えさせるためだ。しかし、米ドルは安全どころか、もはやボロボロ。2012年ごろには米ドル中心の基軸通貨体制が崩壊し、アメリカはヒラリー・クリントン大統領のもとで統制経済に移行していくだろうと予言する。
「属国・日本」の混迷する政治状況も、このうねりと無関係ではない。鳩山・小沢政権の崩壊はアメリカの手先による「反小沢クーデター」だと激しく憤っている著者は、首謀者たちの実名を写真入りで暴露する。決して報道されない事実の数々。マスコミ報道をうのみにしている日本人は、一読して目からウロコを落とすといい。
(日刊ゲンダイ2010年9月7日掲載)
http://netallica.yahoo.co.jp/news/140250
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