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http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPJAPAN-17180520100910
[東京 10日 ロイター] 菅直人首相と小沢一郎前幹事長の一騎打ちとなった民主党代表選が終盤を迎えている。ロイターはエコノミストやディーラーなど市場関係者を対象に緊急アンケート調査を実施し、新代表選出後の市場の動きを探った。
菅首相が代表に選ばれれば、日経平均株価はニュートラルから下落、長期金利は低下、為替はニュートラルから円高に振れる──とみる市場関係者が多いことがわかった。一方、小沢前幹事長が選ばれた場合、日経平均株価は上昇、長期金利は上昇、為替円安──とみる関係者が多く、両者正反対の結果になった。調査期間は9月7日から10日まで。全回答数は54人。
<長期金利は低下の予想>
菅首相が代表に選出された場合の各マーケットの見通しは、以下のとおり。
日経平均株価が「ニュートラル」とした回答は54人中26人でもっとも多く、次いで「下落」が24人だった。「ニュートラル」の中では「一に雇用、二に雇用、三に雇用などといわれても株式市場としては反応しようがない」(バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミスト)、「混沌とした状況が続くことから、海外要因に振らされる」(大和住銀投信投資顧問の奥原健夫ファンドマネジャー)といった声があった。「下落」では「財政再建路線が残ること、そして何も変わらないというあきらめ感」(みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミスト)との見方が出ていた。
長期金利は54人中30人が「低下」、23人が「ニュートラル」。「低下」では「債券市場はリスクシナリオとしての小沢首相誕生を織り込み、金利が幾分上昇している。そのため、菅首相誕生となれば金利は低下するだろう」(伊藤忠商事の丸山義正・主任研究員)、「消費税増税を含めた財政健全化路線や、消極的な円高対策などが、債券相場にとっては好材料と受け止められやすいだろう」(農林中金総合研究所の南武志・主任研究員)などの見方が目立った。一方、「ニュートラル」では「財政再建などに関して、言っていることに矛盾がある」(富国生命投資顧問の櫻井祐記・代表取締役社長)と厳しい指摘もあった。
為替レートは54人中27人が「ニュートラル」、次いで「円高」が23人だった。「ニュートラル」の中でも、「現状維持のイメージで、円高に傾きやすい状況は変わらず」(日興コーディアル証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト)など、実際は円高圧力かかりやすい状況が続くとの見方も出ていた。「円高」では「ごり押ししてでも介入という力が弱い」(メリルリンチ日本証券の藤井知子FXストラテジスト)と、介入に対する後ろ向きのイメージを指摘する声が多かった。
<日経平均、長期金利は上昇の予想>
小沢前幹事長が代表に選出された場合の各マーケットの見通しは、以下のとおり。
日経平均株価が「上昇する」とした回答は54人中36人にのぼった。その多くは、積極財政による景気対策期待を理由として挙げており、「円高に対応した経済対策や大型減税、子ども手当の満額実施などの景気浮揚策を、強いリーダーシップのもとで推し進めていくとの期待が高まる」(信金中央金庫の角田匠・上席主任研究員)、「消費税引き上げ論議が後退。その点から景気に対してポジティブな印象があり、株価にプラス」(大和証券キャピタル・マーケッツの木野内栄治チーフテクニカルアナリスト)といった声があった。
一方で「下落」と回答した中には、「経済対策規模が大きいことはプラスだが、効果が小さいため、むしろ金利上昇の悪影響の方が大きい」(第一生命経済研究所の嶌峰義清・主席エコノミスト)との見方があった。
長期金利は54人中48人が「上昇」と回答。そのほとんどが財政悪化懸念を挙げており、「債券市場では財政規律弛緩の連想が優勢」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)との声があった。ただ、中には「財政政策積極化で景気好転」(UBS証券の平川昇二チーフ・ストラテジスト)と、「良い金利上昇」を指摘する声も出ていた。一方、すにで織り込まれているなどとして「ニュートラル」と回答した市場関係者も5人いた。
為替レートは54人中32人が「円安」と予想。「より強く、ストレートに円高阻止の発言を含めて日銀に圧力をかけ、かつ為替市場への円売り介入を発動する思惑を呼び起こす」(クレディ・アグリコル証券会社の加藤進マネージング・ディレクター/チーフエコノミスト)、「財政規律への懸念などから円安方向へ」(ITCインベストメント・パートナーズの山田拓也シニアポートフォリオマネージャー)などの見方があった。一方で「方向性としては、円安方向の材料ではあるが、グローバル経済など他の材料のほうが大きい」(住友信託銀行の瀬良礼子マーケットストラテジスト)などとして「ニュートラル」
とした回答も17人にのぼった。
<小沢氏、中長期的には日本経済にネガティブの声>
アンケート調査では、小沢前幹事長が選出された場合の中長期的な日本経済見通しについても質問した。
結果は「ネガティブ」がもっとも多く22人、「ポジティブ」と「ニュートラル」が15人で並んだ。「ネガティブ」では「市場メカニズムを抑制し、弱者救済型の資源配分を推進するため、経済の効率性は低下する」(東海東京証券の斎藤満チーフエコノミスト)「国債発行を増やせば増やすほど、将来的に消費税引き上げ、所得税引き上げを含めた増税不安が増える」(新生銀行の勝智彦キャピタルマーケッツ部次長)などの声があった。一方の「ポジティブ」では、その豪腕ぶりに期待する回答が目立ち、「強い指導力を発揮してくれるのを期待。内需を活発化する政策を打ち出してくると思われるため、企業には悪い話ではない」(十字屋証券の岡本征良・資金運用グループチームリーダー)との
見方が出ていた。
<停滞感払しょくされず>
このほか、アンケート調査では、日本経済や金融市場への影響について自由に意見してもらったところ、停滞感は払しょくされないとの声が多く寄せられた。以下は抜粋。
「現在の政党の枠組みでは日本経済・金融市場はほとんど変わらない。理想とする国の形を軸に政界が再編された上で、安定した政権が経済・財政政策の抜本的改革をしないと停滞感は払拭されないだろう」(JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミスト)。
「みんなの党の政策と連携をとる政府にならなければ、円高・株安の流れは簡単に止まらない」(マネックス証券の村上尚己チーフ・エコノミスト)。
「民主党代表選後に安定的な連立政権が誕生するかがポイント。安定政権誕生ならば、ポジティブサプライズで株高だが、その可能性は小さいと予想しており、政局混乱が続けば、株安、円高、債券高」(ドイツ証券の山下周・金利ストラテジスト)。
◎アンケート結果の詳細(全回答数54人)
1)14日投開票の民主党代表選で選出されるのはどちらの候補だと思いますか。
A)菅直人首相 28人
B)小沢一郎前幹事長 18人
C)無回答・わからない 8人
2)仮に小沢氏が選出された場合、目先の市場の反応はどうなると思いますか。
日経平均株価 A)上昇 36人 B)ニュートラル 9人 C)下落 8人 D)わからない 1人
長期金利 A)低下 1人 B)ニュートラル 5人 C)上昇 48人
円レート A)円高 5人 B)ニュートラル 17人 C)円安 32人
3)仮に菅氏が選出された場合、目先の市場の反応はどうなると思いますか。
日経平均株価 A)上昇 4人 B)ニュートラル 26人 C)下落 24人
長期金利 A)低下 30人 B)ニュートラル 23人 C)上昇 1人
円レート A)円高 23人 B)ニュートラル 27人 C)円安 3人 D)無回答 1人
4)小沢氏が選出された場合、中長期的に日本の経済見通しはどの方向に変化すると思いますか。
A)ポジティブ 15人 B)ニュートラル 15人 C)ネガティブ 22人
D)ニュートラルからネガティブ 1人 E)判断できず 1人
(ロイターニュース 金融マーケットチーム 編集 宮崎 大)
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