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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=846
鯨肉が入った箱を盗んだとしてグリーンピースの活動家2名に有罪判決が言い渡されたことを受け、アムネスティ・インターナショナルは、正当な抗議をする権利を保障するよう日本政府に求める。
佐藤潤一さん(33歳)と鈴木徹さん(43歳)は9月6日、青森地方裁判所で窃盗と建造物侵入の罪により、懲役1年執行猶予3年の刑を言い渡された。
2人は、公式には調査目的で捕獲された23キロの鯨肉入りの箱を盗み出したことは認めたが、それは捕鯨船の乗組員が鯨肉を横流しし、それらを売ってかなりの利益を得ていたという、より大きな問題を明らかにするためであったと語った。
「これは、捕鯨に関する国の立場に異議を申し立てる者に警告を送ることを意図した、懸念すべき判決である」と、アムネスティのアジア太平洋副部長であるキャサリン・バーバーは語った。「有罪判決を受けた2人は、横領の慣行があるという報告を受けて、当局が動かない中、その事実を追求した。2人は有罪判決を受けるべきではなく、賞賛をこそ受けるべきだ」。
佐藤さんと鈴木さんによると、2008年はじめ、匿名の内部通報者である捕鯨船のベテラン乗組員が初めて2人に接触してきた。この内部通報者は、日本の捕鯨業における鯨肉の横領と廃棄について懸念していた。
内部通報者は2人に対し、乗組員たちが、自宅に送付された、内容物と違うラベルが貼られた鯨肉がぎっしり詰まった箱を恒常的に受け取っていた、と語った。そして、乗組員たちは個人的な利益のために鯨肉を売っていた。中には、いつも一度に10箱ほど受け取っていた乗組員もいたという。
2人は、2008年、青森市の配送所から鯨肉が入り、「段ボール/ビニール」というラベルが貼られた箱を持ち出したことを直ちに認めた。
持ち出した箱はその後、東京地方検察庁に渡され、証拠を発表するために記者会見が開かれた。しかし、検察官が関与した乗組員らに対して捜査を開始するかわりに、警察が佐藤さんと鈴木さんを逮捕した。警察はまた、グリーンピースの事務所と職員の自宅を家宅捜索し、書類やコンピュータのハードディスクなどを押収した。
グリーンピースによると、2人は起訴されないまま3週間以上にわたって勾留され、弁護人の立ち会いなしに、椅子にくくりつけられて1日に3度の取調べを受けた。グリーンピースはこの行為を非難し、起訴は「政治裁判」であるとした。
国連の恣意的拘禁に関する作業部会は、2人は正当な公益調査を実施しており、起訴は政治的な動機に基づくもので、勾留は2人の人権を侵害したと判断した。
「証拠を提示したとたんに佐藤さんと鈴木さんがひどい取り扱いを受けたことに弁解の余地はない」とキャサリン・バーバーは語った。「日本政府は、この種の虐待が繰り返されないよう行動を起こさなければならない。また、汚職について調査し、環境破壊や人権侵害を告発することができるように保障しなければならない」
アムネスティは、2人に対する取り扱いについて、独立し公正な、徹底的な調査が実施されるよう繰り返し要請してきた。2008年、当時の日本の首相に対して、佐藤さんや鈴木さんのような環境活動家を含む人権擁護活動家たちが、妨害行為や嫌がらせを受けないで平和的な活動を行う権利を国家や司法制度が尊重するということを明確にする発言を行うように訴えた。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年9月7日
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