★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK94 > 484.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
副島隆彦「現職の鈴木宗男衆議院議員(外交委員長)への不当な最高栽の有罪判決と投獄の政治弾圧に強く抗議する」
http://www.asyura2.com/10/senkyo94/msg/484.html
投稿者 クルテクと森の仲間たち 日時 2010 年 9 月 09 日 11:30:20: Z7xl4Cth248vg
 

「副島隆彦の学問道場」の「気軽ではなく重たい気持ちで書く掲示板」の2010年9月9日の投稿より。
文末にある副島氏の提起をまず紹介します。

−−−−−−−−−−−−−
 私たちは、私たちの優れた指導者である小沢一郎と共に、ついに、彼が、立会演説の場で、はっきりと公言するようになった、「官僚主導から政治主導へ。官僚たちが、こんなにも大きな権力を握っていることをやめさせなければならない」 (9月4日)という 言葉を、真剣に受けとめよう。そして、迫り来る、これからの政治動乱の日々を、良識のある行動を取って、皆で団結して、日本国を守ってゆかなければならない。

 私自身も、すでに警察や、そのほかの国家情報機関に監視されている立場だと自覚している。だから、十分に注意している。 それでも、私たちは、どうしても直接の抗議行動に出なければならない時は、皆でまとまって行動しましょう。みんな、自分の生活で忙しいし、政治行動などする時間とカネの余裕などほとんど無い。

 それでも、国民の権利としての参政権の一部として、どうしても抗議行動をしなければならない時には、進んで街頭に出ましょう。その準備をいまのうちからすこしずつしなければならないと私は思います。

 国民の敵である 官僚連合の狙(ねら)いは、首相になる小沢一郎に対する ”王殺し( Regicide、 レジサイド)” である。 日本国民の多数が待望する小沢一郎の首相就任を、官僚連合は、自分たちの死命を制する権限と力(ちから)を持つ者の就任だとして、ものすごく嫌がっている。

 それゆえに、小沢一郎殺しを狙ってくる。 大将を倒せば、あとの一般国民、民衆など、烏合(うごう)の衆だから、蹴散らすことができる、と考えている。 だから、私たちは、小沢一郎が育てた若い政治家たちの中から次の指導者になる、しっかりとした資質と能力を持つ者たちを、今のうちから、皆で、育てて応援しなければならない。 

 小沢一郎ひとりへの過剰な期待 だけでは、敵の思う壺に嵌(はま)った時に、私たちは再起できないほどに打ちのめされる。このあともどうせ長く続けなければ達成することはできない日本民主革命は、 しぶとく息長く、闘い抜かれなければならない。

 鈴木宗男議員への、今回の、法務省官僚・裁判所の不当な投獄の 政治弾圧の攻撃を、打ち破って、 彼を、小沢首相の権限で、裁判のやり直し(再審)を始めさせ、鈴木宗男を早く釈放させて、大臣の地位につけて、日本国の為に頑張ってもらおう。その道筋を皆で、切り開きましょう。

副島隆彦拝  
−−−−−−−−−−−−−−−


以下、全文転載。

「副島隆彦の学問道場」の「気軽ではなく重たい気持ちで書く掲示板」より
http://www.snsi.jp/bbs/page/1/
−−−−−−−−−−−−−−−−−
[79]現職の鈴木宗男衆議院議員(外交委員長)への不当な最高栽の有罪判決と投獄の政治弾圧に強く抗議する。 投稿者:副島隆彦 投稿日:2010-09-09 08:30:29

副島隆彦です。 今日は、2010年9月9日です。

 私は、昨日、8日の午後に、鈴木宗男衆議院議員(外交委員長)への、最高裁 (第一小法廷 裁判長 金築誠志=かねつきせいし=) の上告棄却(じょうこくききゃく)の判決による、有罪確定で、すぐに 刑務所に収監(しゅうかん)される、という報道を聞いた。 

 そのあと、自分の目先の仕事に追われて、しばらくこの問題に対応できなかった。皆、自分のことで忙しいから、こういう許しがたい政治弾圧の知らせを受けても、すぐには行動できない。 夜になってから、各所に電話して情報を集めたが、皆、無力感にうちひしがれて、彼の記者会見の様子をテレビで見ながら、私もある種の脱力感に襲われた。 

 判決文といっても、郵便で、ぺらっと、紙切れが、一枚送りつけられるだけである。最高裁判所で、公判(こうはん、公けの場での裁判の審理) さえ、一回も開かれないで、こういうことをする。 こういう、ひどいことを、日本の裁判所は、現に、日本国民にしている。

 しかも、現職の日本国の重要な政治家に対してでさえ、裁判官どもというには、このような、下がら上(あ)がってきた書面審査だけの、非道(ひどう)な取り扱いをする。 

 日本の、法務省官僚 とその手下(てした)でしかない裁判官ども、そして、行政官 (内閣の統制に服す) でありながら、「準司法的な行政職」である検察菅たちが、ここまで腐敗した、汚(きたな)らしい集団であることを、再度、私たちに思い知らさせた。 

 鈴木宗男は、北海道の星であり、北海道民の王様である。彼が本気で、これまでに多くの北海道のための施策を実行してきた。北海道の人たちに、これほど敬愛され、北海道何とか豊かにする切り札である 鈴木宗男議員を、こんなひどい形で、有罪判決を確定させ、刑務所に収監しようとしている。 

 有力な現職の衆議院議員(国民の代表)であることを、重々知りながら、裁判官どもは、こういう無理無体(むりむたい)な判決を下した。 日本国民の代表たちに、どうして裁判所ごときが、このような傲慢極まりない行動に出れるのか。私たちは、国家体制の見直し、作り直しを本気で実行しなければならない。

 このように、国民に敵対して、国民の多数意志を踏みにじる、法律の専門家のふりをした、検察官や、裁判官たちをこそ、逮捕し、裁判に掛けてし処罰し、投獄しなければならない。私たちの代表である国会議員たちが、新しい法律を作って、彼ら、国家暴力団、公設やくざ者たちを正しく成敗すべきだ。そういう立法、法律づくり は可能である。それが、デモクラシー(代議制民主政体)である。、

 日本は、じわじわと官僚たちの いいように扱える国に、彼らの策略で、作り上げられている。 今の日本の、国政の大きな変わり目のきわめて重要な時期に、官僚たちがクーデターを仕掛けてきている。鈴木宗男が、やがて出来る小沢政権で、閣僚(もしかしたら外務大臣)として起用される ことを察知した 官僚たちが、政権(内閣)からの自分たちへの締め付け、統制がかけられることを激しく危惧して、先回りして、こういう暴挙に出た。 

 今日、9日には、小沢一郎が、北海道に行って、代表選挙の立会演説で、鈴木宗男議員と共に壇上に立って、北海道民に直接、訴えかける予定であるという。こういう重要な時期を狙って、わざと最高裁はこのような、司法による 政治弾圧の行動に出た。許しがたい、確信犯の敵対行動である。 

 日本の司法は腐り果てている。司法試験に受かっただけの勉強秀才たちが、「法曹(ほうそう、リーガル・ギルド)」という、奇形化した特権集団を作り、それで、訴訟(裁判)における正義判断権( justice 、ジャスティス) を、自分たちが握りしめ、法律という、本来、社会の正義の基準であるものを、自分たちがどうにでも使える刃物にしてしまって立派な人々に襲いかかる。

 法律を、国民を脅しあげ、反抗する者を切り裂く道具に変えている。 この 恐ろしい 裁判官、検察官、法務省官僚 という 公設暴力団、国家ヤクザ者たちを、なんとかして、日本国民のデモクラシー(代議制民主政体)の力で、押さえつけ、彼らの暴走を食い止めなければならない。彼らの顔ぶれを、急いで、全面的に入れ替えなければならない。 

 私は、20年近く前に、友人の弁護士と共著で、『法律学の正体』、『裁判の秘密』、『裁判のカラクリ』という本たちを書いて出版している。それなりに売れた本であり、今でも手に入ると思う。法律制度 が、どれほど、裁判官、検察官たちによって、いいように扱われ、彼らの毒牙にかかった国民をひどい目に遇(あ)わしているかを、すべて事実として暴き立てた本である。 

 だから、共著者である私の友人弁護士は、今も、最高裁から睨(にら)まれて、ことある度(たび)に、弁護士業界で、「懲戒請求」の不当ないやがらせに遇(あ)っている。

 たとえば、刑事被告人になった者が、「弁護士先生にだけ、本当の事情をお話しします」 と言った内容が、なんと、相手の検察官や、そして裁判官までも知っているという。こういう、およそ近代国家で、有ってはならな職責の自損的な冒涜(ぼうとく)、談合(だんごう)をやっている。 
 彼らは、内部で通報し、通謀し合うのである。 一部、良心的な弁護士たちがいるとしても、彼らは、裁判所への出入りの業者のようであり、いつも裁判官たちにヘコヘコさせられる。良心的な弁護士たちも自分が裁判所に睨まれるのが怖いので、まったく闘おうとしない。 立派そうにしている弁護士たちと言っても、本当は、皆、ブルブル震えるおとなしい羊である。これが日本の裁判所の実情だ。

 そして、今は、法務省の官僚たちの方が、裁判官たちよりも偉くて、裁判官にも2種類いるのである。 「法務省から来た裁判官」 という特権的で威圧的な者たちと、あるいは、たとえば中央大学法学部出程度の、私大出の 下っ端の裁判官たちに分かれる。 この法曹の世界では、私大出は、官僚機構のノンキャリ (これを、一番、分かりやすく言えば、高卒の公務員という意味である。公務員の世界とは、学歴差別 が公然と支配している世界だ ) 扱いと同じだ。

 そしてこの「法務省から来た裁判官」 というのが、私大出を脇(わき)にどかして、、私大出の裁判官が、己れの良心に駆られて、誠実に訴えている者たちの言い分を聞こうとすると、途中からその裁判を横取りして、代わって担当するようなことまでする。 その時には、その裁判の結果は、実にひどいものになる。 

 決まり文句は、刑事事件であれば、「被告人には反省の色が見られない」である。そうやって多くの被告人(刑事事件の場合)と、民事事件の当事者たちが、裁判官たちに、裏切られて、ひどい思いをする。一度でも、裁判所に関わった国民は、二度と、裁判所には近寄りたくないと、思う。

 東大法学部出の、その中でも、生来の残忍な性格をした、人間差別を当然のことと考える、宦官(かんがん)のような者たちは、冤罪(えんざい、無実の罪という意味)を、どんどん作ってゆく。 法務省・裁判所・検察庁という、自分たちの国民支配の居城、体制を守ることが、すべてに優先する。 この文のうしろの方に載せる 今度の 鈴木宗男議員への判決文の、実にいやったらしい、非人間的な書き方が、そのことを示している。

 検察庁の一部である東京地検・特捜部にしても、東大法学部出のエリート検察官と、それよりも数だけは多い下っ端の、中央大学法学部出の検察官たちから成っている。下っ端の私大出の検察官たちの中からでも、上(うえ)の言うことをよくきく、犬(いぬ)の根性の者は、ごく少数だが、検察官上がりなのにたったひとりだけ、最高裁の判事にまでしてもらえる。 他の省庁で、ノンキャリ(高卒)でも、ごく一部を、わざと能力評価で昇進させるのと同じだ。

 今は、「判検交流(はんけんこうりゅう)」と言って、判事(裁判官)と、検事(検察官)を、互いに、どんどん人事交流させている。検察官上がりが、出世して裁判官になっていいことにしている。そのことを奇妙なことだと、彼ら、法曹三者や、法務省が思わなくなっている。 正常な感覚が麻痺している。

 だから、小沢一郎への検察庁、地検特捜による攻撃にしても、裁判官たちまでも意見交流が初めから出来ているのだ。 ちっとも公明正大な世界ではないのだ。これらのことは、すべて法務省の人事異動の一環として行われている。 日本国憲法が定める三権分立 (さんけんぶんりゅう。 法律学の世界では、わざと「ぶんりつ」を、「ぶんりゅう」と読み替える) が、大きく毀損され、打ち壊されている。だから今でも日本には、三権分立は、掛け声だけで、実際には存在しない。

 最高裁の事務総長(じむそうちょう)という役職と、法務省の官僚たちが、裁判所、検察官 という職種を支配している。同じく、検事総長が、法務省事務次官よりも格が上で、2歳年上の65歳までやれる。そして、彼らは、自分たちの方が、「薄汚(うすよご)れた政治家たちよりも優れていて、上位の権力 (法律学では、権限=けんげん=という。権力は、政治学の用語) を実際には持っているのであって、自分たちが最高権力者である」と内心は信じ込んでいる。 

 「この国の法と秩序を守る番人として、自分たちが、よごれた政治家たちを処罰して、どんどん、牢屋に叩き込んでやる」 と、今も、深く思い込んでいる。  彼らは、日本国民の代表たち(すなわち、国会議員たち)が、「国権の最高機関」(憲法41条)であり、国民から国政のすべての権限を委譲された権力者なのだ、という、世界中で通用する、当たり前の考えを、実際上、拒否している。 


 彼らは、自分たち、官僚が、一番偉いのだ、と腹の底から信じ込んでいる。彼ら法務官僚たちを、現在の、小沢革命=国民民主革命によって、叩きのめさなければならない。 

 今度の、鈴木宗男氏や佐藤優(さとうまさる)氏らが、、まじめにやっていた、北方領土の返還交渉の、ロシア政府との対等の誠実な話し合いの路線を、叩き壊し、妨害し、犯罪者として弾圧していったのは、外務官僚たちとアメリカだ。 それに、法務省・検察・裁判所が、官僚同盟、官僚仲間のよしみで加担、加勢する。  今、最高裁の判事になっている竹内征夫(たけうちいくお)は、外務省の次官だったのであり、法律の実務など何も知らないのに最高裁判事になってしまっている。こういうおかしなこともまかり通り国である。  

 この男が、憎しみを込めて、鈴木宗男が、10年前に実質の外務大臣として外務省内の外務官僚たちの不祥事を調べていたことを封じ込め、外務省の多くの不祥事を隠し遠し、鈴木宗男らを、日本官僚連合に敵対する政治家として、葬り去る役目に着いている。同じことは、昨年からの小沢一郎と彼の秘書や若い政治家たちへの、検察からの異常な政治弾圧である逮捕、捜査の攻撃でも見られた行動だ。 

 私たちは、もうすぐ出来る小沢一郎政権に、希望と、期待を繋(つな)いで、なんとか、多数の政権政治家(国会議員)たちの意志で、国民の多数意志の力で、今のような、日本官僚連合の意識的な、国民への敵対行動をやめさせなければならない。

 彼ら官僚たちの、これまでの違法行為の数々を、国会の場に持ち出し、議員たちの国勢調査権を発動して、彼ら、高級公務員たちの違法行為の責任と犯罪を白日の下に明らかにしなければならない。 小沢政権の大臣たちが、それぞれの職務権限に基づき、幹部公務員(官僚)たちを、正しく免職、降格にしなければならなない。 

 しかし、前途は多難である。 私は、自分の法律の知識と、国家体制を動かす法律の施行の諸理論を、今、頭で考えあぐねており、一体、どのようにして、この、ゆがんだ精神をした官僚たちの暴走を食い止めることが出来るかを、ずっと、真剣に考えている最中(さいちゅう)である。 私たちの国民の多数意志をもってしても、ただちに、官僚たちの悪逆非道のやり方を是正する道は、なかなか困難だ。

 私は、9月3日に、「私たちは、小沢一郎政権ができても、敵たちの集中砲火が待っているから、用心し警戒すべきだ」論 を書いたすぐあとに、このように、鈴木宗男の投獄と議員資格はく奪の、最高裁の判決の暴挙が起きたことで、「やっぱり、これから、もっともっと大変なことになる」と改めて強く感じた。事態は、もっともっと緊張して、急迫してゆく。

 私たちは、私たちの優れた指導者である小沢一郎と共に、ついに、彼が、立会演説の場で、はっきりと公言するようになった、「官僚主導から政治主導へ。官僚たちが、こんなにも大きな権力を握っていることをやめさせなければならない」 (9月4日)という 言葉を、真剣に受けとめよう。そして、迫り来る、これからの政治動乱の日々を、良識のある行動を取って、皆で団結して、日本国を守ってゆかなければならない。

 私自身も、すでに警察や、そのほかの国家情報機関に監視されている立場だと自覚している。だから、十分に注意している。 それでも、私たちは、どうしても直接の抗議行動に出なければならない時は、皆でまとまって行動しましょう。みんな、自分の生活で忙しいし、政治行動などする時間とカネの余裕などほとんど無い。

 それでも、国民の権利としての参政権の一部として、どうしても抗議行動をしなければならない時には、進んで街頭に出ましょう。その準備をいまのうちからすこしずつしなければならないと私は思います。

 国民の敵である 官僚連合の狙(ねら)いは、首相になる小沢一郎に対する ”王殺し( Regicide、 レジサイド)” である。 日本国民の多数が待望する小沢一郎の首相就任を、官僚連合は、自分たちの死命を制する権限と力(ちから)を持つ者の就任だとして、ものすごく嫌がっている。

 それゆえに、小沢一郎殺しを狙ってくる。 大将を倒せば、あとの一般国民、民衆など、烏合(うごう)の衆だから、蹴散らすことができる、と考えている。 だから、私たちは、小沢一郎が育てた若い政治家たちの中から次の指導者になる、しっかりとした資質と能力を持つ者たちを、今のうちから、皆で、育てて応援しなければならない。 

 小沢一郎ひとりへの過剰な期待 だけでは、敵の思う壺に嵌(はま)った時に、私たちは再起できないほどに打ちのめされる。このあともどうせ長く続けなければ達成することはできない日本民主革命は、 しぶとく息長く、闘い抜かれなければならない。

 鈴木宗男議員への、今回の、法務省官僚・裁判所の不当な投獄の 政治弾圧の攻撃を、打ち破って、 彼を、小沢首相の権限で、裁判のやり直し(再審)を始めさせ、鈴木宗男を早く釈放させて、大臣の地位につけて、日本国の為に頑張ってもらおう。その道筋を皆で、切り開きましょう。

副島隆彦拝  


(以下は、新聞記事の転載貼り付け 始め)

● 「 鈴木宗男議員:失職、近く収監へ 最高裁が上告棄却 」

毎日新聞 2010年9月8日

 鈴木宗男衆院議員=2010年3月撮影 北海道開発局発注工事を巡る受託収賄など4罪に問われた衆院議員、鈴木宗男被告(62)=比例北海道ブロック、新党大地= に対し、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は、7日付で上告を棄却する決定を出した。 懲役2年、追徴金1100万円とした1、2審の実刑判決が確定する。鈴木議員は公職選挙法と国会法の規定に基づき失職し、近く収監される見通し。現職国会議員が自身の実刑確定で失職するのは戦後4人目。

 上告審で弁護側は、わいろの受領を否定するなど4罪すべてについて全面無罪を主張したが、小法廷は5人の裁判官全員一致の意見で「上告理由に当たらない」と退けた。 そのうえで、北海道・沖縄開発庁長官だった鈴木議員が業者に便宜を図るよう下部組織の北海道開発局港湾部長に働き掛けたとされた事件について検討。「職務権限を利用し、職員に対する指導の形で契約相手の業者を事実上決定するよう働き掛け、予算事務の公正や社会の信頼を損なった」と指摘し、受託収賄罪の成立を認めた。

 鈴木議員は最高裁に異議申し立てをする方針だが、最高裁が結論を見直す可能性は極めて低く、申し立てが棄却されると実刑判決が正式に確定する。拘置日数のうち220日が差し引かれるため、実際の刑期は1年5カ月程度とみられる。東京地裁は04年、贈賄側供述の信用性を認め「国民の信頼を裏切り、反省の情も皆無」と実刑に。東京高裁も08年、控訴を棄却した。

 鈴木議員が失職した場合、新党大地の浅野貴博氏(32)が繰り上げ当選。鈴木議員は公職選挙法の規定に基づき、刑期終了後の5年間、被選挙権を失う。鈴木議員は北海道足寄(あしょろ)町出身。故中川一郎元農相の秘書を経て、83年衆院選に出馬して初当選、開発庁長官や内閣官房副長官などを歴任した。

 起訴後の03年衆院選は病気のため出馬を断念したが、05年衆院選に新党大地代表として立候補し国会議員に復帰。昨年の衆院選で8回目の当選を果たして外務委員長に就任し、今年8月に衆院議員在職25年表彰を受けた。【伊藤一郎】

 ◇闘っていく
 鈴木議員の話 いかなる環境にあっても検察権力と闘っていく。今後の政治活動については異議申し立てに対する結果が出てから考える。

 ◇1、2審の認定事実
 (1)北海道・沖縄開発庁長官だった97年10月〜98年8月、島田建設側から開発局発注工事に絡む依頼を受け600万円を受領(受託収賄)(2)98年8月、違法伐採で林野庁から入札参加資格停止処分を受けた製材会社「やまりん」側から、売り上げ減を穴埋めするだけの事業を随意契約で受注できるよう林野庁への働き掛けを依頼され500万円を受領(あっせん収賄)(3)資金管理団体「21世紀政策研究会」の98年分の政治資金収支報告書に、約1億円の収入と自宅購入に充てた3600万円の支出を記載せず(政治資金規正法違反)(4)02年3月の衆院予算委の証人喚問で虚偽証言(議院証言法違反)。


●「最高裁の決定要旨」 

共同通信 2010年9月8日

衆院議員鈴木宗男被告の上告を7日付で棄却した最高裁の決定の要旨は次の通り。

 【結論】

 弁護人の上告趣意のうち、判例違反の点は事案を異にする判例を引用するもので適切でなく、その余は、憲法違反の点を含め、実質は事実誤認、単なる法令違反の主張で、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない。

 【職権判断】

 受託収賄罪の成否について職権で判断する。
 北海道開発庁長官だった被告が、港湾工事の受注に関し特定業者の便宜を図るように北海道開発局港湾部長に働き掛ける行為は、職員への服務統督権限を背景に、予算の実施計画作成事務を統括する職務権限を利用して、職員に対する指導の形を借りて行われた。

 被告には港湾工事の実施に関する指揮監督権限はないとしても、働き掛けた内容は、実施計画で概要が決定される港湾工事について、競争入札を待たずに工事業者を事実上決定するものだった。

 このような働き掛けが金銭を対価に行われることは、北海道開発庁長官の本来的職務として行われる予算の実施計画作成の公正、その公正に対する社会の信頼を損なうものである。従って働き掛けは、北海道開発庁長官の職務に密接な関係のある行為というべきだ。

 弁護人は、談合にかかわる行為は、正当な職務としておよそ行い得ない違法な類型であるから、職務に密接な関係のある行為とはなり得ないと主張するが、密接関係行為に当たるかは本来の職務との関係から判断されるべきだ。違法行為であることで、その判断は直ちには左右されないと解するのが相当である。

 また受注業者の指名が港湾部長の職務権限に属することを認定せずに、指名について港湾部長を指導することが北海道開発庁長官の職務権限に属するとした二審の判断が判例(1995年2月22日大法廷判決)に違反すると主張する。

 しかし収賄罪の構成要件である「職務に関し」は、収賄公務員の職務との関連性。他の公務員に働き掛けることの請託を受けて収賄した場合であっても、働き掛けを受ける公務員の職務との関連性は構成要件そのものではない。一般的には、その職務関連性をそれ自体として認定する必要はないというべきである。そうすると、働き掛けを行うよう請託を受け、その報酬として金銭の供与を受けた行為が受託収賄罪に当たるとした二審の判断は正当である。

 【金築誠志裁判官の補足意見】

 受託収賄罪における北海道開発庁長官の職務権限につき、意見を補足的に述べる。 弁護人引用の判例は、内閣総理大臣の職務権限に関するもの。内閣総理大臣については、直接に行政事務を行うことを認めるのは相当ではないとする見解が有力で、指揮監督権限は行政全般にわたる反面、極めて一般性・抽象性が高い。働き掛けを受ける公務員の職務関連性を認定することで、職務権限を認定せざるを得ない面があり、一般化は相当でない。

 働き掛けた事項が相手先の公務員の職務と無関係であれば、働き掛けに職務関連性を認めることが困難となろうが、働き掛けを受ける公務員に収賄公務員の職務関連性以上のものが要求されると解すべきではない。少なくとも働き掛けを受ける事項と職務との間に密接な関係があれば足りると解すべきである。港湾部長は、港湾工事の計画作成・実施に関して職務権限を有し、慣行的、常態的に本命業者の指名を行っていた。組織的に事実上職務行為化した行為とも評価でき、港湾部長の職務と密接な関係を有する行為であることは明らかだ。

 官製談合での本命業者の指名は、収賄罪の職務にはなり得ないと主張するが、収賄罪での職務が適法なものに限られないことは加重収賄罪の存在からも明らか。慣行化した官製談合の違法性、それによる信頼棄損と、慣行を利用してわいろを収賄することの違法性、それによる職務の公正に対する信頼棄損とは、別個の評価が可能。今回のような行為に関するわいろ収受が、職務の公正に対する信頼を害する程度が低いとは到底いえない。職務密接関係性を否定することは相当ではない。


● 「 宗男被告収監へ 佐藤優(さとうまさる)氏 「非常に政治的だ」 」 

産経新聞 2010年9月8日 
 
 鈴木(宗男)被告とともに逮捕され、有罪が確定した元外務省主任分析官、佐藤優氏の話 
 「このタイミングでの上告棄却は非常に政治的と思う。一つは、郵便不正事件の公判で10日、厚生労働省元局長に無罪判決が出る公算が大きく、検察捜査への批判が高まる。さらに民主党代表選で小沢一郎氏が当選し、鈴木氏を要職に起用すれば、鈴木氏に手をつけられなくなる。それを恐れて先手を打ったのではないか。機密費問題などで追及する人物がいなくなり、一番喜んでいるのは外務官僚だろう」


● 「 なぜ最高裁はこのタイミングで鈴木宗男衆議院議員 の上告を棄却したか? 」

佐藤優の眼光紙背 2010年9月8日

 9月8日午後、7日付で最高裁判所第一小法廷が鈴木宗男衆議院外務委員長(新党大地代表)の上告を棄却した。鈴木氏の弁護人は異議を申し立る意向を表明しているが、過去の例でこの種の異議が認められたことはない。近く懲役2年の実刑が確定し、鈴木氏は刑務所に収監される。

 最高裁判所は最高政治裁判所でもある。それは、2002年に鈴木宗男追放キャンペーンの中心に立った竹内行夫外務事務次官(当時)が現在、最高裁判所裁判官をつとめている事実からも明白だ。所属する小法廷が異なるなどということは、本質的問題でない。司法試験にも合格していないので、法曹資格ももたず、かつ極めて政治的動きをする人物を行政機関である外務省から受けいれている最高裁判所という組織自体が、「司法権の独立」という名目からかけ離れた組織だということを筆者は指摘しているのだ。

このタイミングで最高裁判所の司法官僚が鈴木氏の上告棄却を決定したことは、きわめて合理的だ。それには2つの理由がある。第1の理由は、9月10日に大阪地方裁判所で行われる村木厚子元厚生労働省局長の裁刑事判で、無罪判決が予想されているからだ。そうなれば特捜検察は正義の味方であるという神話が裁判所によって覆される。当然、世論の特捜検察の取り調べに対する疑念と批判がかつてなく強まる。そうなると、「国策捜査」によって事件が作られたという鈴木氏の主張を完全に無視することができなくなる。

 第2の理由は9月14日の民主党代表選挙で小沢一郎前幹事長が当選する可能性があるからだ。最高裁判所の司法官僚にとっては、これも頭痛の種だ。小沢氏は鈴木氏の政治的能力を高く評価している。そもそも鈴木氏を衆議院外務委員長に抜擢したのは小沢氏だ。小沢政権になれば鈴木氏が政府の要職に就くなど、政治的影響力が高まるのは必至だ。そうすれば排除が困難になる。この結果にいちばん喜んでいるのは外務官僚だ。鈴木氏が収監されることにより外交機密費(報償費)の不正使用や、外交秘密文書の破棄に対する責任を追及する政治家がいなくなると外務官僚はほっとしている。しかし安心するのはまだ早い。鈴木氏は小沢氏に外務官僚に関するヤバイ情報をすべて引き継いでいるはずだからだ。

いずれにせよ、今回、最高裁判所が鈴木氏の上告を棄却したことは、普通の国民の目には見えにくいが、「誰が日本国家を支配するか」を巡って、資格試験に合格したエリート官僚と国民によって選ばれた国会議員の間で展開されている熾烈な権力闘争を反映したものだ。

● 「 鈴木氏収監へ 道内政治勢力の変動も 「宗男票」行方注視 」

毎日新聞  2010年9月8日(水)

 受託収賄罪などで近く収監される見通しとなった鈴木宗男衆院議員(比例北海道ブロック)は、東京地裁で有罪判決を受けた後の05年に地域政党「新党大地」を設立し、北海道内で影響力を保ってきた。ただ、事実上、鈴木議員の「一人政党」。今後、影響力が低下するのは必至で、道内では10月の衆院道5区補選や来春の統一地方選を控え、「宗男票」の行方に関心が集まっている。

 「鈴木さんのカリスマ性で形作られてきた新党大地だから、影響は避けられない」。新党大地との選挙協力を強めてきた民主党北海道連の佐野法充(のりみち)幹事長は8日、道連事務所で記者会見し、神妙な面持ちで語った。一方、自民党道連の竹内英順(ひでのぶ)幹事長は「これから道内の政治的な勢力地図は大きく変わる」と話し、「宗男票」の取り込みをうかがう構えをみせた。

 鈴木議員は02年にあっせん収賄容疑で逮捕され、03年衆院選は不出馬。しかし04年参院選道選挙区に出馬し、落選したものの約48万票を獲得。05年に新党大地を結成して衆院選に挑み、比例道ブロックで衆院議員に返り咲いた。国政選挙に挑戦を続けることで、道内各地の後援会を維持し、集票力を証明してきた。

民主道連とは、07年参院選での選挙協力をきっかけに、08年には地盤の北見、釧路両市長選で「民主・大地」陣営として連勝。09年の衆院選でも、小選挙区で民主候補を支援し、民主の11勝1敗という圧勝に一役買った。

 収監は最長約500日となる見通しで、その後も5年間は選挙に立候補できない。62歳の鈴木氏はそのころには70歳近くになる。後援会幹部からは「これからも支持する」との声が上がるが、鈴木議員の後継者は今のところ見当たらない。

新党大地は、10月の衆院道5区補選で、民主が擁立した元国土交通省キャリアの中前茂之氏の推薦を決めていた。民主道連幹部は「大地の票は保守票で、宗男票。代わりの人が声をかけても言うことを聞いてくれるかどうか。宗男さんがいなくても、働きかけできるようなつながりもない」と漏らす。

09年衆院選比例道ブロックの5区管内で新党大地が獲得したのは約3万票。「これを機に、(鈴木議員の)後援会をやめるという人もいる。どう取り込むか戦略を練りたい」。5区補選に出馬する自民の町村信孝元官房長官の後援会幹部は力を込めた。【岸川弘明、和田浩幸、堀井恵里子】

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2010年9月09日 11:41:50: lQDLBsvyuo
最高裁の決定の要旨は

 弁護人の上告趣意のうち、判例違反の点は事案を異にする判例を引用するもので適切でなく、その余は、憲法違反の点を含め、実質は事実誤認、単なる法令違反の主張で、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない。

こらは正しいのですか?鈴木議員は何と反論するのですか?どうも何が本当かわからない。



02. 2010年9月09日 13:40:41: KCsvGAOQ4g
最高裁判決が覆った冤罪事件は、いくつもありますから、

それが最高裁判断にも誤りがあるという証明ではないでしょうか。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 コメントの2重投稿は禁止です。  URL紹介はタイトル必須
ペンネームの新規作成はこちら←  最新投稿・コメント全文ページ
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK94掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK94掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧