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「小沢さんは、どこまで本気なんだ」――霞が関が戦々恐々だ。小沢一郎が、代表選の立候補届け出と同時に発表した政権政策メモ。「行政および政治の改革」という項目には、天下り官僚の根絶メニューがズラリと並んでいる。
真っ先に「国家公務員の天下りは全面的に禁止する」とキッパリと掲げ、「独立行政法人、特殊法人と特別会計は必要不可欠なものを除き廃止あるいは民営化する」と、ダメを押す。
官僚OBが天下った独立行政法人や公益法人の数は、約4500にも上る。そこに約2万5000人もの天下り官僚が巣くって、年間約12兆1000億円もの国家予算に群がってきたのだ。
この霞が関の腐敗構造に、ついに小沢がメスを入れると宣言したのである。
「小沢氏は本気です。旧自由党党首時代の03年に『新国家の設計図』としてまとめた『日本一新11基本法案』にも『特殊法人等整理基本法案』が並んでいます。特殊法人などを廃止・民営化し、民間の経済活動の分野を広げるとの理念を掲げた法案で、今でも自分のホームページに載せています。首相に就任すれば、すぐさま天下り根絶に動くのは間違いありません」(民主党関係者)
小沢の政権政策には霞が関を震え上がらせる項目がまだある。
注目すべきは「公務員制度の抜本改革を実施して、公務員が誇りを持てる処遇をし、公務員に労働基本権を認める」と打ち出したことだ。
「公務員に労働基本権を認めれば、今年度106億円の国家予算がつぎ込まれた人事院の存在意義が失われます。人事院は公務員に労働基本権を与えない代償として設けられた。使用者の政府から独立した立場として勧告を出し、それを受けた政府が勤務条件を決める仕組みが不要になります」(法曹関係者)
もっとも、政府からの独立なんてタテマエ上の話だ。天下りを繰り返し「渡りの帝王」と呼ばれた谷公士前総裁をはじめ、自民党政権時代の幹部ポストは天下り官僚の指定席。職員の給与もベラボーだ。今年度予算のうち人件費(退職金含む)は76億6000万円。計667人の職員1人あたり、1148万円が流れている計算となる。
天下り法人や人事院が解体されれば、税金の大きなムダをあぶり出すことも可能だ。「僕には夢がある」という小沢だけじゃなく、国民も「夢」が持てる方針である。
(日刊ゲンダイ2010年9月4日掲載)
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