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2010-09-06 17:21:53
もしかすると小沢一郎ほどクリーンな政治家はいないんじゃないか?
考えてもみて欲しい。
あの狂気と執念、悪意に満ちた東京地検特捜部が全力を挙げて取り組んだ小沢一郎捜査である。
膨大な資料を押収し、膨大な数の関係者の事情聴取を続け、特捜部の陣容だけでは足りなくて、全国から応援の検事まで集めての無茶苦茶な捜査である。
それでも特捜部は小沢を起訴できなかった。
これだけの検察の捜査でも何も出てこなかったのだ。
こんなクリーンな政治家が、他に誰かいるだろうか?
これだけの捜査を受けて、何も出てこない政治家が他に誰かいるだろうか?
贈収賄もない。
事務所費問題もない。
脱税もない。
何にもない!
昨年三月、東京地方検察庁特捜部が小沢一郎秘書大久保隆規氏を逮捕した。
まさか天下の東京地検特捜部があれだけの大布陣で臨んだ捜査である。
代議士の一秘書が標的のはずはない。
標的は小沢一郎その人である。
田中角栄、金丸信の系譜をひく政治家である。
叩けば何か出てくるはずだ、と甘すぎる見通しで特捜部は小沢一郎に手をつけてしまった。
伏線はその前年の2008年の西松建設裏金事件であった。
2008年6月4日 西松建設本社などを東京地検特捜部が外為法違反容疑で家宅捜査
2009年2月10日 西松建設前社長を起訴、法人としての同社も略式起訴
2009年3月3日 小沢一郎民主党代表の資金管理団体の会計責任者で公設秘書大久保隆則、政治資金規制法違反容疑で逮捕
西松建設に手を付けた時点で、特捜部が小沢一郎を視野に入れていたのかどうかは分からない。
1991年の金丸信脱税事件以来、業績らしい業績を上げていない特捜部である。
元福島県知事・佐藤栄佐久事件、元大阪高検検事・三井環事件等、検察の威信は落ちっぱなしである。
ここらで大花火を打ち上げないと特捜の存在意義が問われる。
元々、特捜部などというのは盲腸のような存在に過ぎない。
あっても何の役にも立たないが、時に悪さをする。
しかし、盲腸にも盲腸の意地がある。
さて三月三日に大久保秘書を逮捕した東京地検特捜部。
拘置期限一杯の3月24日にようやく起訴。
それで釈放か、と思えば特捜部は大久保秘書の拘留を続け、裁判所の保釈決定にも抵抗した。
大久保秘書が釈放されたのは、5月26日になってである。
実に83日に渡る拘留であった。
それですぐ公判が始まるかと思えば、第一回公判が開かれたのは12月18日である。
第二回公判が2010年1月13日である。
以後公判はストップしている。
このままでは大久保秘書の無罪が決まってしまうと検察側が恐れたのだろう。
万が一大久保秘書の無罪判決が下りたりすれば、あれだけの大捜査陣を敷いて、野党党首を陥れようとした特捜部への批判は避けられない。
特捜解体まで進むかも知れない。
まして小沢の息の根はまだ止められていない。
追いつめられた特捜部がでっちあげたのがいわゆる陸山会事件である。
第二回公判の3日後、2010年1月16日明け方、特捜部は再び大久保隆規氏を逮捕するという、暴挙に出たのである。
前日には、小沢氏元秘書池田氏と石川知裕議員を逮捕していた。
容疑は、民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」が平成16年に購入した土地をめぐる政治資金規正法違反。
西松建設事件であれだけ徹底的な捜査をした特捜部が、この取引を見逃していたはずはあるまい。
とても事件には出来ない、と捨てていた一件であろう。
それをこの期に及んで持ち出してきたのは、追いつめられた検察の焦りの現れであろう。
検察の目的は、公判引き延ばしである。
大久保氏の公判では検察不利の証言が続いていた。
「西松建設側の政治団体には実態があった」
「献金をしても見返りがなかったので政治団体を解散させた」等々。
勿論小沢事務所側に不法行為の認識がなかったのは明瞭である。
これだけ用心深い小沢事務所である。
もし献金主体の実態に疑問があると認識していれば、政党支部でそれを受けていたはずである。
それならば違法でも何でもない。
それを資金管理団体で受けていたのが違法とされたものであるが、検察に無理があるのは明らかである。
陸山会事件は検察も元々無理筋なのは分かっていたのであろう。
今回は拘置期限一杯の2月5日、逮捕した元秘書たちを釈放した。
そして持ち出してきたのが大久保秘書の訴因変更である。
東京地検は2月4日に東京地裁に両年分の訴因変更(07年分のみ追起訴)を請求した。訴因変更請求があった場合、裁判所はすぐに許可するケースが多い。
渋っていた裁判所もついに8月4日になって、訴因変更を認めた。
同時に公判前整理手続きというものに9月24日に入ることも決定した。
1月13日の第二回公判以後、西松献金事件の公判は開かれていない。
訴因変更請求で裁判はますます先延ばしになる。
特捜部にとっては好都合である。
まるで訴因変更請求を出すために三人を逮捕したようなものである。
裁判が進んで困るのは検察なのである。
改めて問う!
ほぼ3年にわたる東京地検特捜部の大々的で執拗な捜査を受けて、違法行為、犯罪行為が出てこないという政治家がほかにいるだろうか?
西松建設献金事件、陸山会事件の検察の論理はすでに破綻している。
(今改めて取り上げることはしないが、多くの人が綿密な検証を発表している)
小沢一郎ほどクリーンな政治家はいないのだ。
図らずも東京地検特捜部がそれを証明しているのである。
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