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2010/09/06(月) 21:56:21
[小沢一郎インタビュー] 小沢一郎 独占インタビュー【第一弾】
「菅にはできない。自分ならこうやる」
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酷暑の中、ヒートアップする民主党の代表選。ここにきて驚くのは、小沢待望論の広がりだ。当初は小沢に冷たかった世論が劇的に変わりつつある。小沢が街頭演説に立つと、小沢コールが巻き起こるのだ。まさに小沢総理誕生前夜のムードだが、だとすると、小沢は日本をどう変えてくれるのか。本紙独占インタビューの第一弾――。
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あの予算編成では自民党と同じだ
東京、大阪の立会演説会での小沢コールは、すさまじかった。これには小沢も手応えを感じたのではないか。
「えらく熱心に応援してもらったね。ちょっと菅さんに申し訳なかったくらい。テレビが良かったって言われてますね。この3、4日のテレビ出演が影響あったんじゃないかなと思います」
もっとも、世論の変化もうなずける。これまで大メディアは小沢=悪人というレッテルを張り、執拗に政治とカネの問題を書きたててきた。しかし、小沢が直接、国民に語りかければ、改革にかける情熱、覚悟がつぶさに伝わってくるのである。小沢にはこんなふうに聞いてみた。菅首相にできなくて、あなたにできることは何なのかと―。
「何をするにしても政治主導。政治家が自分の責任で決定し、実行し、結果責任を持つ。簡単な話なんですけど、それができていないんです」
小沢が例に挙げるのが、菅政権における概算要求、各省一律10%カットという手法だ。
「役人は、この予算は全部要らないとか、これを倍にするとか、それをやれって言っても無理なんですよ。そうすると各省、デコボコができるでしょう。日本の役所の特徴は、各省のシェアがほとんど変わっていないことなんです・常に一律。だから、今度の予算編成も一律10%になった」
これぞ、官僚主導の典型だというのである。
「一律っていうのは、いいも悪いもみなカットするって話でしょう。それじゃあ、我々の言ってきた政治主導と違うじゃないか。自民党政治の中でやってきたことと同じ手法じゃないの。菅さんが一生懸命やってきたことは分かるけれども、結果は自民党の手法で予算編成をやっている。これじゃ駄目だ、と言っているんです」
それがなぜ、小沢だとできるのか。
「役人だって優秀な人は今まで同じ手法では持たないと分かっている。右肩上がりの時代ではないのです。役人が新しいものを出そうとしたら政治家が結果責任をとる。それをやらずに失敗したら役人に尻拭いさせるから、彼らも『バカバカしい』となるのです」
総理になったら交付金をすぐ実行
政治家が覚悟を決めれば、役人もついてくるし、そうすれば、予算の組み替えだってできるのである。小沢はまず、第一歩として、地方への補助金を廃止し、一括交付金にすることを訴える。
「中央集権体制から地方主権、地方分権。そのための最大の第一歩が補助金の廃止なんですね。中央の官僚の力の源泉は金と法律上の権限です。これを取っ払えばいい。そうすれば、地方は自由な金を持つことになります。どうやって使おうかと考える。官僚支配を打破すると同時に地方振興、地域振興に役立つし、無駄も減る。日本記者クラブの討論会で、『それじゃあ、トータルでのお金は減るんですね』と聞かれましたが、そうじゃない。名目上のお金は減るかもしれないが、中央でやっている限り、流通だろうが建設だろうが、全部、東京本社の大手が持っていってしまう。地方に任せればコストダウンになるうえに地方の企業にお金が落ちる。地域のためになるし、官僚の権力の源泉を断つことができるし、中小企業を助けることにもなるのです」
小沢は代表選を制すれば、内閣総理大臣に指名される。すぐに来年の予算から見直すのか。
「次の予算から役人支配の象徴である補助金の交付金化をやります。農水省だって公共事業関係の補助金は6000億円以上あるし、文部科学省だって、そりゃ、いっぺんに全部はできないけれども、例えば2割ずつ地方に回しますよ、とか。僕はそれを絶対に実現しようと思っている。彼ら(役人)だってバカじゃないですからね。本当に優秀な役人に筋道立てて話をすれば分かる。『こいつはちゃんと責任をとってくれるな』と思ったら彼らはついてくるのです」
確かに小沢のいう改革を断行すれば、一石三鳥だ。
しかし、メディアはそれにケチばかりつける。大メディアこそが改革つぶしの張本人ではないか。そんな印象すら受けてしまう。
「彼ら(メディア)は、変えることなんて絶対に不可能だという前提に立っているんですよ。それは、ある意味において官僚との癒着もあるんですね。そればっかりだとは言わないけれど。大きなメディアは既得権の維持が優先する。電波も免許更新制ですから。欧米では競争入札しているところもありますよ」
だから大メディアは執拗に小沢を叩くのか。
「あの野郎、もしかしたら自分たちの利権を侵害するかもしれないという恐怖感があるんじゃないですかね」
殺されてもしょうがないという覚悟でやる
民主党の大臣、政治家もひどいものだ。
「ひとつはね、分からないってことね。経験がない。役人のことも分かっていない。役人は今までと同じようなことしか言わないですよ。そうすると、『なるほど』となっちゃう。責めるのはかわいそうだな、と思うところもあります。だけど、やっぱり、グループのリーダーとか大臣とか総理は、『自分は経験がないから分からない』では、済まされない。もっと勉強せいと。勉強っていうのは細かい勉強じゃないですよ。役人と同じ議論するから駄目なのですよ。この国をどうするのか、中央集権の役人支配をやめさせるにはどうしたらいいのか。そのためには、『オレが責任持って、これをやる』という勉強をしないと駄目なんです」
そして、小沢には、それをやり切る覚悟があると言うのである。
「中央集権の根本のところから直すという作業は、よっぽどじゃないとできません。失敗したら、殺されてもしょうがない。極端に言えば、それくらいの話です。しかし、それをやらなきゃ、日本の次の時代の夜明けは来ない」
だから、立候補を決めたと言う。この国の閉塞状況は限界だ。それを打破するには、剛腕・小沢の決死の“覚悟”にかけてみるしかないのである。
(つづく)
(日刊ゲンダイ 2010/09/06 掲載)
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これぞ小沢さんの”凄さ”です。感動すら覚えます。
菅さんでは「希望」が感じられません。
明日のつづきが楽しみです。
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