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【環球異見】
菅直人首相と小沢一郎前幹事長の一騎打ちとなった14日の民主党代表選は、日本の首相を事実上決める選挙となることから各国のメディアも強い関心を持って取り上げている。しかし、歴史的な政権交代からわずか1年後の政争劇には各紙とも「政治が不安定な国」と冷ややかで、党内分裂の恐れなど代表選の後遺症まで予測している。
■「“竜虎の対決”は猿芝居」第一財経日報(中国)
8月末に北京で開かれた日中ハイレベル経済対話について、北京の外交筋が嘆いていた。
同対話は今回で3回目となるが、日本側の出席者の顔ぶれは毎回違っている。首相の交代に伴って閣僚も一新されるため、“新人”の勉強の場になってしまっているというのだ。
「誰が日本の新首相になるのか?」。民主党代表選に小沢一郎前幹事長が出馬したことを受けて、考察記事を掲載した1日付の第一財経日報の論調も冷ややかだった。
同紙は、民主党政権が発足した当時の小沢氏、菅直人首相、鳩山由紀夫前首相を、結束の固い“鉄三角”と表現。その関係がいかに崩壊していったかを説明している。
小沢氏、鳩山氏の政治資金問題で低下した民主党の支持率を上げるため、菅首相は小沢氏を切り捨てたが、7月中旬の参院選では菅首相の消費税発言が原因で大敗した。
同紙は小沢氏を田中角栄元首相の「自慢の弟子」と紹介。「選挙戦術に精通しており、参院選のために全国津々浦々を巡り、1年近い準備をしてきた。菅首相のせいでこれまでの努力が無駄になるとは思いもしなかった」と、その心中を忖度(そんたく)する。
日本の世論調査では70%が菅首相を支持。小沢氏でもいいという国民は20%に満たない。「このような逆風下でも、小沢氏は平然としている。代表選の主要な投票者は選挙民ではなく、国会議員なのだ」と、選挙結果に民意が反映されない場合があることもお見通しだ。
記事は「多くの日本人が“竜虎(両雄)の戦い”を猿芝居のように扱っている。首相がコロコロ代わり、誰がなっても同じだからだ」と痛烈な皮肉で締めくくられている。(北京 川越一)
■「後遺症は避けられない」朝鮮日報(韓国)
1日付の韓国紙、朝鮮日報は、民主党代表選が鳩山由紀夫前首相による仲介が不調に終わったことで、「正面対決モードになった」と報じ、「民主党は誰が勝っても、代表選後の後遺症は避けられない見通しだ。これは国民の世論と党内勢力図が一致していないからだ」と指摘した。
これを示すものとして、党内では小沢氏の勢力が強いものの、各種の世論調査の結果から、国民の70%程度が菅首相を支持している一方、小沢氏への支持率は10%台にとどまっていることに言及した。
選挙後の民主党については「もし『反小沢』勢力をバックに菅首相が勝利すれば、小沢氏本人や小沢グループは致命傷を負うことになる。小沢グループが離党する可能性、さらに与野党をまたいだ政界再編へとつながる可能性もある」と予測。
一方、小沢氏が勝利した場合、「民主党政権に大きな問題が生じる。国民に支持されない内閣が誕生することを意味するからだ。内閣支持率は1けたまで低下し、これにより早期に総選挙に追い込まれる可能性が高い」との見方を示した。
同紙は8月27日付の記事でも「小沢首相が誕生する場合、民心が離れることが火を見るより明らかな状況であることが、菅(首相)には最大の友軍だ」と指摘している。
1日付の記事は「結果がどうであれ、民主党政権は昨年9月に発足してから1年にして、決定的岐路に立っている」と論評。代表選を「『小沢党』となるか『反小沢党』となるのかが明確となるきっかけになる」と位置づける一方、「『政治が不安定な国』という日本のイメージがさらに定着する可能性は大きい」と批判的な視線を向けている。(ソウル 水沼啓子)
■「陰の実力者が驚愕の出馬」ウォールストリート・ジャーナル(米国)
米紙ウォールストリート・ジャーナルはまず8月26日付記事で、小沢氏が民主党代表選への出馬を表明したことを「日本の与党が頂上対決へ」との見出しとともに、小沢氏の記者会見の写真を大きく載せ、複雑な党内事情などを報じた。
東京発の記事は「スキャンダルまみれの陰の実力者が驚愕(きょうがく)の出馬宣言を行った」との書き出しで、小沢氏の出馬表明を否定的なニュアンスで伝えている。
代表選については、両陣営とも、当選1期目の新人議員150人の争奪戦に力を入れているとし、小沢氏を支持する民主党国会議員の多くは、自らの当選が小沢氏のおかげだと恩義を感じているからだと説明した。
さらに、民主党議員の多くが7月の参院選での惨敗は、消費税に関する発言が原因だと菅直人首相を批判しているとする一方、小沢氏についても再び表舞台に現れることに反対する意見もあり、とくに代表選で選挙権を持つ民主党員からの人気がまったくないと断じている。
同紙はまた1日の電子版に米シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート(AEI)のマイケル・オースリン日本部長の論評を掲載。「小沢一郎氏の最後の抵抗」と題された記事は代表選で党が二分され、民主党がダメージを受ける可能性に言及した。
経済再生など両氏の政策に関しては「いずれも日本が抱えている問題に対する答えを持っていないようだ」と指摘し、それゆえ代表選では政策論議が活発にならず、「小沢氏が日本の指導者になりたいという個人的な願望だけに関心が集まっているようにみえる」と分析した。さらにこの議論の遅れが日本の政治の一段の混迷を招く恐れがあるとの危惧(きぐ)も示した。(ワシントン 佐々木類)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100906-00000506-san-pol
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