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2010年9月2日 掲載
菅なら円高不況底なし、小沢なら回復
菅首相が誕生した6月8日、日経平均は9537円で引けた。それから3カ月近く。株価は8927円(1日終値)まで600円近く下げている。その間、為替は1ドル=91円から83円まで急伸した。
日本の主要輸出企業の為替想定レートは85〜90円である。1円の円高で巨額の利益が吹き飛ぶことを考えれば、株式市場の低迷も当然だ。
こんな惨状に見て見ぬふりを続けたのが菅である。円が急伸し株価が低迷しても無策を貫き、市場関係者をうんざりさせた。このまま無能首相が続投なら、円高不況は底なしだ。
みずほ証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏が言う。
「今回の円高、株安への対応を見ていると、菅首相は、肝要な部分が分かっていないようです。例えば、円高に対して“動きが急すぎる”と感想を述べたそうですが、急なのは数字の変化です。何かが動いているわけではありません。こんなレベルですから、経済や為替への対応は、すべからく“泥縄”。重大な問題が発生しても何もせず、周囲にせっつかれ、どうにもならなくなってから縄を綯(な)っている。これでは円高、株安の流れは変えられません。一日も早く辞めてもらいたいですね」
円高を止めるには、為替介入や金融緩和が欠かせない。いずれも重要なのはタイミング。各国政府や投機マネーの動きを眺めながら、「今しかない」というときに、市場全体が円売りに振れる環境をつくるのだ。そんな芸当が、泥縄で精いっぱいの菅や野田財務相にできるわけがない。
経済ジャーナリストの倉多慎之助氏が言う。
「きのうの日経平均は、午前10時前後に潮目が変わった。小沢氏が代表選に勝ち、大型減税に踏み切るという観測がパッと広がったのです。市場は菅首相には期待していません。鳩山前首相の高値は1万1408円(4月5日)でしたが、小沢首相なら1万1500円を超え、1万2000円回復もありそうです」
菅なら底なし、小沢なら回復。それが市場の評価である。
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