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「雇用」がスローガンで終わる限界
民主党代表選で驚かされたのが、菅首相の闘争心である。小沢との一対一の対決が確実になった途端、それまでのチンタラがうそのように、日銀の白川総裁と会談したり、経済対策の基本方針を打ち出したりと、精力的に動き出した。さすがに市民運動家出身。闘いの場面になると目の色が変わるようである。
候補者2人による共同記者会見でも、「お金がまつわるような古い政治から脱却しなければならない」と、政治とカネの問題を抱える相手を批判。「予算委員会で長い間小沢さんが座っている姿は想像できない」と、欠席が多い小沢氏を皮肉った。マスコミの前では、挙党一致とか何とか言っているようだが、国民の目の前で展開されているのは、まぎれもない権力闘争である。小沢氏を排除するための戦いだ。
しかし、いまの民主党政権に、ドタバタの闘争劇を演じていられるヒマなどあるのか。民主党は政権交代当時の高い支持率は失っている。そのうえ、菅首相が権力に固執するあまり、仲間を口汚くののしる醜態をさらせば、国民は失望し、政権は崩壊する。日本の社会や経済は、それを許せるような状況ではないのだ。
小沢氏の言動を見ていると、人間的には好きになれそうにない。しかし、自らの力をフルに使って物事を前進させる才能は稀有(けう)に思える。彼のような政治家に活躍の場を与えることは、菅首相が掲げる挙党一致に欠かせないはずだ。民主党は、いま、難問が山積みした日本の課題に対処しなければならないのである。すべての力を結集して、命懸けで取り組む必要があるはずだ。この難局は、だれかを排除してやれるほど甘いものではないだろう。
とりわけ菅首相は、政策責任者として力不足である。何をどう変えようとしているのか示せないため、言葉を弄して周囲をけむに巻こうとしているフシがある。どうも信頼に欠けるのだ。例えば、代表選では、「雇用重視」を主張し始めているが、どうやって雇用を確保するのかが見えてこない。雇用を改善するには、景気を上向かせなければならない。企業活動を活性化させる策も必要だ。そういう視点を欠いたままで雇用問題を語るから「雇用」がスローガンにしか聞こえないのである。
市民運動家的野党の時代なら、それでよかっただろう。だが、一国の総理がスローガンを唱えて終わりではダメだ。どんな人材でも使えるものは使えばいいのである。久しぶりの闘いに血が騒いでいるのかも知れないが、菅首相が闘うべき相手は小沢氏ではない。古い体制を守ろうとする勢力だ。そこをはき違えられては困るのだ。
【日本経済 一歩先の真相 高橋乗宣】より(日刊ゲンダイ 2010/09/03 )
「菅さんは1年生議員のときから、“オレは首相を目指す”と公言してきた。でも、どこまで準備や勉強をしてきたのか。結局、首相になることだけが目的の人だったことが分かってしまった。まったく逆なのが小沢さんです。国家ビジョンにしろ政策にしろ、若い頃からだれよりも勉強してきた。政権構想はずっと膨らませてきた。総理になることは手段であり、最終目標は総理になって何をやるかだと考えてきたのが小沢さんです」(評論家・塩田潮氏)
2日の菅、小沢の公開討論会でも、そういう2人の貫禄の差は歴然だった。テレビ中継を見ていた永田町のベテラン議員や古手秘書の間からも「モノが違うね」の声が漏れた。
(中略)
朝日新聞の声欄に「クリーンな無能より灰色の有能を」という68歳年金生活者の投書が載っていた。朝日幹部より、読者の方が見るべきところを見ている。この未曾有の国難に立ち向かうには、とにかく強力な力を持つ政治家が必要なのだ。「毒はあるが、力のある小沢一郎」と「毒はないが、何もできない菅直人」のどちらがいいかは、選挙をするまでもないことだ。(日刊ゲンダイ 2010/09/03)
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