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法政大学大原研究所・所長・五十嵐仁氏のブログより
%%%%%引用開始
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/archive/201009-1
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9月3日(金) 政権交代による政治変革を前に進めるのか後戻りさせるのかが代表選での最大の争点 [民主党]
民主党代表選での公開討論会が行われました。菅首相と小沢前幹事長の舌戦が火花を散らしたというわけです。
この両者の争いについて、ドッチもドッチで国民不在の不毛な争いだと言う人がいます。誠に無責任な論評だと言わざるを得ないでしょう。
民主党の代表選ですから、党員やサポーターではない一般の人は選挙権を持っていません。その意味では「国民不在」という言い方ができるかもしれませんが、投票できる民主党員も「国民」ですから、完全に「不在」だというわけではありません。
それに、国民のなかでの意見や雰囲気は民主党員の投票にも微妙に影響するでしょうし、当事者が「ドッチに投票したらよいのか」と悩んでいるときに、ドッチもドッチだといわれても困るでしょう。これでは、選びようがありませんから……。
実際には、ドッチもドッチというわけではなく、明確な違いがあります。その結果は日本の進路と国民生活に大きく影響しますから、「不毛」というわけでもありません。
菅さんと小沢さんのどちらが選ばれるかは、極めて重要な問題です。しかも、民主党の代表になれば、即、総理大臣になるわけですから、どちらでも変わらないなどというわけにはいかないでしょう。
日本の進路を託すに足りる人、せっかくの政権交代を未来につなげることができる人は、菅さんと小沢さんのどちらなのか。この問いに、国民の誰もが答えなければならないのではないでしょうか。
マスコミなどでは、「首相の資質」や「首相像」を問題にしているところもあります。しかし、それはあくまでも副次的なものであって、最大の問題は政策です。
この国をどう変えようとしているのか、どのような方向に引っ張っていこうとしているのか、現在の日本が直面している最大の課題である貧困と格差の拡大という問題をどのようにして解決しようとしているのか。この点こそ、今回の代表選で最も問われなければならない問題です。
マスコミは、今頃になって政策的な違いが明確になってきたといっていますが、「何を今更」と言うべきでしょう。最初から政策的な違いは明瞭であり、菅さんが自民党時代の官僚主導型の政策と政治運営に戻ってしまい、政権交代の成果を無にしてしまいそうになったから、危機感を抱いた小沢さんが立候補を決意するに至ったのです。
昨日の公開討論会で、小沢さんは2011年度の予算編成について「旧態依然のやり方」で「自民党と同じやり方だ」と批判しました。この点に、菅さんの政権運営に対する小沢さんの危惧と批判が集約されていると言って良いでしょう。
「旧態依然」の「自民党と同じやり方」では、何のための政権交代だったのか、ということになります。政権交代によって切り拓かれた政治変革を、前に進めるのか、後戻りさせてしまうのかが、この代表選での最大の争点なのです。
この点を理解していないマスコミ、たとえば今日の『朝日新聞』などは、次のような「政治観の違い」を示して、小沢さんへのネガティブ・キャンペーンを展開しています。
クリーンでオープンな民主党を、と唱える菅氏は「全員参加」型の意思決定を唱える。
これに対し小沢氏は、明らかに権力集中型。トップダウン型である。
……
この20年あまりの日本政治に大きな位置を占めてきた「小沢氏的なるもの」の是非が、代表選を通じ最終的に問われることになる。(社説「民主公開討論 政治観の違いが見えた」『朝日新聞』9月3日付)
昨日の『日経新聞』は、もっと露骨に、次のように菅さんへの支持を呼びかけています。
今回の代表選は浮動票も多いとみられ、若手議員や党員・サポーターらの判断が重要になる。日本の進路を決める選択が有権者の意識と大きく食い違えば、党の存在意義が問われる。(「民主党が問われている」『日本経済新聞』9月2日付)
「有権者の意識」と大きく食い違わないように、世論調査での支持が多い菅首相に投票しなければ、「党の存在が問われる」ことになると、民主党の「若手議員や党員・サポーターら」を恫喝しているのが、この記事です。
もし、今後、支持状況が大きく変化し、小沢支持が多いという「有権者の意識」が明らかになったら、この記事を書いた坂本英二編集委員はどうするのでしょうか。その場合でも、「日本の進路を決める選択が有権者の意識と大きく食い違えば、党の存在意義が問われる」と書くのでしょうか。
新聞各紙での世論調査とは異なって、ネットなどでの調査では、既に今の段階でも、菅さんよりも小沢さんを支持する意見が多くなっています。「若手議員や党員・サポーターらの判断」は、この「有権者の意識と大きく食い違」わないように投票すべきだということになるのでしょうか。
これほど露骨に一方に偏った報道をすることが、今まであったでしょうか。消費税率のアップをめざして菅首相の続投を願うマスコミの願望こそ、日本の報道と政治を歪める元凶なのではないでしょうか。
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%%%%%引用終わり
投稿者のコメント:
五十嵐氏は良心的社会学者として、幅広い信頼が市民の間にあるようだ。しかし、田中角栄嫌いは徹底しており、その流れを汲む小沢氏に対しても好感を抱いてこなかったようである。
徳本栄一郎、「葬られたロッキード事件「アメリカ陰謀説」」、『月刊 現代』、2005年7月号(pp.116-126)
上記の本の出版時には、わが意を得たとばかりに絶賛しておられ, 角栄失脚が米国の陰謀では絶対無いと言い切っておられた。当然、立花隆氏の言にも賛意を表することが多かったと、記憶する。
そんな先入観があったせいで、ここでの五十嵐教授の議論を見ていささかの感慨がある。
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