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民主党代表選に立候補した現職の菅首相と挑戦者の小沢前幹事長。9月1日の共同記者会見に続いて、2日は日本記者クラブ主催の共同記者会見が実施された。筆者は、1日の記者会見は最後の方しかテレビ放送を視聴できなかったが、2日の方は全部を視聴した。第一印象は、「格の違い」「器の違い」である。それは、テレビ局が切り刻んで編集したニュース画面からは、決して感じることは出来ないものである。
オリジナル民主党議員に共通する特徴として、デイベイトに勝つには手段を選ばぬ傾向がある。相手の弱みを突くだけではなく、傷痕に塩をすり込み、傷口に手を突っ込むのも厭わないのである。菅氏の発言の全てがそうだと言わないが、そういう箇所が何ヶ所かあった。一方、小澤氏は、淡々と自らの政治理念を述べ、「国民と約束を守る」政治を実行すると述べ、決して他人を誹謗中傷することは語らなかった。
1日の記者会見で、二人の人間性と云うか「器」の差が出たのが締めくくりの発言。
菅氏は小澤氏に向かって、「どう言う総理大臣になるつもりなのか、お示し頂いて国民の皆さんが判断できる様にして頂きたい」とか、「予算委員会に小沢さんが長い時間(総理として)座っていることは想像できない」と、自らが総理大臣であることを誇示し、相手を見下した質問をして終わった。
デイベイトで相手を侮辱し挑発するのは一つの術としてあるのだろう。だが、一国の宰相の座を競う場での発言ではない、と思ったのは筆者だけだろうか。中学生の生徒会長選挙で、「俺は生徒会長だ。お前が生徒会長になるなんて想像もできん」と言っているようなものである。記者会見とは言っても、デイベイトの場である。だから相手を挑発してもいい。だが、記者会見の最後の発言である。相手を揶揄・挑発するのではなく、二人の政治理念・政策の違いを質して終わって欲しかった。
これに対して、小沢氏の締めくくりの発言は、デイベイトに勝つことを目的に、相手を言葉で貶めるようなものではなかった。民主党の代表選は総理を選ぶことである。だから、党員も国民の皆さんも確りと判断して欲しい。このような趣旨の発言をした後に、「予算委員会での総理の姿が想像できない」との挑発に対し、20年以上前に既に閣僚で予算委員会を経験したと述べ、やんわりと聞き流して済ませた。
そして、最後に「私は、政治の役割は国民の命と暮らしを守ることだと、そう云う理念・哲学の中で『国民の生活が第一』と言うスローガンを掲げ、国民の皆さんの支持を得て今日政権を担っておる訳であります。私はこの理念を基本的に忘れずに常に念頭に置いて我々が約束した政策を着実に実行していきたいと思いますし、また外政・外交にあっては、本当に国際社会の中で立派な日本国と認識して頂けるような国に、また外交を繰り広げたい、そのように考えています」と述べて終わった。
個々の政策については次回に述べることとして、政権運営について、菅氏と小沢氏の政治家としての「格」の違いについて触れておく。衆参ねじれに対策として、菅氏は個々の政策で野党と「政策協議」すると言っている。菅・仙谷・枝野体制では、野党と連立を組めないことを、「天の配剤」だと言い訳している。確かに過去に野党との「政策協議」で成立した重要法案はあったが、それらは野党案の丸呑みであった。
これでは小沢氏が指摘するように、民主党が目指す、独自の政策の遂行は不可能だ。それより前に、定例国会終了前に参院で出された「菅首相問責決議」が、再度参院で出されれば、菅内閣がそこで立ち往生するのは、誰が見ても分かることだ。これに対して、小沢氏は連立の組み替えを示唆した。
その相手は枝野氏などが秋波を送る「みんなの党」ではないと思う。仮に、みんなの党と連立を組めば、国民新党は離れる。それは、衆参ねじれ現象が解消しない上に、衆院での三分の二の議決が不可能になることを意味する。小沢首相が実現すれば、社民党の連立復帰や、公明党とのパイプも生きる。政権基盤の安定が期待できる。この政局の「イロハ」が分からない議員はいないだろう。それでも「菅」なのだろうか。
追記:衆参ねじれ現象を解消するのに、最低でも6年かかる。ことによると12年かかるかもしれない。こういう事態を招いたことの重要性を菅氏は全く理解していないし、反省もしていない。そして責任も感じていない。どうしてなのだろうか。
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