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写真 ゲンダイ的考察日記より
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日刊ゲンダイ 2010/08/31 掲載
2010/09/01(水) 01:30:57
[政治(菅政権)] 代表選回避、菅続投で本当にいいのか
菅では不況脱出は到底不可能
民主党は代表選をやるのかやらないのか。なんだか、怪しい雲行きになってきた。全面対決だと現職首相が負ける恐れがある。泡を食った菅首相が鳩山前首相と会談、「挙党態勢に異存はない」などと言い出したからだ。人事で小沢グループを処遇し、自分は生き残る。そんな算段なのだろうが、それはダメだ。そもそも、なぜ、代表選になったのか。菅が小沢を排除したからではないぞ。菅が想像以上に無能だったからだ。それで、小沢が手を挙げた。なのに、代表選は中止、菅は続投……なんて冗談じゃない。
評論家の佐高信氏が今度の代表選について、うまいことを言っていた。
「毒はあるが力のある政治家と、毒はないが何もできない政治家の戦いだ」
今度の戦いは、煎じ詰めていけば、こういうことなのである。日本が直面している国難の大きさを考えれば、どちらが日本の首相のふさわしいのか。一目瞭然なのに、民主党の一部はてんで分かっていないし、大マスコミや、それに踊らされる世論もヒドイものだ。いまだに小沢の“毒”を問題視するのだ。例えば、小沢が代表選出馬を決めた途端、経済無策で脳死状態だった菅内閣の支持率がピョコンと跳ね上がった。小沢憎しの反動だ。「首相にふさわしい人は?」の問いにも菅が8割、小沢は2割。理由はというと、「政治とカネで辞任したばかりの小沢が代表選に出るのは納得できない」が81%(読売新聞)もいるのである。
金銭感覚も人間性もセコイ菅直人
政治とカネに関して言えば、国民より百倍も小沢を敵視する検察が、あれだけ調べてシロ判定をしたのに、まだ国民は許さない。
その背景にあるのは、小沢の資産への疑念、邪推の類だろう。検察が「ゼネコンからの裏ガネじゃねえか」と調べた世田谷区の不動産購入費4億円について、小沢はタンス預金だと言った。資産報告書によると、小沢は夫婦で6都県に8件の不動産を有する。産経新聞は、その実勢価格を19億円と見積もった。
庶民感覚では「怪しい」となる。マトモな蓄財ではあり得ない。まして、小沢は角栄直系。岩手のゼネコン王国は有名だ。きっと、ウサン臭いことをやっているに違いない。そんな先入観が支配する。
一方、菅は本人名義の資産が不動産、預貯金などで904万円。信子夫人と合わせても2231万円。その辺のサラリーマンと同じレベルだ。だから「小沢はダーティーで菅はクリーン」ということになるのだろうが、こういう見方がチャンチャラおかしい。庶民と同じような経済感覚で、国を動かせるのか。首相はサラリーマンじゃないのである。
前出の佐高信氏はこう言った。
「日本人にはヘンなクリーンイメージがあるんですよ。質素であればクリーンで立派な政治家であるというような短絡的、表面的発想です。私は菅氏が正月に小沢邸を訪問したシーンを思い出す。その人が小沢切りをやっている。決してクリーンな人には見えません。また、財務相の言いなりで、消費税増税を言い出した。いくら預貯金が少なくたって、こういう政治家はいただけません。毒はあるが信念は曲げない小沢氏のほうがよっぽどマシだと思います」
つくづく、菅はせこい。小沢にすり寄り、しかし、代表になると、あっさり袂を分かち、代表選で追い込まれると、またまた小沢にすり寄った。上司にゴマするサラリーマンさながら。やっぱり、2000万円レベルである。毒すらない俗物、菅を見ていると、本当に情けなくなってくるのである。
歴史を振り返ればキレイ事で政治はできない
誤解を恐れず言えば、実力政治家には負の側面があるものだ。政治とはキレイ事ではないからだ。
話し合いで決着がつかなければ、力の勝負になる。腕力であり、金である。その裏には戦術、駆け引き、謀略がある。ドロドロとした世界だが、理総論で政治は動かない。それは古今東西の歴史が証明していることだ。歴史を動かした政治家は、清濁併せのむのである。
政治評論家の浅川博忠氏はこう言う。
「政治家に求められているのは国の行く末を長期的に見る目です。そのためにはある程度の財力がいる。市民政治家は庶民感覚はあるが、目先の人気を気にするあまり、長期的な国家観が欠落してしまう。両者を併せ持つ政治家、つまり、国家観と倫理観をバランスよく持っている政治家が理想になります」
庶民感覚だけでは町内会のような政治しかできない。2000万円の菅に対し、19億円の小沢は、その財力も含めて、政治家としての実力の一端なのである。
それなのに、民主党は小沢が代表時代の帳簿の洗い出しまでやっている。子供みたいだ。
かと思うと、ある閣僚はひとしきり、小沢の政治手法を批判したあと、何百ページもある資料に目を落とした。こうして、予算の無駄を見つけようとシャカリキになっているのである。
1億円の無駄を見つけて、1億円の景気対策を打つ。これが政治だと思っている。この“金銭感覚”は何なのか。これじゃあ、先が思いやられる。
100兆円のカネを出させるのが仕事
「政治家の仕事とは財源がないと言う財務官僚を向こうに回し、カネを出させることですよ。官僚は『景気対策をするなら、その財源を手当してくれ』と必ず言う。それに応じていたら、予備費の範囲内でしか景気対策は打てません。そうではなくて、不退転の決意で100兆円くらいの景気対策をやる。『ない』と言ったら『出せ』とやる。それが政治です。ところが、野田財務相は財務官僚の言いなりで、埋蔵金はないと言い、菅首相はきのう、まとめた景気対策の基本方針も予備費の残額、9200億円で対応するという。これじゃあ、自民党の政治家以下です。菅首相はもはや首相の資格はない。この首相の下では日本経済は死んでしまう。代表選を回避するのではなく、菅首相が辞任すべきです」(経済アナリスト・菊池英博氏)
政府は新卒者を雇用した企業には奨励金を出す方針固めたが、いかにも付け焼刃だ。こんな対策のオンパレードだから、株はちょっと上がったが、また下がった。
自分の延命しか頭になく、官僚の言いなりでチマチマ政治しかできない菅は、しょせん、宰相の器ではない。
代表選回避で、この国が良くなるとは思えない。国の危機的状況を考えた時、小沢待望論は高まるばかりだ。
(日刊ゲンダイ 2010/08/31 掲載)
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◆民主代表選:菅・小沢氏、全面対決へ 会談決裂
民主党代表選は1日告示される。全面対決回避に向け、菅直人首相と小沢一郎前幹事長が31日、党本部で会談したが決裂。挙党態勢構築を条件に小沢氏不出馬で進めた党内調整は不調に終わり、両氏の一騎打ちの構図となる。両氏は会談後、立候補を正式表明。14日の投開票に向け党を二分する激しい選挙戦に突入する。党内最大勢力を率いる小沢氏が国会議員票で優位に立っており、菅首相は世論の支持を背景に党員・サポーター票の獲得で巻き返しを狙う。選挙結果によっては党分裂含みの展開も予想される。
(⇒2010/08/31 毎日新聞)http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100901k0000m010013000c.html
「首相にふさわしい人は?」の問いにも菅が8割、小沢は2割――これが民意だと騒ぐ大マスコミですが、小泉首相の支持率も高かった―小泉政治は正しかったのか、民意はいつも正しいのか。
長く続いた自民党政権のおかげで膨大な借金を抱えてしまった日本。これまでの官僚任せのやり方では変えられるはずがない。
※来るべきドル世界大恐慌を乗り越えられる総理大臣は小沢以外にいない!(小野寺光一氏)
とにかく、小沢さんを日本の総理大臣をやらせてみましょう(^^♪
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