http://www.asyura2.com/10/senkyo93/msg/288.html
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朝日の社説が「あいた口がふさがらない」ほど感情的でひどくて唖然としてたら、各紙も一斉に似たりよったりでワロタw。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2010/08/post-4cfe.html
どの新聞社も、真の世論調査、すなわち国政選挙で、主権者・国民が断乎として表明した票数の意味を分かっていないようだ。東京新聞、沖縄タイムズ、琉球新報など地方紙がまだWebに出ていないので、出たら後で追加します。
それにしても、この朝日の感情的な社説にはあいた口がふさがらないw。
小沢氏出馬へ―あいた口がふさがらない【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
どうしてここまで民意とかけはなれたことができるのか。多くの国民が、あぜんとしているに違いない。
民主党の小沢一郎前幹事長が、党代表選に立候補する意向を表明した。
政治とカネの問題で「責任を痛感した」と、幹事長を辞して3カ月もたっていない。この間、小沢氏は問題にけじめをつけたのか。答えは否である。
いまだ国会で説明もせず、検察審査会で起訴相当の議決を受け、2度目の議決を待つ立場にある。
鳩山由紀夫前首相にも、あきれる。小沢氏率いる自由党との合併の経緯から、この代表選で小沢氏を支持することが「大義だ」と語った。「互いに責めを果たす」とダブル辞任したことを、もう忘れたのか。
二人のこのありさまは非常識を通り越して、こっけいですらある。
民主党代表はすなわち首相である。党内の多数派工作に成功し、「小沢政権」が誕生しても、世論の支持のない政権運営は困難を極めるだろう。
党内でさえ視線は厳しい。憲法の規定で、国務大臣は在任中、首相が同意しない限り訴追されない。このため「起訴逃れ」を狙った立候補ではないかという批判が出るほどだ。政治とカネの問題をあいまいにしたままでは、国会運営も行き詰まるに違いない。
より重大な問題も指摘しなければならない。
自民党は小泉政権後、総選挙を経ずに1年交代で首相を3人も取りかえた。それを厳しく批判して政権交代に結びつけたのは、民主党である。
今回、もし小沢首相が誕生すれば、わずか約1年で3人目の首相となる。「政権たらい回し」批判はいよいよ民主党に跳ね返ってくるだろう。より悪質なのはどちらか。有権者にどう申し開きをするのか。
それとも小沢氏は代表選に勝っても負けても、党分裂といった荒業もいとわずに大がかりな政界再編を仕掛けようとしているのだろうか。
金権腐敗政治と決別し、2大政党による政権交代のある政治、有権者が直接政権を選ぶ政治を実現する――。そんな政治改革の動きの中心に、小沢、鳩山両氏はいた。20年余の歳月を費やし、ようやく目標を達成したと思ったら、同じ二人がそれを台無しにしかねないことをしようとしている。
ほぼ1年前、新しい政治が始まることを期待して有権者は一票を投じた。その思いを踏みにじるにもほどがあるのではないか。しょせん民主党も同じ穴のむじな、古い政治の体現者だったか――。政党政治自体への冷笑がさらに深まっては取り返しがつかない。
代表選をそんな場にしてはならない。有権者は政権交代に何を託したのか、根本から論じ直し、古い政治を乗り越える機会にしなければならない。
社説:民主党代表選 大義欠く小沢氏の出馬【毎日、社説】
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100827k0000m070120000c.html
党分裂の可能性もはらむ、重大な岐路である。9月の民主党代表選は動向が焦点となっていた小沢一郎前幹事長が出馬を表明、続投を目指す菅直人首相との全面対決が確実な情勢になった。
最大グループを率いる小沢氏の出馬で党は二分されそうだが「政治とカネ」の問題を抱えたまま、首相の「脱小沢」路線に反発しての出馬は大義を欠くと言わざるを得ない。政権交代を実現したさきの衆院選からわずか1年、むき出しの闘争が党を分裂状態に追い込み、経済が混迷を深める中で政治の混乱に一層、拍車をかける懸念は深刻である。
◇党分裂の危機はらむ
つい2カ月半前のあの光景はいったい何だったのだろう。小沢氏と鳩山由紀夫前首相は「政治とカネ」の問題をめぐる政権混乱の責任を取り、「クリーンな政治」の実現に向け、互いに手を取り合って政権の表舞台から去ったはずではないか。
ところがその2人が会談し、小沢氏は「不肖の身であるが出馬の決意をした」と鳩山氏の支援を出馬の理由として語り、鳩山氏は「小沢氏は(政治とカネの)問題を背負いながらも国のため命をかけたいと決断をした」と持ち上げた。多くの国民の目に異様に映ったに違いない。
党首選びを機に実力者が名乗りを上げ、政策論争を通じ競うことは本来、望ましい姿だ。しかし、事実上の首相選びと重なる今代表選に関しては、小沢氏の出馬が抱える問題は大きいと言わざるを得ない。
小沢氏の資金管理団体による土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件は、まだ決着していない。この問題で小沢氏による国会での説明は一度も行われておらず、政治的な説明責任が果たされたとは到底、言えない状況である。
しかも、小沢氏自身を東京第5検察審査会が一度「起訴相当」と議決しており、2度目の議決次第では強制起訴される可能性がある。憲法の規定により閣僚の訴追(起訴)には首相の同意が必要とされ、首相の起訴も自身の同意が必要とみられる。「推定無罪」が原則とはいえ、こうした問題に直面しかねない小沢氏は首相候補として適格性が問われる。各種世論調査で小沢氏が要職に就くことに世論の風当たりがなお強いことは当然である。
小沢氏擁立に至るまでの、かつての自民党に勝るとも劣らない国民不在の調整ぶりも問題だ。鳩山氏や小沢氏を支持するグループは「挙党態勢」の構築を首相らに求めたが、要するに幹事長人事などを通じての「脱小沢」路線の転換要求である。
小沢、鳩山氏は衆院選公約(マニフェスト)修正などをめぐる首相の対応に不満を募らせていたというが、議論する機会はいくらでもあったはずだ。結局、このまま党中枢から排除される危機感から小沢氏が権力闘争に踏み切り、それを鳩山氏が後押ししたのが実態ではないか。
軽井沢で開いたグループの会合に小沢氏を招くなど、出馬に至る過程で大きな役割を果たしたのは鳩山氏だ。首相退陣だけでなく一度は今期限りの議員引退まで表明しながら菅、小沢両氏の仲介役として動き、「脱小沢」見直しが首相に拒まれると小沢氏支援に回った。一連の言動はあまりに節度を欠いている。
◇競うべきは政策だ
選挙戦は党を二分する激しいものとなる。小沢氏自身を対立軸とする戦いが泥沼化した場合、仮に選挙で勝敗を決しても修復できないしこりが残り、党分裂や解体の過程に向かう可能性は否定できない。財政危機が深刻な中で急激な円高、株安で経済が動揺するかつてない厳しい状況に日本は追い込まれている。そんな中で政治の混乱が加速し、限られた貴重な時間が空費されるならば、政治の自殺行為に等しい。
混乱を招いた菅首相の責任は重大である。「脱小沢」路線を堅持したことは理解できるが、そもそも参院選の敗北後、政権を立て直す方向を明確に示さなかったことが小沢氏擁立の動きを加速した側面がある。
今代表選では党員・サポーター票も大きな比重を占める。首相は財政再建、社会保障の再構築に向けたビジョンはもちろん、マニフェストのどの部分を維持し、見直すかの方向性を勇気を持って語る必要がある。財務省主導となってきた政権運営、「脱官僚」路線の見直しにみられる改革マインドの後退についても真剣な再点検を迫られよう。
一方で、小沢氏も出馬するのであれば、自身の「政治とカネ」をめぐる問題について最低限、国民に改めて説明すべきだ。マニフェスト順守など原点回帰を訴えるにしても、どう財源を捻出(ねんしゅつ)するかを具体的に語らねばならない。仮に「小沢首相」が誕生した場合、衆院解散で民意を改めて問うことが筋である。
政権交代の果実よりも混乱が目立つ中、首相、小沢氏、鳩山氏という新鮮味に乏しい3氏が主役を演じた抗争劇に国民の目は冷ややかだろう。政策不在の多数派工作が過熱すれば失望感はいよいよ深まり、党の政権担当能力への疑問も強まろう。民主党のみならず、日本政治が転落の間際にある中での代表選であるという自覚を強く求めたい。
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* 民主代表選:菅首相側は戦闘モード 「脱小沢」路線継続
毎日新聞 2010年8月27日 2時30分
【主張】小沢氏出馬 国の指導者に不適格だ 「政治とカネ」で信頼失った【産経、社説】
2010.8.27 03:17
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100827/stt1008270317008-n1.htm
「とことんクリーンな民主党」を実現すると鳩山由紀夫前首相が、小沢一郎前幹事長とともに身を引いてから2カ月余りで再び小沢氏を担ぎ出す所業には、開いた口がふさがらない。
小沢氏は東京第5検察審査会から「起訴相当」の議決を受け、再度同じ議決が出れば強制起訴される。一連の疑惑を晴らそうとせず、国政の最高指導者を目指す姿には、強い疑問を呈さざるを得ない。25日の講演でモラルの破綻(はたん)に言及したが、信なくば政治は成り立たない。日本の最高指導者として不適格なことは明白である。
■「訴追逃れ」では論外
代表選は小沢氏と菅直人首相の一騎打ちになる情勢だ。首相も参院選で大敗したのに、なぜ続投するのか。説得力ある説明に欠ける。さらに両氏以外の選択肢もなさそうな点に、日本が滅亡の淵(ふち)に立つ窮状が示されている。
小沢氏は野党の再三の証人喚問要求を拒み、説明責任を果たしてこなかった。役職辞任というけじめはつけても議員辞職に相当するとの厳しい批判があるなか、政治的・道義的責任を取り切ったとは言い難い。そのうえ刑事責任の有無を今も審査されている。
小沢氏の出馬について、強制起訴を逃れることが目的ではないか、との指摘が党内外にある。憲法75条が「国務大臣は首相の同意がなければ訴追されない」と定めていることから、首相になることで「政治とカネ」の問題に決着をつけようというものだ。
だが、憲法は「すべて国民は法の下に平等」(14条)ともうたっている。そのような意図を疑われること自体、為政者たる資格はないだろう。
小沢氏サイドから「仮に首相になったとしても東京地検特捜部の再聴取に応じる」との考え方が示されているが、そもそも捜査の対象となる人物を首相に押し立てること自体、理解しがたい。
小沢氏が中央突破の姿勢を貫こうとすることは、法治制度の根幹を揺るがしかねない。小沢氏とすべての民主党議員が、はっきりと認識すべき点だ。
小沢氏は出馬を固めた理由の一つに、首相が挙党態勢作りを拒否したことを挙げた。「小沢氏はしばらく静かにしていた方がいい」と述べた首相が、党人事などを通じて実際に「脱小沢」の姿勢をとったことへの不満である。
小沢氏側の意向を鳩山氏が菅首相に伝えたものの受け入れられず、代表選での対決に踏み切った。このような主導権争いや政治的地位を保つための権力闘争は「私闘」ともいえ、情けない。
昭和60年、衆院議院運営委員長だった小沢氏は政治倫理審査会の「生みの親」だ。同時に政治倫理綱領を「疑惑をもたれた場合にはみずから真摯(しんし)な態度をもって疑惑を解明」すると定めた。平成5年の著書「日本改造計画」では、政治資金規正法の違反者に対して「言い逃れを封じるための連座制の強化」などを挙げ、規正法改正を実現してきた。
その小沢氏が国会で説明もせず、規正法の網を巧みにすり抜けているのでは、国民の政治不信が強まるのは当然だ。
■早急に国民の信問え
密室談合による調整を進めてきた鳩山氏の行動も、あきれ果てる。鳩山氏は母親からの巨額の提供資金の取り扱いをめぐる疑惑を招き、その使途に関する説明をまったく果たしていない。「政治とカネ」で国民の信を失った当事者だ。首相退陣後は政界を引退すると述べたこともあるが、一体どうなったのか。
日本はいま、内政、外交ともに国難ともいえる状況に直面している。経済面では急速な円高・株安への対応で、政府はなすすべもない。さらに、中国の軍事力の強大化が日本周辺で脅威になっているにもかかわらず、米軍普天間飛行場移設問題の解決はいまだめどが立っていない。日米同盟関係の空洞化は、日本の平和と安全を危険にさらしている。
党内の権力闘争に血道を上げている状況ではない。参院選での敗北以降、責任を取らず、けじめもつけようとしない菅首相が、2カ月以上にわたる政治空白を作っている。その政治責任は重い。
小沢、鳩山、菅3氏による政権たらい回しと無責任な対応は許されない。だれが民主党代表となり、首相になっても早急に国民の信を問うことを強く求めたい。
小沢氏出馬表明 日本の針路を競う代表選に(8月27日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100826-OYT1T01194.htm
民主党代表選は、再選をめざす菅首相と小沢一郎前幹事長との、事実上の一騎打ちになることが固まった。
与党第1党の党首選は首相選びに直結する。「脱小沢」か「親小沢」かという権力争奪の多数派工作に堕することなく、あるべき日本の針路を論じ合って雌雄を決してほしい。
◆分裂、政界再編の芽も◆
小沢氏は、9月1日告示、14日投開票の党代表選に出馬する意向を表明した。
党内の幅広い支持を得られることを前提に出馬を検討していた小沢氏は、鳩山前首相の支持をとりつけた上で立候補に踏み切った。だが、支持の大勢が固まっているわけではない。
今回の対決の背景には、小沢氏と、「脱小沢」を掲げる菅首相や仙谷官房長官、枝野幹事長らとの強い軋轢(あつれき)がある。
鳩山氏は、党の亀裂が深まる事態を避けるため、菅首相と小沢氏との仲介に動いた。だが、鳩山氏が小沢氏の要職起用を含む挙党態勢の構築を求めたのに対して、菅首相は難色を示した。
小沢氏は反発し、菅首相の無投票再選を容認すれば、党内で孤立しかねず、窮余の決断になったものとみられる。
挙党態勢を条件に「菅氏支持」を表明していた鳩山氏は、一転して「小沢氏支持」に変わった。参院選前、政局混迷の責任をとってともに辞任した小沢氏を代表に推すのは、納得し難い行動だ。
鳩山氏の調停失敗を受け、小沢氏が正面突破を図ったことで、代表選は党を二分する争いになる見込みだ。党分裂含みの展開も予想され、今後、野党を巻き込んだ政界再編の動きも出てこよう。
◆「政治とカネ」説明を◆
小沢支持グループは、参院選の敗北が衆院選の政権公約(マニフェスト)から逸脱した結果だとして、「原点回帰」を唱えている。菅首相の消費税率引き上げ検討発言も批判してきた。
しかし、子ども手当などのバラマキ政策は、当初の極めて甘い財源見通しにより、公約通りに実行できないのは明らかだ。
小沢氏が原点回帰路線に立つなら、公約実施に向けた現実的な財源と、工程表を早急に提示することが肝要だ。
小沢氏がなすべきことは、それだけではない。「政治とカネ」の問題について、きちんと説明責任を果たすことが欠かせない。
自らの資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件について、小沢氏は先の通常国会では、衆院政治倫理審査会で弁明せず、証人喚問からも逃れた。
しかし、参院選の結果、与党が過半数を失ったことによる「衆参ねじれ国会」の下で、野党側の厳しい追及を乗り切っていくことは極めて難しい。
今秋、検察審査会が再び、「起訴すべき」と議決すれば、本来なら小沢氏の強制起訴は免れない。ただ、憲法には「国務大臣は在任中、総理大臣の同意がなければ訴追されない」との規定がある。
菅支持派からは「小沢氏は起訴を逃れるため、首相をめざすのではないか」との声も聞かれる。
実際、「起訴議決」の場合、小沢氏はどう対処するのか。事前に明らかにする責任もあろう。
一方、菅首相は、小沢氏の出馬が確定したことを、重く受け止めなければならない。
菅首相以下、民主党執行部は、参院選敗北について明確な責任をとらず、敗因についても十分な総括をしてこなかった。これらが党内に不満を醸成した。
◆政治空白の余裕はない◆
党運営や政策遂行をめぐる首相の指導力や判断力に、民主党の多くの議員が不安を抱いていることも否定できない。
最近の円高や株安など、経済危機への対応一つとっても、菅内閣の動きは鈍い。代表選の最中にあっても、首相は国政を預かる責任を果たさなければならない。
首相は、政権公約の修正を図ろうとするなら、政権交代以降の政策を再点検し、今後、何を変え、何を継続するのかを明確にすることが大事だ。
消費税率の引き上げ問題も、右顧左眄(うこさべん)せず、所信を正面から訴えるべきである。
現在の民主党は2003年、当時の菅民主党代表と小沢自由党党首が、政権交代を旗印に、両党を合併して生まれた。
当初から「選挙互助会」とか、「理念なき合併」との指摘があった。憲法改正や安保政策、消費税問題など党の基本政策は、今もって確立していない。これが、政権担当政党として政策を進める上の障害になっている。
この際、両氏は、党分裂や政界再編に至る可能性に臆することなく、党の基本政策について徹底した議論を展開すべきだ。
(2010年8月27日01時23分 読売新聞)
以下、今日の一斉ではなく25日のですが採録しておきます。
「小沢首相」に理解を得られるのか【日経、社説】
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E1E6E3E4E6E2E2E0E7E2EAE0E2E3E28297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
2010/8/25付
9月の民主党代表選で再選を目指す菅直人首相と、小沢一郎前幹事長を支持するグループとの対立が激しくなっている。小沢氏が菅首相の対抗馬として名乗りをあげるかどうかが最大の焦点だ。
小沢氏の代表選出馬には大きな違和感を覚える。与党の代表選は、首相を選ぶ選挙である。小沢氏が代表選で勝てば「小沢首相」が誕生するが、それは多くの有権者の意識と乖離(かいり)している。各種世論調査では、小沢氏の出馬を支持しない声が多数派だ。
小沢氏は自らの資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件について、国会で一度も説明しておらず、けじめがついていない。この事件で小沢氏の元秘書ら3人が起訴されており、小沢氏の政治的、道義的責任は免れない。
しかも東京第5検察審査会の結論次第で、小沢氏が起訴される可能性も残っている。4月に第5検察審は小沢氏を「起訴相当」と判断した。審査会が再び「起訴相当」と議決すれば、小沢氏は強制起訴され、刑事被告人となる。
結論が出るのは代表選後になる見通しだが、仮に小沢氏が新代表に就任した後に起訴相当の議決が出れば、国政の混乱は避けられまい。
憲法75条には、国務大臣は首相の同意がなければ訴追されないという定めがある。民主党内では、小沢氏が出馬する場合の理由を「首相になると起訴されなくなるからだ」と見る向きもある。こうした見方が出ること自体、首相としての適格性を疑わせる。
強制起訴という結論に至らなくても、国会論戦は小沢氏の「政治とカネ」の問題一色に染まりかねない。1年間に3人目の首相交代となれば直ちに衆院を解散するのが筋だが、小沢氏支持グループにその覚悟があるようにはみえない。
小沢氏支持グループは昨年の衆院選のマニフェスト(政権公約)の実行を唱えている。だが、2010年度予算編成で早くも財源の壁にぶつかり、衆院選の公約が破綻していることは誰の目にも明らかだろう。具体的な財源の裏付けを示さずに、公約の順守を求めるのは無責任だ。
参院選の大敗で精彩を欠く菅首相にも注文がある。熱心だった消費税の増税問題にも及び腰だが、続投を目指す以上、しっかりした政権構想を示し、この難局に臨む気概をみせてもらいたい。新人議員らの顔色をうかがい、多数派工作に腐心するだけでは、再選を果たしたとしても、強い実行力は生まれない。
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