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小沢出馬を「政治とカネ」で批判するのは政策不在の証拠
フリーライター宮島理のプチ論壇 since1997
2010年08月26日16時00分
http://news.livedoor.com/article/detail/4969564/
民主党代表選に小沢一郎前幹事長が出馬。今のところ、菅首相との一騎打ちとなる模様だが、これほど露骨に政局オンリーの首相選出選挙が行われるのは、 1990年代の自民党総裁選以来だろう。有権者が望んだ通り、「新しい民主党=古い自民党」政治が着々と実現している(もっとも、仮に十分な公開討論が行われなければ、「古い自民党」以下の最悪の首相選出選挙となる)。
案の定、菅陣営はおかしなことを言っている。「政治とカネ」などという、くだらないことをまた持ち出しているのだ。「政治とカネ」というのは、日本政治の中では、政策不在で政局しかない状況において多用される、愚民思想満載の言葉である。「政治とカネ」ということを強調する政治家は、「政策なんてどーでもいい。クリーンとかフレッシュとか言ってれば、バカな有権者どもはいくらでも操作できる」と言っているに等しい。
まず、小沢出馬が決まる前段階から、蓮舫行政刷新担当相がこんな愚民思想丸出しの発言をしていた。
「蓮舫行政刷新担当相も『前政権時代のようにさまざまな政治とカネの問題を起こしてもらいたくないとの思いが政権交代につながった。その国民の声は無視できない』と、小沢氏を牽制した」(産経新聞Link )
今さら言うまでもないことだが、政権交代が起きた2009年衆院選で、「政治とカネ」がテーマになったことは一切ない。バラマキ・既得権護持という、「古い自民党」もびっくりの利権政治を約束したからこそ、民主党は政権交代を果たせたのだ。これまでも何度も書いてきたように、「政治とカネ」がテーマなら、民主党は2007年参院選と2009年衆院選で惨敗していなければおかしい。蓮舫氏は、事実とは正反対の「国民の声」を捏造するのをやめるべきだ。
「安倍政権でも荒井大臣と同様の事務所費問題が発生したが、安倍首相本人には問題は発生していなかった。一方で、民主党の小沢代表には、本人に土地取得問題が発生していた。それでも、参院選では民主党が勝利した。『政治とカネ』などという問題に有権者が重きを置いていない明白な証拠である。(略)
民主党の鳩山代表にも小沢幹事長にも、『政治とカネ』問題は浮上していた。総選挙前から、その内容についてはメディアでしっかりと報道されていた。それでも、総選挙では民主党が勝利した。2度の国政選挙で、有権者は『政治とカネなんてどうでもいい』という意思を明確に示したのである」(「菅政権でも『政治とカネ』報道──『有権者はイメージでしか政治を理解できない』という愚民思想報道はいい加減やめるべき」Link より)
「政治とカネ」で真っ黒な民主党を有権者は圧倒的に支持した。「政治とカネ」なんかよりも、バラマキ・既得権護持の方が重要だからだ。鳩山・小沢が支持を失ったのは、バラマキ・既得権護持政策の実現に疑問符がついたからであって、菅がそれ以上にダメなら、やっぱり小沢か、となっても何ら不思議はない。
要は、税負担や機会損失をすべて新卒・無業などの新規参入者や将来世代に押しつけて、労組利権、高齢者社会保障給付などのバラマキ・既得権を護持することが最優先事項というわけだ。「今現在の自分たちさえ良ければ、あとはどうでもいい」という「政権交代の精神」は今もはっきりと生きている。
だからこそ、菅陣営は「政治とカネ」でしか小沢陣営を批判することができない。政策的にはバラマキ・既得権護持ということで一致しているからである。問題は、どちらが利権を握るかということなのであって、人口減少、グローバル化への対応や世代間格差の解消といった重要課題を解決する発想はそこには存在しない。唯一、課題解決を実践してきた構造改革路線をぶっつぶしたのが民主党なのだから、当然といえば当然だ。
「首相側近は『首相は完全にファイティングポーズだ。「この代表選は、民主党が本当の民主党になれるかの分水嶺だ」と思っている』と対決姿勢」(朝日新聞Link )
ここで、菅首相が言っているとされる「本当の民主党」というのも、別に政策的な特徴があるわけではない。単に「小沢と違ってクリーンでフレッシュでオープンな民主党」といった、フワフワとしたイメージしかないのである(実際には菅陣営もクリーンでもフレッシュでもオープンでもないわけだが、愚民思想の持ち主にとっては自己イメージだけがすべてなので彼らは気にしない)。「本当の民主党」などというものは、菅陣営のお仲間にとってはおおいに盛り上がるネタなのだろうが、大多数の国民はもちろんのこと、民主党支持者にとっても、心の底からどうでもいい話だろう。代表選の結果がどうなろうと、政策論争を封じた民主党利権政治は、あと3年続く。
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