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民主党代表選で再選を目指す菅直人首相が23日、「伝家の宝刀」を持ち出した。「脱小沢」戦略に続き、「3年間は解散しない」と明言。選挙基盤が弱い当選1回生議員を安心させ、取り込む狙いからだ。ただ、首相の権力の源泉である「解散権」を自ら封じるかのような発言は、首相の求心力低下を招きかねない。
23日午前、衆院議員会館の首相の自室で開かれた民主党の1回生議員18人との懇談会。首相は「縦割り行政を政治主導で変えたい。そのためには3年間は腰を据えて本格的な改革をやりたいんだ」と説明。そして「3年後に参院の任期が来るから、そのときに衆参ダブル選挙でいいじゃないか」と踏み込んだ。
首相は約40人の議員に自らのインタビューが載る本を贈呈。裏表紙に議員一人ひとりの名前を書き入れるサービスぶりで、1回生議員の支持拡大に躍起だった。
衆院議員のクビを切る解散権は、首相の最大の武器。首相があっさりそれを封印したような発言をしたのには、訳があった。
この日、小沢一郎前幹事長に近い山岡賢次副代表は都内で記者団にこう語った。
「ねじれ国会では予算関連法案が参院で通らない。解散と引き換えに通してもらうことになるのが確実だ」
小沢氏支持グループの戦略の一つは、菅首相では早晩、政権は行き詰まり、衆院の解散・総選挙に追い込まれると宣伝することだ。選挙基盤が固まっていない1回生の不安をあおり、首相から支持を引きはがすことにある。首相が解散権を封じてみせたのは、1回生のこうした懸念を払拭(ふっしょく)するためだった。
だが、あえて解散権を封じる戦略は、首相の求心力低下につながる危険もある。
政府提出の法案の成立がままならない「ねじれ国会」で、首相は解散しないと足元を見られれば、国会で野党との駆け引き材料を失い、国会運営の主導権を完全に失ってしまう。今回、再選されても党内の「反菅」勢力への抑えも利かなくなるのは明白だ。
山岡氏は首相の発言を聞くや「3年後のダブル選挙なんて無理だ」と記者団を前に切って捨てた。首相は代表選での多数派工作を念頭に、表向き「解散しない」と言い出したに過ぎないとの見立てだ。
懇談会ではまた、首相が「脱小沢」路線を捨てたのではないかと受け取られかねない場面もあった。
「小沢さんがいたからこそ、政権交代を成し遂げることができた」。首相は「挙党一致」を求める1回生の問いに、小沢氏をこう持ち上げ、「誰もが、これでやっていこうという形になるよう努めたい」と語り、挙党態勢の必要性を強調した。
だが、前原誠司国土交通相、野田佳彦財務相、岡田克也外相らは、「脱小沢」を条件に首相への支持を明確にしている。
解散権を封じたとみられたうえ、小沢氏に融和のサインを送ったと受け取られかねない首相の発言に、首相を支える党幹部の一人は「殴りに行こうかと思った。菅さんはわかっていない。すぐ余計なことを言う」と憤った。
足元の菅グループの中には、融和路線で代表選を乗り切り、その後の政権運営を安定させたいとの思惑もある。23日の菅グループの会合では、出席者から「無投票が一番安定した挙党一致だ」との声も出たほどだ。
「脱小沢」と党内融和を求める声の双方に、一定の配慮をせざるを得ない首相の苦しい胸の内ものぞく。首相は同夜、鳩山由紀夫前首相に電話し、「どう振る舞ったらよいだろうか」と相談。鳩山氏は「首相らしく泰然自若としたらいいのではないか」とアドバイスした。
http://www.asahi.com/politics/update/0823/TKY201008230458.html
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