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http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100823/plc1008232340014-n1.htm
菅首相「鳩」切り崩すクセ球 鳩山氏「支持決めてない」と突き放す
2010.8.23 23:38
「どうすればいいですかね」
菅直人首相は23日夜、鳩山由紀夫前首相に電話し、9月の党代表選について相談を持ちかけた。小沢一郎前幹事長の出馬回避をはかりたい首相は、小沢氏とのパイプ役として鳩山氏に期待したようだ。
この日、首相は1回生議員との懇談会で「小沢さんは独特で、フランクに話せる人ではない」と、腹を割って話せないことをぼやいていた。だが鳩山氏の返答は素っ気ないどころか、首相の1回生との懇談会への不快感を示すものだった。
「泰然自若でいいんじゃないですか。選挙目当てと思われるのはプラスにならない。国政に専念する姿を見てもらうべきだ」
鳩山氏はこの後、BSフジ番組に出演し首相とのやり取りを暴露してみせた。
首相は小沢氏に批判的な世論を背景に、「脱小沢」路線の堅持を求める仙谷由人官房長官、枝野幸男幹事長らに軸足を置いてきた。これに対し、鳩山氏は小沢氏も含む挙党態勢を、代表選後の人事でつくるよう求めてきた。
首相は懇談会のなかで、「鳩山さんや輿(こし)石(いし)(東(あずま)参院議員会長)さん、小沢さんも含め、前向きに進めるという態勢を作るつもりだ」と、代表選後の挙党態勢づくりを示唆。さらに「小沢さんがいてくれたから政権交代できた。大変な手腕だ。いずれ小沢さんのような人が必要になる時もある」と、気味が悪いほど小沢氏を持ち上げていた。
にもかかわらず、鳩山氏はなぜ、厳しい態度をとったのか。首相の“挙党態勢”発言が、鳩山グループや衆院1回生を切り崩すための「クセ球」とにらんだからにほかならない。
事実、「反小沢」の前原グループからは「懇談会の発言と権力行使は別だ。人事は勝者が決める」(幹部)との声も出ている。
「19日の(鳩山グループの)研修会で小沢さんが『がんばろう』と言ったのは出馬するとの言葉だと思った。(首相と小沢氏が)ガチ(本気)で戦ったら国民のためにならない。首相は能力主義の人事をしてほしい」
鳩山氏はこうも述べた。首相がいまのところ「脱小沢」路線を放棄するつもりはないとみているようだ。
これまで、条件付きでの首相再選支持を語ってきた鳩山氏だが、一層の圧力をかけるつもりか、BSフジ番組では首相再選について「結論を出したわけではない」とまで発言した。
一方、小沢氏は23日、都内の個人事務所で山田正彦農水相ら小沢グループの議員と面談した。小沢氏は出馬について「かなり悩んでいる」(周辺)とされる。首相になれば国会で「政治とカネ」の問題で集中砲火を浴びるのは確実だ。
もともと小沢氏は、公認権と年間170億円の政党助成金を扱う幹事長ポストを重視しているとされる。
小沢氏が満足するように幹事長ポストを首相が差し出すか、それとも「脱小沢」を貫くかが、代表選の焦点になっている。(佐々木美恵)
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