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http://www.pjnews.net/news/490/20100821_2
PJ: 高橋 清隆.
国民新らがデフレ脱却の予算を政府に申し入れ
2010年08月23日 07:02 JST
提言書の内容を説明する森田政調会長(左から)、下地幹事長、田中新党日本代表(撮影:高橋清隆、2010年8月20日)
【PJニュース 2010年8月23日】国民新党らは20日、首相官邸で政府に2010年度の追加経済対策と11年度の概算要求に関する要望を行った。国民生活の破たんを食い止めるための景気対策が盛り込まれている。GDPの伸びが鈍化する中で円高が進み、デフレ脱却がさらに困難になるとの判断からだ。
首相官邸を訪れたのは下地幹郎(みきお)幹事長と森田高(たかし)政調会長、国民新党と統一会派を組む新党日本の田中康夫代表。午前中、仙谷由人官房長官に面会し、菅直人総理大臣あての2通の提案書を手渡した。その後、各省庁を回り、要望の内容を説明した。
追加経済対策は4月7日にも財務大臣に提出している。「二番底を防ぐ緊急処方箋(せん)」の副題が付き、規模は総額11.1兆円。「10年デフレ」が続き米・欧・中とも息切れしつつある中、30兆円といわれるデフレギャップから脱するため、切れ目のない措置を講じるもの。
経済状況については、亀井静香代表が7月28日に「非常事態」と認めている。景気対策を唱えると必ず出てくるのが「財政赤字の悪化」だが、この提案書には、財政政策の継続によって中期的な健全経済環境が回復すれば、税収増と名目GDPの拡大を背景に財政の健全化が期待できることが説明されている。
経済対策案のキーワードは、「地方」「福祉」「環境」「雇用」。「元気な地方の復活」(2.8兆円)や「雇用対策と優しい長寿社会」(2.2兆円)、「待機児童ゼロ予算」(1300億円)、「環境日本プラン」(2.5兆円)、「競争力創造のための社会資本整備」(3.0兆円)、「高度先進科学技術事業の推進」(0.5兆円)からなる。
うち、額の多い事業項目としては、保育所整備地方負担分・医師確保基金や公的病院補助制度などの「医療介護・福祉目的」の1.2兆円、100万人の正規社員転換を促す「正規雇用転換奨励制度」の1.6兆円、開かずの踏切対策や連続立体交差事業などの「交通渋滞対策」の1.5兆円など。
変わったものでは、「地方単独事業のための交付金の追加」の1.0兆円で木製ガードレールの導入や隧道(ずいどう)・橋梁(きょうりょう)の緊急点検・強度補強工事などを支援する。環境対策では、住宅用太陽光発電の導入補助を現行の10%から50%に拡充するほか、エコポイントやエコカー補助金・減税の11年末までの延長を盛り込む。
財源には、建設国債や無利子非課税国債のほか、今年度の経済対策予備費1.0兆円や特別会計余剰金1.8兆円、外国為替特別会計積立金2.0兆円を見込む。特別会計余剰金は財政投融資や外国為替資金、特許など5つの特別会計から捻出(ねんしゅつ)する。
11年度概算要求への提案書は「元気の出る日本再生」の副題で、規模は示されていない。各省庁別に重点事業を列記しているが、注目を引くのは防衛予算の拡充である。SACO(沖縄に関する特別行動委員会)関係経費と米軍再編関係費の合計1078億円を別枠にするとともに、研究開発費の増額や島嶼(とうしょ)防衛の調査経費を計上。わが国の防衛費が8年連続で削減されていることへの危機感が表れている。
午後の記者会見で森田政調会長は「米国の年次報告書によれば、中国(の今年の防衛予算)は12.8兆円で、わが国は4兆7000億円。そこから10%シーリングするのは物理的に不可能。人件費、衣料食費、ローンの払いを除くと5000億円くらいしか一般物件費がない。そこから10%、4700億円引くとゼロになってしまう。だから、油も弾も買えず、訓練もできない。日常業務が一切できなくなる。それで国防が成立するのか」と訴えた。
ほかに、外務予算で資源外交の取り組み強化や在外公館の情報収集ネットワーク強化を明記。法務予算では入国審査官の増員、外国人による軍事施設周辺や離島部・水源地などの土地売買の許可制度確立などを挙げた。安全保障に対する意識の高さがうかがえる。
一方、校舎の耐震化工事の加速や国公私立大学の予算増額を図る文部科学予算のほか、農業基盤整備資金の前年度並みの回復や農産物の輸出促進のための輸送コスト支援などの農林水産予算、新幹線の国内外の展開や大型国際旅客船の寄港可能な港整備などの国交予算、縮小を続ける沖縄関係予算の3000億円程度の特別枠の設置など、地域の活力に期待する内容となっている。
財源は概算要求項目の一部削減による捻出と、新たな仕組みを提案している。削減による捻出は、独立行政法人の事業仕分けや子ども手当の所得制限の導入および国内居住要件の追加、公務員世帯への農家個別所得補償除外などによる。子ども手当は対象を世帯収入900万円程度以下とすることで、約1000億円の財源を確保できると見込む。
新たな財源には、無利子非課税国債や特別会計の活用のほか、企業収益に関係なく課税できる外形標準課税制度や金融機関の「休眠口座」の預貯金の有効活用を想定している。
次年度概算要求に関する提言に規模が記されていないのは、すでに7月27日、大枠が固められているからである。下地幹事長は記者団に「本来であれば概算要求もキャップを外した形で予算要求すべきではないかと思うくらいの気持ちだが、閣議決定されているので、追加経済対策と一体となって見ていただいても結構だ」と語った。
閣議決定された次年度概算要求は、国債の利払い費を除く歳出額を今年度と同じ71兆円以下にする内容。一律10%削減がうたわれている。このままでは為替や株価が今のままでもデフレ脱却は無理だ。与党とはいえ、国会議員7人の会派が政府にどこまで迫れるのか。
新党日本の田中代表は「見える形で地域の活力と希望と雇用を生み出す内容を示した」と自信を見せた。その上で、「菅総理に提言させていただいたことを、どのように政府が、あるいは民主党が認識され、決断をされていくかが問われている」と投げ掛けた。政府を主導する民主党執行部の対応が注目される。【了】
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