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高まる主戦論 小沢氏「9月勝負だ」
民主党代表選を1カ月後に控えた今月14日夜、京都市内の料亭旅館。民主党の小沢一郎前幹事長側近として仕えた高嶋良充前参院幹事長、佐藤泰介前参院総務委員長らを慰労する会が、小沢氏の主催で開かれた。
「今、勝負しなくても、菅政権は来年春には行き詰まる。その時に小沢さんが出ればもっと支持は集まる」。一人が水を向けると、小沢氏は言い切った。
「正々堂々と戦うのなら、9月の代表選しかない」
高嶋氏らには、菅直人首相がこのまま続投しても、首相問責決議案が可決され、求心力を失って、11年度予算案審議前後で退陣に追い込まれる−−との読みがある。だが、小沢氏には「菅氏を延命させれば、『政治とカネ』を材料に小沢氏をつぶしにかかる」(側近)との警戒感がある。9月代表選で実権を握り返さなければ展望は開けないとの思いだ。
小沢氏が「9月勝負」にかじを切ったのは、7月29日の党両院議員総会だった、と別の側近は明かす。総会では、小沢氏系議員から「首相退陣論」が渦巻いたが、首相は「代表選まで現執行部体制で対応する」と宣言。仮に首相が執行部刷新に踏み切り、小沢氏に協力を求めていれば、「小沢氏も応じた」とこの側近は語る。
小沢氏の反応は素早かった。6月2日に「ダブル辞任」を表明した鳩山由紀夫前首相との連携を模索する。
「小鳩連携」を印象付けた19日の長野県軽井沢町での鳩山グループのバーベキューパーティーに小沢氏は参加。17日に訪中中の鳩山氏から誘いを受けた小沢氏は18日、鳩山氏に直接電話で「参加させてもらう」と応じていた。小沢、鳩山両グループに加え、旧社会党、旧民社党グループを固めれば国会議員票で過半数を制することができると計算する。
資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、今秋に東京第5検察審査会から2度目の議決が出される予定で、「起訴すべきだ」との議決なら強制起訴されることが小沢氏出馬を阻む要因とされる。
しかし、党幹部は、小沢氏が出馬を検討するのは、検察審査会の機先を制する狙いもある、とみる。「首相になればそう簡単に訴追の判断はできなくなるからだ」と指摘。仮に強制起訴されても「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない」との憲法75条を盾に訴追を阻むことも可能との見方もある。
こうした国民の反発を買いかねない「荒業」を小沢氏が視野に入れているかは不明だが、17日には、小沢氏に側近が、「代表選で負けても与党内野党に徹すれば、政界再編のイニシアチブがとれる。検察審査会を気にしていたら、検察の思うつぼだ」と助言すると、小沢氏はうなずいたという。
ある側近はこう政局を読む。「代表選で負ければ党を割ればいい。80人でも出れば民主党は野党になる」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100823k0000m010115000c.html
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