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2010.8.18(その2)森田実の言わねばならぬ【749】
平和・自立・調和の日本をつくるために[749]
《新・森田実の政治日誌》[民主党国会議員H君への手紙(2)]いま民主党政権は何をなすべきなのか/具体的な円高・景気対策を緊急に講じなければならない
「いかに長く生きたかでなく、いかによく生きたかが問題である」(セネカ)
H君。最近の景気後退・失速の事態に対し、菅内閣はあまりに傍観的で無責任ではないかと私は思っています。
2年ほど前から私は毎週金曜日大阪へ通っています。関西テレビ放送の「スーパーニュースアンカー」(16:55〜17:55放送)に出演するためです。最近は東京のテレビ局からはほとんど出演依頼がなくなりましたので、時々「もう森田さんはこの世にはいないのではないか思っていました」などと言われることがあります。関西テレビ放送のエリアは関西2府4県と徳島県に限られています。他の地域の人々は、私がいなくなったと思っているのでしょう。
関西テレビ放送には自由でおおらかな空気があります。東京では尊重されなくなった時の政治権力、主流派、多数派への批判的言論を関西テレビ放送は寛大な態度で受け止め、受け入れてくれます。東京のマスコミからおおらかさが失われています。関西テレビ放送には寛容さと言論の自由を大切にする気風があります。
先週8月13日(金)の大きなニュースは「円高」でした。東京では、政府もマスコミも「何をやってもだめだ。日本だけではどうにもならない」という空気です。みんながあきらめています。菅首相も軽井沢で休暇をとっていました。仙谷官房長官に電話しただけです。日銀も動きません。日銀はほとんど他人事です。日本経済は「円高・株安・デフレ深刻化」の悪循環に陥っています。
H君。この「あきらめ」の姿勢は世界からどうみられるでしょうか。日本政府は無気力、無能力、無責任とみられるでしょう。そうすると、強欲な巨大金融資本はしたい放題になります。円高を徹底的に利用するでしょう。「円高・株安・デフレ深刻化」の悪循環は止まらなくなってしまいます。それでも菅内閣と日銀とマスコミは、何らかの手を打とうとしないのです。おそろしいほど鈍感です。
H君。私は、政府、日銀がこのような消極的な態度をとりつづける原因は、それぞれの組織のリーダーの「自分さえよければ主義」にあると思っています。関西テレビ放送でこのような発言をしました。「菅首相の側は、いま動いて失敗したら9月の代表選に悪影響が及ぶことを心配しているのではないか。日銀は、いま動いたら日銀の独立性があぶなくなると心配しているようだ。財務省もいま動かない方が得だ考えがあるのではないか。責任ある組織の指導者が自分さえよければ主義に陥っていることが無為無策の原因だ。政府、日銀、財務省は、「円高・株安・デフレ深刻化」の悪循環を断つために行動を起こすべきである。政府は世界に向かって、これ以上の円高を認めないことを明らかにし、円売りなどの具体的行動すべきだ」。
H君。菅首相も民主党も最近の経済の動きに鈍感すぎます。これ以上の円高は危ないと思います。いまのままでは大企業は海外へ出て行きます。そうすると国内産業の空洞化が起きます。放置できない状況になっているのです。失業者は増大します。中小小規模企業の倒産は増えます。その上、公共事業費のさらなる削減で、地域経済はさらに低迷します。
H君。菅内閣は何をしているのですか。あまりにも無為無策、無能、無責任です。それでも、民主党は菅政権を支持し、続投させるのですか? 民主党の国会議員の皆さん。目を覚ましてください。(つづく)
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