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◆「前原誠司国土交通相が、3日前に小泉純一郎元首相と会った」という情報が8月15日早朝、板垣英憲マスコミ事務所に信頼すべき情報筋から伝えられた。3日前と言えば、8月12日。前原国交相はこの日、日本航空機墜落現場である群馬県上野村の御巣鷹の尾根を訪れ、追悼慰霊式に出席して犠牲者520人の冥福を祈った。事故後、航空行政を所管する旧運輸相・国交相が慰霊登山をしたのは初めてであった。
式典を終えて小泉元首相とどこで会ったのか、会談内容は何かなどは、定かではない。前原国交相は、小沢一郎前幹事長、小泉元首相のいずれからも目をかけられれている不可思議な政治家(政党を超越した若頭)である。近い将来の総理大臣として最も期待されている。そこでいろいろ憶測を呼んでいる。
一つは「郵政民営化について何か取引したのか」、二つ目は、「大連立問題を調整しているのか」、三つ目は、「小沢前幹事長がマイケル・グリーンから中国との関係を切れと言われているのに、まだ中国寄り路線を崩していないことから、予防線を張り、監視しようとしているのか」などである。改めて念押しして言えば、小沢一郎前幹事長とマイケル・グリーンとが7月18日夜、八丈島での会談で交わした約束は、守られており、その路線に従って、事は進められているという。
◆肝心の小沢前幹事長は、9月の民主党代表選に出馬するのか、しないのか。小沢前幹事長の周辺からは、「いまのままでは、小沢さんは、99%代表選に出られない」という声が伝わってきている。このところ、マスメディアなどの目を反らすため、東京都世田谷区内の私邸には帰宅せず、都内のいくつかのホテルを転々としながら、政財界、労働界などの実力者と頻繁に会っているという。最も懸命になっているのは、連合の古賀伸明会長への働きかけである。
連合がいざというときのために蓄積していると言われている闘争資金約10兆円をみすみす逃してはならないから必死でもある。それとともに、小沢前幹事長は、自分と行動を共にしてくれる同志の数や、谷垣禎一総裁の下で自民党内がどのくらいまとまるのかなど、こちらも数をめぐって細かく分析、電卓片手に計算の真つ最中という。問題は、小沢前幹事長が派閥を率いて離党し、新党を結成した後、自民党などと大連立する場合、衆参両院で過半数を確保できるか否かである。
◆小沢前幹事長は、自らを含めて44人で自民党を離党し新生党を結党、苦節16年を経て、現在衆院議員130人、参院議員37人、計167人(自民党離党時の約役3・8倍)の勢力を築いた。民主党の軒下を借りて、いまや母屋を脅かす最大派閥を形成している。このなかで、「一新会」を中心とする小沢親衛隊は、30人と言われ、小沢前幹事長の行くところは、たとえ地獄の底であろうと、どこへでも着いて行く。新人衆院議員98人も、参院議員37人も小沢前幹事長に従うと見られている。
ところが、未だ星雲状態、あるいは、混沌としているのが、自民党だという。参院議員会長選挙の際、加藤紘一元幹事長が「派閥政治は終わった」と評論してみせたように、権力とポストとカネを失った自民党は、文字通り「馬糞の川流れ状態」にある。これを一つにまとめるのは、かなり難しそうである。ただし、政権復帰が確実となれば、「背に腹は代えられない」と一気に凝結する可能性は大。それ故に、小沢前幹事長の電卓を打つ指は、真剣かつ慎重にならざるを得ないようである。
◆一方、菅直人首相は、「小沢さんの言うことは、何でも聞くから支援して欲しい」とひたすら平身低頭。まるで官房機密費を扱う官房長官と政党助成金など政治資金を牛耳る幹事長の重要ポストを小沢前幹事長の手に委ねるかのような口約束を連発。しかし、これまでで何度も裏切られてきた小沢前幹事長は、「空手形にはうっかり乗れない。また騙されてたまるか」と冷ややかである。
民主党、自民党ともに水面下で、激しい駆け引き、取り引きが繰り広げられ、ムチャクチャ状態。そのなかで、「樽床伸二国対委員長が小沢前幹事長に見切りをつけ、完全にサジを投げた」などという類の怪文書が飛び交っているという。
【小沢前幹事長が民主党代表選不出馬の場合のシュミレーション】
〔その1−菅直人首相にまた騙される〕
@代表選不出馬、選挙で菅首相支持
A内閣改造で官房長官と幹事長ポストを小沢派に渡す(翻れば、仙谷由人官房長官と 枝野幸男幹事長を裏切る)
B第五東京検察審査会が「起訴相当」と議決した場合、小沢前幹事長を民主党から除 名、衆院議員辞職に追い込む。小沢前幹事長の政治生命は、永久に絶たれる。日本 経済は大混乱に陥る。
〔その2−民主党を離党、大連立政権を樹立〕
@代表選直前に民主党を離党する
A新党「一新党」を結党する。
B自民党、公明党など保守ミニ政党と大連立政権を樹立、総理大臣に就任する
C第五東京検察審査会が「起訴相当」と議決した場合、日本国第75条〔国務大臣の 特典〕により、訴追させない。日本経済建て直し、景気上昇を成功させる。
なお、新党結成については、細川護熙政権の武村正義官房長官が読売新聞8月13 日付け朝刊4面「政治面」の囲み記事「民主代表選を読む」で、「党内抗争より公 約修正を」と見出しをつけられて、以下のように述べている。
「小沢氏は口も堅いし、約束も守る。まさしく『侍』で、人間的には魅力もあるが、『そろそろ鎧も甲も脱いで、身も心も休められたらいかがですか』と、引退を勧めたい。そうでないなら、党から独立して小沢グループで一つの党を結成すべきだ。民主党は大きく減ることになるが、小沢氏抜きでほかの政党と連立政権を組むような形になった方が、政治をすっきりさせるためにはいい」
武村元官房長官は、「隠れ竹下」でありながら、竹下登元首相と敵対していた小沢前幹事長が尽力した細川護熙政権の官房長官に就任。その後、竹下派の実力者・橋本龍太郎と都内ホテルで密会していたのがバレて、小沢前幹事長が「武村を切れ」と指示するなど関係が悪化した。この記事は、小沢前幹事長に対する意趣返しの感があり、公平な発言とは言えない。「小沢グループで一つの党を結成」はあり得る。
だが、小沢前幹事長が民主党最大派閥を形成している以上「小沢氏抜きでほかの政党と連立政権を組むような形」は、極めて難しい。武村元官房長官の見方は、むしろ、裏返して読むと真相に迫れる。
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