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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100814-00000001-voice-pol
◇地元はよくても……◇
鳩山前首相が引退表明を撤回しそうだ。7月17日に開かれた自身の苫小牧後援会の席上で、次のように語ったという。
「来年の統一地方選のころを目安に、衆院選に出馬するかしないかの是非を決めさせていただきたい」
これが本当ならば、首相在任中の「約束」は破棄されることになる。鳩山前首相は自らの掲げた「約束」を絶対に守るべきだ。
地元後援会や系列地方議員のなかには、鳩山前首相の出馬を求める声が多いのは確かなようだ。7月23日には、北海道の選挙区の市町村議員が上京し、引退反対の署名を渡して翻意を促している。
しかし、地元はよくても、国民は到底納得できないだろう。政治家の言葉は重い。それが首相となればなおさらだ。鳩山前首相には、なんとしても、最後の「公約」だけは死守してほしいものだ。
ちょうどその直前、鳩山前首相は大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫元工作員を、軽井沢の自身の別荘に宿泊させていた。
韓国において情報提供を条件に死刑を免除されている金元工作員が、日本に新情報をもたらすとは考えにくい。
だが、ニュースも夏枯れのこの時期、それはマスコミにとっては格好の材料となった。東京から大挙して軽井沢まで記者を送り込み、そのうちの数社はヘリコプターによる追跡まで行なった。記者クラブ制度のある日本のマスコミならば、当然といえば当然の取材方法である。
ところが、その「メディアスクラム」に噛み付いた人物がいた。当の鳩山前首相である。鳩山前首相はツイッター上に次のような一文を載せた。
「一般論として聞いてください。メディアがある人物を『様々な危険を想定し、警察は行動を非公開にしています』と言いながら、その人をヘリまで使い追跡しています。ご当人や周囲の安全が心配です。皆さんはメディアの役割と責任をどう考えますか」
きわめて稀有な例なので一般論に当たるかどうかは判断の分かれるところだが、メディアスクラムに対する問題提起は理解できる。首相在任中に直面した記者クラブ制度の弊害に、いまさらながら気づいたということだろう。
◇「国会議員」に縛られるな◇
ただ、なによりも注目すべきは、鳩山前首相が、ようやく自らの言葉で発信を始めたことである。
これまで、メディアに加工されてしか伝わらなかった鳩山前首相の肉声が、ツイッターなどを通じて直接的に広がるのだ。役人のチェックもなく政治家としての本音をつぶやく。今後、鳩山前首相がこのツールを利用しない手はないだろう。
ツイッターを恐れる既存メディアは、鳩山前首相のつぶやきに否定的だ。そもそも北朝鮮の拉致問題に理解があったのか疑わしい、という疑問を呈する新聞まである始末だ。こうした疑問に対しても、鳩山前首相は自らの言葉で答えていけばいいのではないか。
首相就任前から東アジア共同体構想を掲げ、日米同盟に基づく沖縄の普天間飛行場問題、さらにはロシアとの北方領土交渉など、困難な外交事案を直視した鳩山前首相が、北朝鮮の拉致問題にも強い関心を示していたのは紛れもない事実だ。
鳩山家の友愛精神は、世界、とりわけ近隣アジア諸国に向いている。それはとりもなおさず、日米のパートナーシップの新しいあり方を含む、日本の安全保障政策の根本的な見直しにつながる。
首相在任中、鳩山前首相はそうした友愛外交に関する発言を封印していた。加工されたメディア情報によって、誤解が広がるのを恐れていたからだろう。
だが、今後はより自由な身で、つまり在野の元首相という立場でさまざまな問題を発信できる。国会議員になって手足を縛られる必要はない。元首相という肩書は決して消えないのだ。
渡部恒雄氏(東京財団上席研究員)は、元大統領外交を例に一つのヒントを投げかけている。
「鳩山氏自身もまだまだやるべきことがある。元首相として、日米同盟と沖縄の負担軽減の方策を研究するための超党派の基盤をつくることだ。米国には、大統領任期中は不人気だったが引退後、『カーターセンター』というシンクタンクを立ち上げ、朝鮮半島の軍事的緊張を緩和し、ノーベル賞を受賞したジミー・カーターのような存在がいる。そうなって初めて、歴史は鳩山首相の未完の試みを評価することになろう」(『福島民報』6月4日付)
鳩山前首相の政治的目標が議員バッジにあるとは思えない。拉致問題も領土問題も、議員ではなくとも元首相としてできることは、決して少なくない。鳩山前首相は、どうか自らのゴールを間違えないでほしい。
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