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[記事転載元:http://www.snsi.jp/bbs/page/1/]
副島隆彦です。今日は、2010年8月13日です。
お盆前の、台風一過のことの時に、NHKの 景山日出夫(かげやまひでお)解説委員の首つり自殺の知らせがあった。私の弟子たちが伝えてくれた。
私は、この NHKの政治部記者あがりが、NHKの日曜討論会のテレビで司会者でありながら、あまりに、偏(かたよ)ったひどいことばかり言うので、不愉快だからテレビを消したことが、過去に数回あった。
近年は、民主党と 小沢一郎への、誹謗中傷(ひぼうちゅうちょう)がひどかった。話の前後の脈絡(みゃくらく)もなく、
唐突に、「ところで、小沢さんの政治とカネの問題は」 と言い出すメディア人間のひとりだった。きわめて不愉快な男だった。
それが、こんな死に方をした。 NHKのトイレの ドアの ノブ に 自分のネクタイで 首をひっかけて、それで、自殺をする、
ということが、可能なのか。 いつも不審な死に方をする人たちの事例(ケース)は、さっさと、自殺で片づけられる。
この件は、明らかの政治的な死である。 誰がどう取り繕(つくろ)っても、口を噤(つぐ)んでも、言(げん)を左右にしても、政治的な 死である。 景山日出夫自身が、おそらく、NHKの政治部記者の幹部として、内閣官房機密費(報償費、ほうしょうひ)を、長年、受け取ってきただろうから、それが死因のひとつだろう。 NHK内部での統制や、調査が行われていたのだろう。しかし、それだけが原因ではない。
公正で、公平であるべきNHKの報道を、あそこまで、意識的に、ゆがめて、おそるべき偏向報道をしてきた者たちに、天罰が下(くだ)りつつある。 私は、この苛烈(かれつ)な、政治闘争、権力闘争(これは、カール・マルクスが発見した重要な政治学の用語であり、考えである)の中で、 たかがテレビ局の記者程度の、準公務員(NHKは、今も、政府系の特殊法人である) が、権力闘争にのめり込むと、こういうことになるのである。
実名で、自分の名前と顔をさらして、本気で、言論をやる者たちだけが、本当の政治活動家だ。私は、自分のことを、そのような意味では、政治活動家としての 知識人であり、政治思想家だと思っている。自分にも、いつ、どのような不正な攻撃がかかっても構わない、という覚悟をして、生きている。 実名で、言論を為さないような人間たちには、どうせ到達できない、これは重要な指摘である。 甘えた、匿名の、政治見識の表明などはすべきでない。 腐れ切った商業新聞の投稿欄でも、実名での投稿が原則である。
以下に載せるのは、事件の事実を報道した記事と、それから、一番、すぐれた 景山日出夫・NHK解説委員への評論を行っていた 植草一秀(うえくさかずひで)氏の、一年半前の 文章である。
人間は、度を越して、人にひどい事をすると、恨(うら)みと憎しみが、いつまでも残って、怨念となって、かならすその人に
報(む)いが来るのだ、ということを私たちは深く思い知るべきだ。 副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
● 「NHK・影山解説委員が自殺図り重体」
産経新聞 2010年8月12日
11日午後5時25分ごろ、東京都渋谷区神南のNHK放送センター内西館8階のトイレ内で、NHKの影山日出夫解説委員(56)が首を吊っているのが見つかった。影山委員は病院に搬送されたが重体という。警視庁は自殺を図ったとみている。関係者によると、職場の机の上に遺書らしきものがあり職員が放送センター内を捜索。トイレの個室のフックにネクタイをかけて首を吊っている影山委員を発見した。影山委員は政治全般を担当していた。
● 「NHK影山解説委員死去、関係者絶句「まさか自殺するとは」」
産経新聞 2010年8月13日
東京・渋谷区のNHK放送センターで11日に自殺を図った同局解説委員室副委員長、影山日出夫(かげやま・ひでお)さんが12日午後4時40分、搬送先の都内の病院で死去した。56歳だった。詳しい死因は分かっていない。
訃報が伝わったこの日、局内では関係者が、「最近、体調がよくないとは聞いていたが、まさか自殺するとは…。解説委員室は自分のペースで仕事ができるし、周囲などとのあつれきは聞いていない」といまだに信じられない様子。また、別の関係者は「仕事熱心だし、茶目っ気もある。飲んで騒ぐこともある人だったのに、何か、よほどのことで個人的に悩んでいたのか…」と首をひねった。
警視庁代々木署の調べや関係者のこれまでの話によると、影山さんは11日夕、放送センター西館8階のトイレ内で首をつった状態で見つかった。心肺停止状態から一時蘇生(そせい)したが、帰らぬ人となった。影山さんの机の上に自殺をほのめかす内容のメモが数枚置いてあり、同署は自殺とみている。
影山さんは1976年、NHKに入局し福岡放送局に勤務。その後、政治部などを経て、2000年から解説委員として活躍、政治問題全般に詳しく、1日に放送された「日曜討論」でも司会進行役を務めていた。
●「 向NHK「日曜討論」悪質なタイトルと映像 」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-f55f.html
植草一秀の『知られざる真実』 2009年5月17日 (日)
日本偏向放送協会の看板番組のひとつ、「日曜討論」に5月17日、民主党鳩山由紀夫新代表、自民党の河村建夫官房長官が出演した。現在のような「偏向」報道を続けるなら、NHKの「偏向」に同意できない視聴者は、一斉に受信料不払いを堂々と主張し始めるだろう。
NHKは受信料支払いを「義務」とする制度変更を希望し、政権にその働きかけを行なっている。NHKの運営は制度的に、NHKの財政基盤を支える視聴者ではなく、政府、与党に支配されている。NHKが率先して偏向報道にいそしんでいるのは、政権与党に取り入って、受信料の義務化を進展させたいからなのだろうか。NHKは、自らの利益のためには、NHKの財政を支える視聴者に背を向けても意に介さないように見える。このような姿勢を取る限り、受信料義務化など「夢もまた夢」である。
NHKは「カネ」だけを追求して、報道機関としての中立公正な適正報道を脇に置き忘れている。いずれかの日程で、「日曜討論−NHKの報道姿勢を問う−」という番組を制作し、NHK番組制作責任者を政治家が問い正す必要があるだろう。本日の放送の酷(ひど)さは、「偏向」NHKのなかでも異彩を放っていた。多くの視聴者からクレームが多数寄せられてもおかしくない内容だった。誰にでも分かる問題がふたつある。番組タイトルとカメラワークだ。
番組タイトルは、前半が「鳩山民主党を問う」 後半が「河村官房長官に問う」だった。 NHKは「言葉遣(つか)い」に特段の神経を使う。ニュース報道における、いわゆる「枕詞(まくらことば)」ひとつをとってみても、例えば、小沢一郎氏について報道するときに、「西松建設問題で公設秘書が逮捕された・・・」の枕詞を使って報道を繰り返すことによって、視聴者のイメージが特定の方向に誘導される。「枕詞」の選択には、それぞれ、報道機関の「意図」、「恣意」が込められている。この問題については、「喜八ログ」様が記述されている。
同様に、番組のタイトルをどうつけるかにも、細心の注意が払われている。鳩山由紀夫氏が(2009年)5月16日に民主党両院議員総会で新代表に選出された。民主党代表は次期総選挙で民主党が勝利すれば、次期内閣総理大臣に就任する人物である。 代表に選出された翌日早朝の出演をNHKが要請し、鳩山氏が出演した。 NHKは最低限の礼節をわきまえるべきだ。適正なタイトルは「民主党鳩山新代表に聞く」だ。こんなことはNHK自身が百も承知だ。それをあえて、「鳩山民主党を問う」だ。「鳩山民主党に問う」でもない。「鳩山民主党を問う」は鳩山新代表への詰問(きつもん)である。司会者の影山日出夫(かげやまひでお)氏の姿勢は無礼な「尋問」だった。NHKの思い上がりもはなはだしい。
拙著『知られざる真実−勾留地にて−』にNHK問題を記述した。 NHK番組『総理にきく』は、当初、政策について総理と討論するための『総理と語る』だったのが、田中角栄首相の時代に、聞き手を首相官邸が選ぶ首相の自己PR番組『総理にきく』に変えられたという。 細かい話だが、「鳩山新代表に聞く」、「鳩山新代表に問う」、「鳩山新代表を問う」など、NHKは詳細を検討してタイトルをつけている。鳩山氏に対するインタビューは「鳩山民主党を問う」であった。これは、詰問(きつもん)、尋問である。 一方、河村氏に対しては、「河村官房長官に問う」だった。NHKの「偏向」が明瞭に示されている事例だ。
もうひとつの問題がカメラワークである。ストップウォッチで計測したわけではないが、鳩山新代表の映像は、大半が「下から撮影のアップ映像」だった。失礼極まりないカメラワークだった。人物に対する印象は、相当程度カメラワークによって操作できる。鳩山新代表に対して敬意を払う放送を行う場合に、このようなカメラワークはあり得ない。麻生首相を出演させて、このようなカメラワークを取ることがあり得るか。絶対にあり得ない。河村(健夫、わかむらたけお)官房長官 に対しても、質疑応答中、一部分、下から撮影のアップ映像が用いられた。しかし、このカメラワークが用いられたのは、河村官房長官に鴻池官房副長官の不祥事を問いただした場面だけだった。
河村官房長官は鴻池(こうのいけ)官房副長官の辞任を「更迭(こうてつ)」と明言し、「解任」であったことを明らかにした。下から撮影アップ映像は、河村官房長官を問い詰める場面で用いられた。鳩山氏に対するカメラワークは、大部分が下から撮影のアップ映像で、番組を見る者に対しても、強い不快感を与えるものだった。 NHKがサブリミナル効果を活用した映像を使用したことが問題になっているが、NHKの姑息(こそく)さ、悪質さ、偏向ぶりは、もはや「暴走」の領域に入っている。
私はNHK「日曜討論」に数十回の単位で出演した経験を持つが、番組司会者の劣化が著しい。かつて、司会を担当した山本孝(やまもとたかし)氏は、極めて公平で中立の運営を実行した。権力者に対しても、躊躇することなく、問うべきことを問う姿勢が鮮明だった。 山本氏に代わって登場したのが影山日出夫氏である。影山氏は 「権力迎合」 を絵に描いたような運営を示した。その姿勢は現在まで一貫して貫かれている。私が出演した時期には登場していなかったが、その後に登場した島田敏男(しまだとしお)氏も「偏向」が著しい。影山氏以上の「偏向」を示していると言ってもよいだろう。
一般国民のなかには、NHK報道に対する「中立公正で信頼できる」との幻想が残っているが、もはや、過去の遺物である。政治権力がNHKに対する圧力を強めているのも事実だろう。他方、不祥事の相次いだNHKの経営状況が悪化し、権力へのすり寄りを強めた面もあるだろう。さらに、NHKの経営改革にかこつけて、NHKを監視する名目で外部から投入された人材が、権力の手先としての活動を活発化させている面も否めない。 (以下、省略)
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
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