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http://www.the-journal.jp/contents/hirano/2010/08/post_24.html
「日本一新運動」の原点(8)── 参議院の存在意義を確立するには何が必要か
8月8日(日)の午前、「テレビ朝日」のサンデーフロントラインに生出演した。『どうする参議院』というテーマで、キャスターはニュース番組で名を馳せた小宮悦子女史、ゲスト出演者は、松井孝治(民主党)、山本一太(自民党)の参議二人と、岩井奉信日大教授(政治学)、そして私だった。コメンテーターとして藤原帰一東大教授(政治学)に、星浩(朝日新聞編集委員)もスタジオ入りしていた。
地上波テレビが、「爆弾発言」を連発する私を生出演させることは珍しいことであり、かつ格好の機会でもあると思い快諾したが、時間の制約もあって、言い足りなかったことも含め論点を整理しておきたい。
■ねじれ国会は悪いのか!
そもそも番組のモチーフが、「ねじれ国会が日本の政治のためにならない」というものであり、菅首相が政権運営で混乱するようになることを心配する背後を強く感じた。岩井教授が実例を挙げて問題点を指摘し、「ねじれ国会が悪い」という雰囲気になったので、私が冷水をかけた。
「選挙の結果は国民の、有権者の絶対的意志だ。衆参のねじれを良い、悪いにつながることで論じることは国民主権を冒涜するものだ」と。
ちなみに、参議院の63年間の歴史で、与党単独過半数の時期は、自・社55年体制の23年間だけだ。野党多数のねじれは、18年、与野党伯仲が6年間、連立の16年間も決して安定したものとは言えなかった。議会の仕組みとして二院制を採用する国では起こり得ることで、民主政治の当然の現象なのだ。政権運営を上手にやるという問題と一緒くたにしてはならない。
■問題の本質は菅政権の信頼感にある
議会政治で第一に重要なことは、主義・主張を異にしても、構成する国民、政党間に真の信頼関係が醸成されなければならない。国民の多くが「ねじれ国会」を心配するのは、菅政権に対する信頼感に疑問があり、国政を委ねることに大いなる不安を抱いているのが真因である。
それは、
1)鳩山首相が交代した直後の、「クーデター」を想起させる唐突な「小沢切り」。
2)菅政権発足後の会期末、議会政治の崩壊を招いた稚拙な国会運営。
3)消費税増税論に象徴される、民主党基本方針の独裁的変更。
4)選挙中の、議会政治にあるまじき独善的言動。
5)選挙惨敗後の無責任体制と無気力政治。
などが、自民党政治への復帰を連想させ、官僚支配政治までも復活させて国際的にも批判を受けている。
自民党、公明党、みんなの党などは、民主党と基本政策でイデオロギーによる先鋭的な対立はない。それなのに信頼関係が生まれないのは、菅政権の体質に問題があるからだ。彼が反省し、膝を屈して謝っても、菅首相を信用できない何かがあると理解した方が自然である。それは120年間続いた日本の議会政治で、菅政権の施政に政治文化として異質性を感じているのが、私一人ではないという証左でもある。
「ねじれ国会」でも、海部政権は湾岸戦争に対して応分の国際責任を果たしたし、続く宮沢政権はPKO法を成立させた。むろん、紛糾もありはしたが、一部の政党と真実の信頼関係があったからなし得た成果であることはいうまでもない。
■参議院の存在意義を確立すべし
「衆議院の行き過ぎをチェックし、補完する」ことが参議院の役割とされている。これを「あいまい」と論じたのが政治学者の岩井教授だったが、私は「政党政治の弊害をなくする」という明確な役割があると反論した。
この役割を果たしていたのは、昭和20年代だけであった。それ以降、参議院は政党政治弊害の集積場と化した。特に昭和56年の拘束式比例制、平成12年の非拘束式比例制の導入が、決定的に参議院を政党に従属せしめた。
戦前、貴族院の改革が何度か主張されたが、全部失敗した。その結果、検察ファッショ、天皇機関説事件、2・26事件と戦争への道をひた走ることになったのが歴史の証明でもある。
二院制はあり方によっては国を滅ぼす。政治学者はもっと歴史を研究し、かつ学び、それをもってして有権者を善導しなければ、無能のそしりを免れない。
参議院が野党多数となったことに問題があるのではない。与党内、与・野党間の、そしてまじめな有権者から信頼されない菅政権の「反議会政治性」が問題なのである。そして参議院を構成する選挙制度、政党を指導できる人材の確保をどう担保するのか、参議院の改革が急務であることは論を俟たない。
しかし、闇の中にある参議院に一筋の光がさしこんできた。それは議長に西岡武夫氏、副議長に尾辻秀久氏が選ばれたことだ。私は二人の人格と見識を信じ、日本の改革を期待している。同時に、放映後私に直接、間接的に寄せられたご意見を識ると、国民の健全性に改めて勇気を得る思いでもあった。
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投稿者: 平野貞夫 日時: 2010年8月12日 18:59 | パーマリンク
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