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2010/08/11(水) 22:08:14
[小沢一郎ネタ] 民主党はなぜこんな惨めなことになったのか
しょぼくれた菅首相
臨時国会の菅首相を見て、あの政権交代は何だったのだろう、とむなしくなった有権者は多いだろう。
大きな理想を掲げた民主党政権が、腐敗堕落して下野した自民党にひれ伏したのである。声は小さく、覇気も生気もない首相を見ていると、本当に情けなくなる。
政権交代から1年もたっていないのに、民主党がかくも惨めに変貌したのはなぜなのか。大マスコミはまったく報じないが、これは官=霞ヶ関の巻き返しによるものだ。その最前線に立っていたのが検察だ。
司法の暴走が指摘されて久しいが、霞ヶ関の中でも司法・検察は特別の地位を占める。国民の審判を受けるのは最高裁判所裁判官だけ。検事総長以下、8人が天皇に認証される“特別待遇”だが、民意のチェックもなければ、公取委長、会計検査官のように国会の承認も受けない聖域だ。彼らが政治家の生殺与奪(せいさつよだつ)権を握る。民主党は取り調べ可視化法案などで、そこに切り込もうとした瞬間、小沢の秘書が昨年、捕まり、鳩山の故人献金問題が火を噴いた。今年に入ったら小沢の元秘書、石川知裕衆院議員までが逮捕され、大マスコミは狂ったように小沢を叩き、こうした世論誘導が検察審査会を動かした。
そんな中、菅は小沢を排除し、その結果、民主党政権は抜け殻のようになってしまったのである。
検察の勝利で勢いづく霞ヶ関はいまや、完全に政治の主導権を取り返しつつある。「空き菅」は役人の言いなりで、小沢は動くに動けない。官僚どもは小躍りしているのではないか。
国会改革に政治生命をかけた小沢は、政治主導という一大改革の政治的、精神的支柱だった。その小沢さえいなくなれば、役人が恐れるものは何もないのだ。
あの時、指揮権発動で検察を止めるべきだった
指揮権発動がタブー視されるのはおかしい
今さら嘆いても遅いが、民主党政権は司法の暴走に対して、体を張るべきだった。具体的に言うと、法相に指揮権を発動させてもいいから、検察と対峙すべきだった。石川知裕の逮捕だけでなく、そのタイミングは何回もあったのだ。
民主党代議士で日本政治史の研究家でもある中島政希氏は、司法制度の歴史に詳しい。中島氏がホームページで「検察庁法14条の指揮権についても、その禁忌(きんき)を解き放つ時だ」と書いたのは今年1月だ。中島氏が指摘するように日本では指揮権発動がずっとタブー視されてきたが、これが大間違いなのである。
検察が正義とは限らないからだ。閣僚や財界人ら16人が逮捕されながら、全員が無罪になった帝人事件は、政党政治を潰そうとした司法の暴走として語られる。そんな検察が戦後も特別な存在として生き残り、どこからも民主的なチェックを受けないくせに「社会正義の最終判定者」になっている。おかしくないか。検察が狂ったことは何度もあるのだ。
「小沢捜査でも明らかに政治的思惑がありました。一時は巨悪を逮捕して人気を博した検察ですが最近の月光仮面はポーズです。司法の中立性を損なっている」(九大名誉教授・斎藤文男氏=憲法)
こうした検察に対する最後の歯止めが指揮権発動なのである。
中島氏は「検察制度に対する民主的統制をいかに図るかは、軍部に対するシビリアンコントロールと同様に民主主義国家にとって重要な課題だ」と説く。
ところが、日本では1954年の造船疑獄で吉田内閣の犬養法相が指揮権を発動し、佐藤栄作幹事長の逮捕を延期させて以来、伝家の宝刀は封じられた。大マスコミが批判し、当事者の犬養が耐え切れず辞任してしまったからだ。その後、正義の仮面をかぶった検察が大手を振って世の中を動かしていくのである。
とてつもない権力が集中している日本の検察
ひと握りの検察官僚が自分たちの政治的思惑で国の歴史を左右する。果たして、そんなことが許されるのか。デイビッド・T・ジョンソン氏は「アメリカ人のみた日本の検察制度」という本の中で「アメリカの検察はとてつもない裁量権を持っているが、日本の検察官の権力はさらにそれ以上に強大なものがある」と記している。密室の取調べで捜査情報を開示しないからだ。
帝人事件で逮捕された政治家、三土忠造(みつち・ちゅうぞう)氏は公判でこう語ったとされる。
「捜査権を悪用し、人間の弱点も利用し、事件を作為的に捏造して政変まで引き起こすことが許されるならば、内閣の運命も二、三下級検事の術策に左右せらることになりますが、国家のためにこれほど危険なことがありましょうか」
恐ろしいのは、検察のやり方や独立性=聖域化は戦前と変わっていないことだ。検察の行き過ぎに対し、政治が指揮権発動という最終兵器でチェック機能を果たすことは決して、禁忌されるべきではないのである。
剛腕・緒方竹虎がいなかった民主党の不幸
さて、敢然と指揮権発動させた吉田内閣の自由党は保守合同で自民党政権になり、その後、長期政権を担い、黄金時代を謳歌する。犬養は優柔不断だったらしいが、叱咤激励してやらせたのは緒方竹虎副総理(当時)だ。指揮権発動にビビった民主党政権は返す返すもバカだ。何が何でも日本を変革する。そのためにはどんな非難も甘んじて受ける。こうした強烈な意志があれば、検察の暴走は止められたのである。
「指揮権発動後、吉田政権は追い込まれますが、吉田学校の優等生、池田隼人、佐藤栄作が長期政権を担い、戦後復興という歴史的使命を果たします。2人とも造船疑獄の捜査対象で、指揮権発動がなければ政治生命は危うかった。国の混乱期において、大きな判断でした。一方、今の政治状況も混乱の極みにある。民主党政権にとって、あのとき指揮権発動することはひとつの政治的選択肢だったと思います」(政治評論家・浅川博忠氏)
法相が抵抗したら、罷免すれば済むことだ。鳩山の胸一つだったのだ。
法務官僚が絶賛する千葉法相ではダメだ
検察のリークを国会で問題にした元社民党代議士の保坂展人氏は「指揮権発動の前に捜査の可視化法案を通すべきだった」と言う。
「そうすれば、検察も政治主導を意識せざるを得なかったと思います。ところが、参院では2度も可決しているのに、政権交代後の民主党は法案成立に意欲を見せなかった。揚げ句は死刑執行に反対していた千葉法相が政治姿勢を貫けなかった。法務省内では千葉法相は優等生で絶賛されています。法相の資質にも疑問があります」
うるさ型の亀井あたりを法相にしておけば、検察もムチャはできなかったのだが、千葉じゃダメだ。完全になめられたのである。中島政希氏は「検察の捜査手法は非難されるべきですが、小沢さんサイドにも問題がある。政治の側ももっと説明すべきなのです。いずれにしても、この問題が党内の権力闘争になっているのは本意ではない」と言葉少なだ。
歴史の転換期にはさまざまなイフがあるものだ。ひとつのミスで、民主党政権は崖っぷちに立たされている。菅が小沢排除の愚かさに気づき、修正できればいいのだが、それは望むべくもない。裏でほくそえむ検察がさらなる暴走を始めた時に、この国はどこに漂流するのか。検察には手を出しようがないだけに恐ろしい。
(日刊ゲンダイ 2010/08/09 掲載)
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ここのところ、ゲンダイは連日、菅政権批判と小沢待望論を繰り返しています。
2日前の記事ですが、これは是非紹介しておきたかったものです。
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民主党代表選〜小沢主戦論強まる
検察審査会への最大の牽制
主戦論が高まってきた。9月14日の民主党代表選に向け、「小沢一郎立つべし」と側近議員がメディアを通じて、盛んにけしかけている。小沢最側近のひとり松木謙公衆院議員は「小沢さんに出馬してほしい」と公言。
小沢グループに所属する石関貴史衆院議員も「支持率は0%でもいい。この20年の政治の総決算という意味でも、小沢さんに出てもらう最後のチャンス」と語っていた。
鳩山グループ内でも「小沢出馬論」が渦巻いている。
鳩山側近の松野頼久前官房副長官が「今の時代は、強いリーダーシップが必要。私も小沢先生に出馬してほしいと考えています」と発言すれば、
同じ鳩山グループの川内博史衆院議員も「小沢さんは増税しなくてもマニフェストは実現できると自信を持っている。小沢総理であれば、それだけのパワーは十分出せる」と、期待の声を上げた。
党内最大勢力の小沢グループと“第2派閥”の鳩山グループが一致団結して小沢を推せば、「小沢首相」が実現する可能性は高い。いざ首相になれば、意外なメリットも生まれる。検察当局との“不毛な争い”にピリオドを打てるかも知れないのだ。
「検察審査会の再議決は審査員11人が全員交代したため、代表選後の10月にズレ込む見通しです。仮に2度目の起訴相当の議決が出ても、その時、小沢首相が誕生していれば、本人の起訴は免れます。憲法75条には『国務大臣は在任中内閣総理大臣の同意がないと追訴されない』と記載されています。大臣ならば首相の胸三寸で起訴される余地は残りますが、首相は自身の訴追を自ら判断できるのです。検察や検察審査会が政治的思惑で“小沢潰し”を仕掛けているんだから“目には目を”で、力ずくで対抗すべきだという考え方は党内にも結構あるのです」(民主党関係者)
小沢は沈黙を守っているが、はたして起死回生のウルトラCに打って出るのか。
(日刊ゲンダイ 2010/08/11 掲載)
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「支持率は0%でもいい」からウルトラCに打って出て欲しいです。
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